恋するマザー Vol.7

突然、分厚い封筒を差し出され…。お金に困っていると思われ、同情された妻

いつまで経っても、女は女でいたいー。

それは、何歳になっても、子どもができてママになっても、ほとんどの女性の中に眠る願望なのではないだろうか。

いつまでも若々しくいたいという願いや、おしゃれへの欲求、それに少しのときめき。自由やキャリアへの未練。

そんな想いを心の奥底に秘めながら、ママとなった女たちは、「母親はこうあるべき」という世間からの理想や抑圧と闘っているのだ。

◆これまでのあらすじ

専業主婦の翔子(34)は、同僚たちとの再会をきっかけに、仕事をスタートすることになる。

会社にはなんとか慣れつつあったが、「義両親への報告」を怠っていたことに心苦しさを感じていた翔子。ついに義母に知られることとなり…。


「翔子さんが、仕事を始めた…?」

義母の雅代は、ダイニングテーブルにお茶を並べながら、悲痛な声でそう呟いていた。

夫・圭一の実家は、音羽にあるそこそこ大きな一戸建てで、お坊ちゃま育ちと言えるだろう。

仕事人間だった義父を支える一方で、義母は趣味人。生け花から声楽、和裁に洋裁と、日々いそしんでいる。

翔子は、義母手作りのレース編みのコースターに目を落としながら、小さくため息を吐いた。

「あの、お義母さん。私の職場なんですが…」

翔子は意識して笑顔で、明るい口調で切り出した。しかし、雅代の反応はそれを超える衝撃的なものだった。

「やめてちょうだい。聞きたくないわ」

「え?」

良い顔をされないのは覚悟していたが、頭ごなしに拒絶されるような話題を振ったつもりはない。翔子は驚きのあまり、すっとんきょうな声を上げてしまった。

【恋するマザー】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo