恋するマザー Vol.13

「何歳になっても女でいたいの」妻となり、母となった女の願望の行く末は?「恋するマザー」全話総集編

いつまで経っても、女は女でいたいー。

それは、何歳になっても、子どもができてママになっても、ほとんどの女性の中に眠る願望なのではないだろうか。

いつまでも若々しくいたいという願いや、おしゃれへの欲求、それに少しのときめき。自由やキャリアへの未練。

そんな想いを心の奥底に秘めながら、ママとなった女たちは、「母親はこうあるべき」という世間からの理想や抑圧と闘っているのだ。

専業主婦の川上翔子(34)は、幸せな毎日を送っていたはずだったが、ある日を境に彼女の人生が再び動き始めるー。

「恋するマザー」一挙に全話おさらい!

第1話:「子どもができても、女でいたい」。34歳・主婦の人生が、再び動き始めた日

―明日の里香の結婚式、ドレス入るかな…。

そっと脇腹の肉をつまんでみる。妊娠を機会に退職して、もう7年が経とうとしているが、明日は元同僚の結婚式に招待されているのだ。

―明日皆に会えるの楽しみだな…。皆、元気かなあ。

翔子は、新婦やゲストたちとの久々の再会に胸を高鳴らせた。

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第2話:20代の結婚出産は、勝ち組じゃなかった?ハイヒールが履けなくなった34歳主婦の葛藤

翔子が圧倒されていると、今度は同じテーブルの玲奈が話に入ってきた。

「私も出産したら、なるべくすぐ職場に復帰する。もちろん家事も育児も、夫と分担よ。生活費も折半。家事もシェア」

まるで異世界のような会話にたじろいでしまう。

同世代の二人は、翔子が引退してからの7年もの間、キャリアを積み続けていたのだ。「仕事を手放すなんて、考えたこともない」という様子は一目瞭然だった。

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第3話:“妻”でも“ママ”でもない居場所が、私を待っている…。34歳の妻が夫に告げた言葉とは?

「ねえ、翔子。単刀直入に言うわ」

翔子は驚いて、千尋の言葉を待つ。

「え?なんでしょう…」

「うちの会社の業務は少し話した通り。大きく言うと、訪日外国人向けのコンシェルジュサービス。要は駐在するための生活基盤から観光までアテンドする何でも屋さんってところなんだけど…あなたの力が必要だわ。うちの会社に来ない?」

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第4話:「今の生活に不満があるのか?」7年間尽くした妻からの、突然の提案。夫がとった態度とは

「あの…実は千尋さんの会社で仕事を手伝ってほしいって声をかけてもらって…。私、突然のことでびっくりしちゃった。でも、そんな、急に返事しなきゃってわけじゃなくて、旦那さんに相談してみてって言われたの…」

翔子は、弁解めいたことを繰り返す。なぜ罪悪感のようなものを感じて言葉を選びながら話しているのか、自分でもよくわからなかった。翔子は、圭一のことを直視できずに、視線を落としたままだ。

しかし、じっと翔子のことを見据えていた圭一の答えは、意外なものだった。

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第5話:「子持ちの女はやりたい放題ね」と20代の若い女子から言われてしまった、34歳の女

初日から、息子・航太の発熱というまさかの事態に直面してしまった。

幸い、航太の熱はその日のうちに下がり、翌日には元気に登校した。それでも万が一学校から連絡があったらすぐに対処しようと、社長の千尋にあらかじめ伝えてある。

まずは入社が遅れてしまったことを、千尋に詫びるところから始まる。千尋は「こっちのことは気にしないで。それより航太くんは大丈夫なの?」と温かい言葉を掛けてくれた。

会社は完全フレックス制を導入している。子持ちのスタッフが多いので、出社や退社時間に融通をきかせたいという千尋の思いを実現させていた。

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第6話:「あなた、ちょっと雰囲気変わった…?」女の変化に気づいた義母の一言に、ギクリとした妻

働き始めてしばらくすると、「もう少し勤務時間を増やした方が良いかも…」と思うようになってきた。

それは自らの希望でもあるが、一方で、ことあるごとに「もう帰るんですか?」と露骨にため息をつく舞花の態度に疲弊してきたということもある。

「…というわけで、ご迷惑でなければひとまず、勤務時間を延長させていただけませんか?」

翔子が千尋にそう持ちかけると「それは、こちらとしてはとてもありがたいのだけど…」と言った上で、ハッとして、眉を釣り上げ厳しい顔をした。

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第7話:突然、分厚い封筒を差し出され…。お金に困っていると思われ、同情された妻

「翔子さんが、仕事を始めた…?」

義母の雅代は、ダイニングテーブルにお茶を並べながら、悲痛な声でそう呟いていた。夫・圭一の実家は、音羽にあるそこそこ大きな一戸建てで、お坊ちゃま育ちと言えるだろう。

仕事人間だった義父を支える一方で、義母は趣味人。生け花から声楽、和裁に洋裁と、日々いそしんでいる。翔子は、義母手作りのレース編みのコースターに目を落としながら、小さくため息を吐いた。

「あの、お義母さん。私の職場なんですが…」

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第8話:妻が職場でときめいて、何が悪い?夫に本音を言えない女の、ささやかな喜びとは

「完璧だなんて…。私不器用だからいっぱいいっぱいだよ」
「そんなことないよ。仕事も家事もここまで完璧にこなしてくれるなんて、ママはスーパーウーマンだ」

圭一は満足げな笑顔でそう言った。

―そこまで言われると、言い出しにくいな。

翔子は口をつぐんでしまった。本当は、夫に相談したいことがあったのだ。

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第9話:「私さっきまで、男の人と二人で…」。妻が罪悪感を抱いた、夫と子どもに起こった想定外の事態

「翔子さん、なんかソワソワしてるけど大丈夫?何か気になることでもあった?」
「いえ…。実は私、結婚して以来、男性と二人きりで食事するの初めてなんですよ…」

明彦は驚いて、目を丸くする。

「デートってわけじゃないんだから。仕事していれば異性同士だってランチミーティングもあるし、打ち合わせついでに軽く酒飲むこともあるさ。だからそんな警戒されても…」

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第10話:「あなたって悪い母親ね」と子どもの前で罵られ…。妻のところに突然押しかけてきた、招かれざる客

姑の雅代が病室にやってきたのは、手術から2日が経った頃だった。

「航ちゃん!!もう大丈夫なの?」

ものすごい剣幕で現れた雅代は、翔子を押しのけ、航太に抱きついた。「おばあちゃん、痛い」と航太が言っても聞く耳を持たず、しつこく頬ずりをしている。

「航ちゃん、辛かったわね。救急車で運ばれたとき、おばあちゃんもう胸が張り裂けるように辛かったわ。でも、おばあちゃんたちと一緒のときでよかった。うちにいなかったらどうなっていたことか」

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第11話:「家に男を連れ込むなんて!」深夜1時半、帰宅した夫からあらぬ疑いをかけられてしまった妻

「ごめんなさい。電話、全然気づかなくて。あの…」
「そうだよな。お休みのところ、本当に申し訳ない。…航太くん、おじさんはお母さんと一緒に仕事しているんだ。廣山明彦と言います。お腹はもう大丈夫?」

明彦の言葉を受けて、航太は「うん。大丈夫」と小さく言った。

「あの、明彦さん、どうして…」

そのとき、明彦に促されて後ろから現れたのは、舞花だった。気まずそうにうつむいている。

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第12話:妻の不貞をでっち上げた真犯人が明らかに…!真に受けてしまった夫が告白した、本音とは

「いつもだったら、軽はずみな行動を…ってこの人を責めるような状況だけど、これ、先にお店を出た私の責任だわ。まさかこんなことになるなんて…。ごめんなさい、翔子」

翔子は慌てて首を横に振った。

「お二人に責任は何もないんです。ただ、ご迷惑をかけてはいけないと思って、先に弁明にきました」

いち早く千尋と明彦に状況を伝えるために、翌日、翔子は会社へ出向いていた。

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