200億の女 Vol.30

お金目当てで近づいてきた男と、恋愛は成立するのか?明日で最終話!「200億の女」総集編

騙されたのは女か、それとも男か?
「恋」に落ちたのか、それとも「罠」にはまったのか?

資産200億の“恋を知らない資産家の令嬢”と、それまでに10億を奪いながらも“一度も訴えられたことがない、詐欺師の男”。

そんな二人が出会い、動き出した運命の歯車。

200億を賭けて、男と女の欲望がむき出しになるマネーゲームはやがて、日本有数の大企業を揺るがす、大スキャンダルへと発展する。

「200億の女」一挙に全話おさらい!

第1話:女に総額10億円を貢がせた、魔性の男。騙し続けてきた男が最後に選んだ獲物は…

―男を虜にする魔性の女。

役そのもののような目の前の女優に、同性である自分でさえ目が眩む。部屋に漂うルームフレグランスの甘い香りが、まるで彼女の体から放たれているように、この部屋の中の誰もが、彼女に吸い寄せられるように、目が離せないでいる。

グレーのパンツスーツで防御している自分の、女性らしさのかけらもない薄い体を思わず確かめてしまった時、隣に立っていた部下の富田葉子が、苛立ちを隠せない声で言った。

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第2話:「可愛げがない」と言われてきた恋愛下手な美女に近づく、魔性の男

深々と頭を下げた上田に、福島は大きなため息を返し、あーもう!と苛立った声を上げた。

「上田さん、俺が形だけの捜査とか無理な人間なの知ってるじゃないっすか!!」

苛立ったその勢いのまま、福島は、ホットコーヒーだというのに、豪快に喉に流し込んだ。上田が上層部に押し付けられ、現在福島に調べさせているのは「2億円を奪われた恋愛詐欺事件」。

被害者と名乗る女性が、警視庁を訪ねてきたのは、1週間ほど前のことだった。

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第3話:この男、怪しい…。女が、男の身辺調査をすることに決めた、ある“違和感”とは?

「お連れ様が、お一人いらっしゃっています」

そう言いながらドアを開けてくれた女性店員に、ありがとう、と言って部屋へ入ると、ドアに背を向けて座っていた男性が立ち上がった。振り返ったその顔を見た瞬間、私は、初めまして、と言いかけた言葉を飲み込んでしまった。

―なんで、彼がここに。

モナコで出会ったあの男性が目の前に。今日ここで紹介されるのは、部下の恋人のはず。

―まさか…。

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第4話:人を信じられない…。常に裏切られることを覚悟している女の、悲しい生きざまとは

―いつもこうだ。

探偵の調査は今までずっと完璧だったし、彼が、小川親太郎という弁護士は存在すると言うなら、それが事実なのだ。自分が感じた違和感は間違いだった。ならばそれを喜ぶべきなのに、沈む気持ちが拭えなかった。

もちろん、誰かを疑い調査をしたのは初めてではない。けれど、今回は部下の恋人を疑ってしまった。そして最悪なのは私が…。

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第5話:「彼といると、自分がコントロールできない」。2人の女を翻弄する、男の巧みな話術とは

「親太郎さんといると…私、すごく嫌な女になっちゃうんです」

泣いてしまったことへの照れ隠しなのか、富田は涙声のまま笑ったけれど、またうつむき、黙り込んでしまった。

私は、彼女に気づかれぬように、チラリと腕時計を見る。この部屋に入ってくるなり泣き出してしまった彼女を座らせ、話を聞くと伝えたは良いものの、次の打ち合わせまであと15分しかない。それまでに彼女を落ち着かせなければ。

「…何があったの?」

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第6話:「こんな女性は初めてだ…」。女を手玉に取り続けてきた男を驚かせた、お嬢様の魅力

「だれ彼構わずってつもりはないんですけど…葉子がそう言ってましたか?僕のこと」

少し表情を曇らせた彼にそう聞かれて、私は、はい、と即答した。この小川親太郎という人を相手に、これ以上隠し事をしたり、その言葉や行動の意図を詮索したりすることは無意味で、全てが裏目に出る気がしたからだ。

彼から視線をそらさず返事を待っていると、彼は、参った、と小さなため息を吐いた。

「神崎さんって、手強いんですね。僕の予想…というか想像とは随分違う人だ」

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第7話:幸せな家庭だと信じている妻には、絶対に言えない夫の秘密

「愛香、朝ごはん、パン焼く?それとも卵かけごはん?」

癒しの片割れへ大輝が質問すると、「ママと食べるぅー」という見当違いな答えが返ってきた。いつもは忙しいママを、独占できる日曜日の朝の喜びに溢れた娘が可愛らしくて、大輝はそれ以上追及することなく冷蔵庫を開けた。

世に言う、母親らしい母親、というわけではないかもしれないけれど、智の愛情はちゃんと娘に伝わっていると大輝は思う。けれど、智はいつもこういうのだ。

「私が母親で、この子は良かったのかな?私には母親の才能が無いかもしれないのに」

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第8話:女心を巧みに操って、2億円を騙し取ったと言われる男の、現実離れした言い訳

会社のデスクに到着したと当時に、携帯が3回連続で鳴り、送られてきたのはショートメール。送り主の番号には見覚えがないが、まず、このメールの狙いが読めないことの方が気になった。

『夫の裏切り』を知らせる密告メールとして、例えば夫と女性の浮気現場の写真など、はっきりとした物証が送られてきたとしたら、その送り主は、浮気相手の女性なのかも、というように発信者のシルエットが想像できる。

そしてその狙いは、私と夫を別れさせたいか、夫への嫌がらせか…というように、絞っていくことができるのだけれど。

―このメールの送り主の目的は?

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第9話:「とろけるくらい、甘やかしてあげます」夫に不信感を持った妻に仕掛けられた、詐欺師からの甘い罠

―ついにこの日が来てしまった。

何度も、何度も、智にバレた時のことはシュミレーションしてきたから、上手く声は出せたと思う。でも、大きく脈を打ち出した心臓がうるさい。

そして、大輝の様子をしばらくジッと見つめていた智が、一昨日届いたんだけど、とどこか申し訳なさそうに言った。

「こんなメール、気にする必要ないって分かってるし、わざわざあなたに見せるべきじゃないのかもって悩んだりしたんだけど。でも私、大ちゃん…あなたのことだけは、できれば疑いたくないの。だから、はっきりと違うっていって欲しくて」

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第10話:「もう、あなたの前には現れません」駆け引きに慣れた男が使う、女心を揺さぶるテクニック

―小川さん…。

待っているかもしれないと予想はしていたけれど、今、一番見たくなかった男。その男が運転席から降り、私の目の前に立つ。タキシードを脱ぎ、ラフな私服に着替えた彼は、言った。

「大成功でしたね。お疲れ様でした」

その能天気な笑顔に、数時間前に殺したはずの苛立ちが…どうすることもできず、こみ上げてきてしまう。

そう、数時間前。認めたくはないけれど…私がどうしても勝ちたかった今日というこの日、この場所で。よりにもよって、この彼に助けられてしまったのだ。

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第11話:「こんなに笑ったの、いつ以来…?」人妻が、夫以外の男と過ごし、解放感に酔いしれた夜

―夫の運転でさえ、こんなにぐっすり眠ったことがないのに。

ふと、夫のことを思い出したことで、頭の中に裏切りというワードが浮かんでしまったけれど、それには気がつかなかったことにして、対面に座る小川さんにもう一度謝った。

「ここまで1時間近く運転させて、しかも眠ってしまってすみません」

「仕方ないですよ。きっとここ数日まともに眠れてなかったんじゃないですか?俺は、こんな特別な場所に連れてきてもらえただけで、ラッキーです」

そう言いながら小川さんは、薄暗い室内、その周囲を見渡した。ここは、父が建てた小さな宿泊施設で、私たちはそのBARにいる。

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第12話:夫の過去は全て嘘だった…?結婚5年目に、夫の裏切りを知らされた妻の絶望

発信者を調べてもらうのはもちろん、夫の裏切りが過去から現在に渡っているというような内容だったので、探偵には、夫の過去の経歴を…私が知らない何かがあるなら、と調べてもらうことにした。

その報告が来たのが昨日の朝で、私は、なぜパーティーが終わってから調査を開始しなかったのだろうと後悔した。それは調査報告が…。思いもよらない内容だったからだ。

発信者は未だ分からず、調査を続けます、と書かれていたが、問題はその後。夫の、女性遍歴についてだった。

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第13話:「ごめん、君の財産目当てで近づいた」夫からの衝撃の告白に、資産家の妻がとった行動とは

まるで他人事のような、呑気な大輝の口調に、焦りなのか苛立ちなのか…複雑な感情が込み上げる。彼が調べてくれると言っていたのに、その結果を待たず自分で動いてしまったことへの罪悪感が消え、言葉が強くなった。

「調べたけど、誰から送られてきたのかは分からなかったわ。所有者不明の携帯からだった」
「…そっか…でも智のことだから…調べたのは、発信者だけじゃないよね。智なら、徹底的に調べる。内容についても、ね」

大輝の声は、静かだった。笑っているようにすら見えるその顔に、相変わらず、動揺は探せない。

「当然、裏切ってるかもしれない夫…俺のことも調べ上げたよね?何が分かった?」

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第14話:「あなたの奥さんは魅力的だ」。他の男から知らされた、夫も知らない妻の意外な一面

打ち合わせを終え、小川さんと一緒にエレベーターを待っていた時、後ろから聞こえた声に、私はドキッとしながら振り返った。富田だったからだ。にこやかに手を上げた小川さんに、富田がにこやかに近づいてくる。

「神崎さん、そんな心配そうな顔をなさらなくても大丈夫ですよ。今日ここにくることは、彼女に事前に伝えていたので。あ、もちろん、打ち合わせの内容は漏らしていませんのでご心配なく」

小川さんは、小さな声でそう言って笑った。情報の漏洩など心配してはいなかったけれど。

―そんなものなのかしら。

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第15話:「あなたの奥さんが好きです」。初対面の男から、妻を奪うと宣言された夫の悲し過ぎる夜

「小川さんは随分、妻に信頼されているんですね。あそこは、家族の別荘同然の非常にプライベートな場所で、智が家族以外の人を連れて行ったのは初めてだと思います。妻とは、いつから、どんなお仕事を?」

苛立ちを感じ取られぬよう、嫌味に聞こえぬよう気をつけながら、ゆっくりと質問した。すると小川さんは、グラスの中の丸氷を転がしていた指を止め、クスっと笑ってから顔をあげた。

「回りくどい聞き方はやめてもらえませんか?ご主人が気になるのは、僕の仕事の内容じゃなくて、僕と奥さんの間に、男女の関係があるかどうか、でしょう?あの夜、僕と奥さんの間に何があったか、知りたいんでしょう?」

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第16話:「ずっと騙されてたんだ…」夫の裏切りが確定した時、絶望した女が決意したこと

「私たちが別れることになった原因は、神崎さんです」

ますます理解ができない。質問する言葉を探しているうちに、遠くからざわめきが聞こえ、それが近づいてくる。これ以上、ここで話すのはまずい。私は富田に提案した。

「富田さん、今夜仕事が終わったら、飲みながらでもゆっくり話さない?色々誤解もあるような気もするし、私もきちんと理解したい」

富田が小さく頷いたことにホッとして、エレベーターのボタンをもう一度押す。その時、スーツのポケットに入れていた携帯が震えた。父からの着信だった。

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第17話:「あなたが好きだ」。夫以外の男から、1番欲しかった言葉を囁かれた女の心境

私は、足を止めぬまま、後に続く小川さんの気配を感じながら、言った。

「さっきの父の前での発言については、また、改めてお伺いして良いでしょうか?色んな情報のせいで、混乱はしていますけど、私はあなたより先に、夫と喋るべきなんです。彼と話し合うこともあるし、今はもう仕事に戻らないと。あ、ただひとつだけ」

そこで、なぜか小川さんの足音と気配が止まった。仕方なく振り向き、彼と向き合う形になると、その顔が、悲しそうなまま、だったことに少し驚いた。

「…ひとつだけ、何ですか?」

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第18話:「あなたのことが許せない」。夫から秘密を打ち明けられた妻の、葛藤と決断とは

「智が、君と離婚する、と言ったよ」

言葉を返せない大輝に構わず、潤一郎は、淡々と説明を続けていく。

小川弁護士と智の関係が怪しいという報告を受けて2人を問い詰めたところ、小川弁護士が自分の実らぬ片思いだと宣言したこと。その後、智に大輝の素性を問い詰められ、結果的に、智が離婚する、と宣言することになってしまったこと。

「…片思い、って、…その、つまり、社長の前で、小川先生が、智を好きだと宣言した、ってことですか?」

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第19話:「借金の理由は…」夫の隠された過去が明かされた時、妻が言った意外な言葉

「俺が悪いのは分かってる。智のこと騙してた俺が、色々言う権利がないことも。あの日、智に時間が欲しいと言われてから、智が望むなら、離婚するべきなんだろうな、って思ってたのも本当だよ。でも…あの男が現れた。あの男のとこに智が行く、っていうなら…奪われるのは我慢ならないし許さない」

「…奪われるって…私は彼のところに行ったりしないし、彼は関係ない。本当に関係ないわ」

必死に伝えているつもりなのに、一向に伝わっている気配がないどころか、大輝は、諦めたように、まあ、いいや、と、また、薄く笑って続けた。

「俺が、どうしてお父さんと近づいたのか、話してもいい?」

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第20話:「私は人を愛せない人間かも…」。離婚したばかりのセレブ妻が、人知れず抱える葛藤

「仮に、今持っているものを、寄付という形で手放したとして、今後智さんはどうするつもりなんですか?」

小川さんの問いは優しかった。

「今責任者として関わっているプロジェクトが何本かあるので、それを全うしたら、会社を辞めようと思っています」
「そのあとは?」
「…どうでしょう。でもともかく、まずは愛香のお母さんとして、頑張りたいな、って」

誤魔化すような返事になってしまったことは、小川さんに気づかれてしまっただろうか?

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第21話:「恥ずかしくて、身動きがとれない」。女の羞恥心を巧みに操る男の口説き文句

「俺を利用してください。あなたが誰かを…本当に愛することができるようになるために」

唇が離れてからも、私の頬に手を添えたまま囁いた、小川さんの言葉に私は我に返った。息がかかる程近くで見つめてくる薄茶色の瞳から逃げるように、その頬の手を振り払う。

―頬が熱い。

自覚したせいなのか、全身に熱さが広がっていく。脈が壊れたように早くなり、指先まで熱い。

「何するんですか。その、急に」

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第22話:「既婚者と付き合ってるの?」何も知らない女の質問に、男が伝えた非情な真実

「乾杯、っていうのも何か変かな」

親太郎がそう言ってグラスを掲げると、葉子は曖昧に笑い、アフリカはどうだった?と聞いてきた。神崎智の直属の部下である彼女だから、例えプライベートに近い渡航であっても、スケジュールを共有しているのだろう。

親太郎は当たり障りのない話だけをかいつまんだ。シャンパンを、1口、2口と、口に含みながら相槌を打つ葉子はにこやかで、一通り聞き終わると言った。

「親太郎さんの話の前に…先に、私から話してもいい?」

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第23話:「その電話、誰から?」2人きりでいる時に男の携帯に着信。女が見逃さなかった違和感の正体

「結局、智さんの発想は、常に恵まれて来た人の枠から出られない。恵まれない人たちの本当の苦しみを想像できていない。そもそも寄付のことだって、お父さんや家族への反抗心から、資産を使い切りたいという発想だけでは幼すぎる。

お嬢様の癇癪ですよ。思い通りにならないからおもちゃを壊す子どもみたいだ」

ある日の夕食中、世界情勢や政治の話になり、お互いの意見が割れて熱くなっていくうちに、親太郎さんは初めて、私への辛辣な評価や指摘を口にした。

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第24話:1億、そして5億…男と共に大金を使い始めた女。破滅へ向かう時、裏で暗躍する人物の思惑

―5億、寄付したのか。

神崎潤一郎は、兼六堂の社長室で受けた報告の電話を、驚きを隠せないまま切った。智が資産の現金化に動いているようだ、という報告も受けている。それは数億の話ではないようで、十数億か、それ以上になるのか分からなかった。

―自分の資産の使い道なんて、全く興味がなかった智が…。

父であり社長であるとはいえ、智個人が管理する資産の使い道を、密かに知ることはできない。部下には可能な限り金の流れを調べるよう命じたが、寄付される金は秘匿性も高く、なかなか難しいことが分かっていた。

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第25話:裕福な人妻が、詐欺師の男に1,000万を渡してしまった理由

田川と親太郎との出会いは、約20年程前。

田川は親の勧める高校に特に反発することもなく入学した。男子校で、比較的裕福な家の子どもが多い進学校。

親太郎とは1年の時から同じクラスだったが、当時は特に目立つような容姿ではなかった彼が注目を集めたのは、毎朝、とびきりの美女に送迎されてくるから、だった。

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第26話:「SNSで晒しますよ?」女の弱みを握った男からの、非情な脅迫の言葉

親太郎は、入り口で入念なボディチェックを受けていた。それが盗聴盗撮の機器を持っていないか確かめるためだ、と理解はしていたが、敢えて尋ねる。

「録音録画が困るような発言をなさるつもりでしょうか?」

「いえ、万が一の対策ですよ。なにせ小川先生には何度もしてやられていますから、念を入れたまでです。でもご安心ください、こちらもフェアにいきますよ。お互いに記録はとらない、この場限りの会話ということで、よろしいでしょうか?」

潤一郎は、丸腰だという表現のつもりなのか、おどけた仕草で両手を上げて見せた。そして、まずは私から、と言って続けた。

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第27話:「彼、最高でしょ?」元彼に執着する女が、男を取り戻すためにとった行動

「兼六堂の令嬢誘拐、なんと犯人は実の父親」

そんな見出しのスキャンダラスな記事を出させるわけにはいかなかった。一度食いつかれれば、マスコミは群れをなして、骨の髄までしゃぶりつくしにくる。

誘拐犯となった父親の素性もしつこく調べ上げるだろう。だから潤一郎は、事件の真実を作り変えることにしたのだ。自分が潤一郎の実子ではないことを知らない、幼い智を守りたい。その一心で。

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第28話:「あなたの恋人は、詐欺師ですよ」嫉妬に駆られた女が吐いた、捨て身の暴言

「親太郎さんの秘密を、神崎さんに教えてあげたいな、って」
「…秘密?」

聞き返した後の言葉が続かない私を笑って、富田が続けた。

「そして、彼を私に返してもらいたいんです。というより彼から離れたくなると思います」

富田らしくない皮肉げな言い回しが挑発に聞こえ、私は反論を選んだ。

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第29話:「私のお金が目的でも、彼が好き」初めての恋愛に溺れた女の覚悟

「お前が、あまりにも愚かだからだ。男に騙された浅はかな娘に、会社を潰されるわけにはいかないからね」

父・潤一郎に面と向かって愚かだと言われたのは、おそらく初めてだと思う。でも私は思っていたよりもずっと冷静で、そんな自分に驚いていた。

その時、ダイニングテーブルに置かれていた父の携帯が震えたが、それを無視したまま、父は続けた。

「あの男がどんな罪状で捜査されているのか…どこまで知った?」
「多分全てを、知ってます」

第29話の続きはこちら

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