ー夢は極上の男との結婚。そのためには、どんな努力も惜しまない。
早川香織、26歳。大手IT企業の一般職。
世間は、そんな女を「ゆるふわ」だとか「にゃんにゃん」と馬鹿にするかもしれない。
しかし、先入観なんぞに惑わされず、彼女の“秘めたる力”をじっくり見届けて欲しい。
ハイスペ男vs小動物系女の熾烈な戦いが、今、幕を開ける...!
「セカンドの逆襲」一挙に全話おさらい!
第1話:夢はハイスペ男との結婚。“脳内お花畑OL”を待ち受ける、恋人の悲惨な裏切り
「香織さん、今日はデートですか?」
早川香織、26歳。大手IT企業の一般職で、総務に所属している。
ほどよく体のラインが出るベージュのワンピースから、すらりと伸びる白く長い手足。艶のある髪に潤んだ瞳。そして、ぽってりとした血色のいい唇。自分で言うのも何だが、香織は恵まれた容姿をしている。
時刻は18時を少し過ぎたところ。退社前に会社のお手洗いで入念に化粧直しをしていると、後輩の由紀子に声をかけられたのだ。
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第2話:デートはドタキャン、LINEは未読。最高の一夜を過ごした恋人が、変異した理由
前回私の家へ招待した時は、それはもう完璧と言えるお家デートだった。
拓斗が来る前に部屋は念入りに掃除したし、いい匂いがするようにルームフレグランスも新しいものを新調した。
そしてデートのメインだった料理は…、史上最高に素晴らしい出来栄えだった。拓斗だって目に涙を溜めて感動していた(に違いない)し、何よりも、プロポーズ(のような言葉)まで引き出せたのだ。
それなのにー。
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第3話:「あなたとは、次元が違うのよ」謎のゴージャス美女の挑戦的な微笑みに、胸がザワついた夜
お会計を済ませ、店を出ようとしたところで、聞き覚えのある苗字に耳を取られた。
「“ミナミ”で予約をしてあると思う…」と言うゴージャス美女は、きっと“ミナミ”という人と待ち合わせなのだろう。“ミナミ”は私の彼氏の苗字でもある。偶然だろうが、何となく気になった。
彼女の方を見ると、向こうもこちらに気がついたのか目が合った。そして、つま先から頭の先まで全身を一瞬でチェックしたと思うと、ニコリと感じの良い笑みを浮かべた。
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第4話:「二人とも彼女だけど…?」悪気なく答える恋人に、言葉を失ったセカンド女の苦悩
ー旅行…親しげな女性の声…。
必死に自分が傷つかない未来を考えるも、今回ばかりは嫌な感じが取れない。
それに、拓斗の前で必死に自分を可愛く見せようと繕ってきた香織にとって、中原梓という女性の、飾らない口調が耳に残って仕方ないのだ。
ー一体、誰なの?拓斗とどんな関係なの…?
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第5話:男の30歳は遊びたい盛り。彼氏と思っていた男が本命彼女と絶対に別れない理由
香織の泣き出しそうな目と、僕を信じきっていた彼女の混乱した顔を目にした途端、何となく…手放すには勿体なくなったのだ。
—料理ができて、一緒にいると癒される存在—
いつの間にか彼女の地位が、自分の中で“遊びの女”から“愛着のわいたペット”くらいに格上げされていたのだと思う。
さて、これからどうしようか。とりあえず、香織はどう出るのだろうか?
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第6話:“面倒な恋愛脳の女”の烙印。愛する男に暴かれた、セカンド女のコンプレックスの正体
「大事な人からの贈り物♪」
その思わせぶりな投稿と同時に表示された写真には、キラキラと輝くダイヤの指輪が写っていた。立て爪でこそないものの、その大きさや輝きは”婚約指輪”と疑わずにいられない。
投稿には数百の”イイねや”ハート”が付き、「え、何なに!?そういうこと?」などのコメントが寄せられていた。
「何よ…これ…」
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第7話:「君じゃ、二股男を見返せない」。セカンド女の浅はかな逆襲計画を一蹴した、謎の救世主の出現
パリの地下鉄は思った以上に普通だった。もっと落書きがたくさんあって暗くて怖いものと思っていたが、以外にも明るく、悪くはない。
—良かった。ここから乗り換えもないし、無事に着きそうだわ。安いしこれからは地下鉄を使おうかな。なんか私、さっそくパリに馴染めているんじゃない?
そんなことを思いながら、すっかり先ほどのタクシーの一件は忘れ、自分が一人でパリの地下鉄に乗っているという事実に酔いしれていた。その時、ある二人連れの男性が何やら話しかけて来た。
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第8話:「私には何もない…」顔だけが取り柄のセカンド女が、ハイスペ男への逆襲を賭けた一縷の望み
「そんな考えは捨てた方がいい、なぜなら君は、すごい可能性を秘めているから」
初めての一人旅。しかもパリという大胆な行動に初めは浮かれていた香織だったが、到着した途端に痛い目続きだった。その上、助けてくれた優しい雅也にまで、香織がハイスペックと結婚したいという考えを厳しく批判され、今、心が折れそうになっている。
しかし、彼の最後の言葉に引っかかった。
「すごい可能性…?私に…?」
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第9話:好きだった感情は簡単に消えない。傷心のセカンド女を焚きつけた、大いなる逆襲への道
3日目にしてやっと少しはこの街に慣れたと思っていたが、海外で知らない場所まで辿り着くのは、香織にとって相当ハードだった。
けれど、カフェで頼んだサクサクのパン・オ・ショコラと、香り豊かなカフェラテが体に染み渡り、妙な高揚感を味わっていた。
―さぁ、もうパリも最後だし。思う存分見て回らなきゃ!
そうして散策に出たマレ地区で、香織は運命の再会を果たすのだった。
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第10話:「私は、負けない」セカンド女の弱った復讐心に火をつけた、本命彼女の挑発的なSNSとは
自分が思いつきで言った「誰でも簡単にデザインできる、オリジナルのサブバッグ」の話に対して、雅也に「起業するのもいいんじゃない?」と予想外に言われた。その上、何となく勢いで「したい!」と答えてしまった。
しかし、そんなことが本当にできるのだろうか?しかも、雅也の言う“最高にラッキーなこと”など、全く思い当たらない。
香織はじっと我慢して、雅也からまたどんな言葉が飛び出すのかを静かに待った。
「最高にラッキーなこと。それは、僕に出会ったことだよ」
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第11話:弱った女心につけ込む、危険な男の誘惑。簡単には抜け出せない、セカンド女の哀しい性
「久しぶり。元気にしてる?」
スマホの画面に映し出されたのは、二股された元カレの南拓斗からのメッセージだった。
―拓斗…!?どうして今更…?
先日見た本命彼女の中原梓のFacebookから、彼らの関係はうまく行っているように見えた。それなのに、今更どうしてセカンドだった女に連絡をしてくるのだろうか…?
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第12話:「一番会いたかったのは、君」。二股男の甘く危険な囁きに、セカンド女の理性が揺らぐ夜
「少しだけ来れない?…香織に会いたいんだ」
久しぶりに耳に届いた元彼の声。二股されていたと分かった時には悲しくて悔しくて、彼をもう一度振り向かせたい、認められたいと思った。
けれど、自立した女になろうと起業を夢見て頑張っていた矢先、大事なプレゼンを目の前に問題が重なり、香織はパニックに陥っていた。
そんな時にかけられた、愛していた男からの耳障りの良い言葉。香織は無意識にこう答えていた。
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第13話:ハイスペ男に釣り合う“本命彼女”現る。セカンド女と対決した美女の、意外な素顔とは
「…もしもし…?」
「あ、もしもし?あの、早川さんですか…?」
ハリのある若い女性の声。しかし、どこかよそよそしい。香織自身、その声に聞き覚えはなかった。
「初めまして。私…、中原梓と言います。えっと…、南拓斗の彼女です」
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第14話:「過去の女は、永遠に俺のもの」セカンド女にマメに連絡するハイスペ男の、高慢な企みとは...?
「やっぱり…あいつ、最低な男ね…」
拓斗に対して、そんな風に思ったことなど一度もなかった。拓斗が女性にモテることも含めて、彼を好きだったし、長年共にしてきたからこそ、彼の全てを分かっているつもりでいた。しかしなぜだか、彼女の言葉が胸にストンと落ち、妙に納得してしまったのだ。
「詳しい話、聞いても良いかな?」
そして、私は今日出会ったばかりの彼女と話すうちに、ある計画を共有したのだった。
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第15話:「彼って、こんなに薄っぺらい男だった…?」セカンド女が、浮気男への盲目愛から目覚めた瞬間
「久しぶり。なんか香織、すごく綺麗になったね…」
帰国子女の拓斗は、昔からよく褒めてくれた。けれど、今日はその声に熱を感じる。
「そうかな、ありがとう」
香織は軽く微笑みを浮かべる。以前なら本気で喜んで見せたが、今日はそんな姿を見せてはならない。なぜなら、これから香織の最後の戦いが待っているのだ。
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この記事へのコメント
男に執着をして、浮気相手を張り込むために高級ホテルに長時間居座ったり、大学時代の友達に聞き込み調査をしたり、そんなネガティブな考えの女性のドラマを読んだ後、かおりさんのようなポジティブな逆襲を考える素敵な女性が登場する小説を読むと、読んでる方も気分が爽快になりますね。
人生、やはりポジティブシンキングだと思いました。