セカンドの逆襲 Vol.3

セカンドの逆襲:「あなたとは、次元が違うのよ」謎のゴージャス美女の挑戦的な微笑みに、胸がザワついた夜

ー夢は極上の男との結婚。そのためには、どんな努力も惜しまない。

早川香織、26歳。大手IT企業の一般職。

世間は、そんな女を所詮「結婚ゴールの女」と馬鹿にするだろう。

しかし、先入観なんぞに惑わされず、彼女の“秘めたる力”をじっくりと見届けて欲しい。

一般OL vsハイスペ男との熾烈な戦いが、今、幕を開ける...!

自分がセカンドにされていることに気がつかず、彼氏から冷たくされてもポジティブに考える香織。彼女がレストランで出会ったゴージャス美女とは…?


中原梓、28歳。3週間ほど前に赴任先のニューヨークから帰国したばかりだ。帰国してからずっと忙しくしていたが、今日やっと、何とか時間が取れた。

私には付き合ってかれこれ6年になる彼氏、南拓斗がいる。彼とはアメリカの大学で出会った。

友達期間を経て、自然と付き合うことになったのだが、お互い何処かで“この人しかいない”と思っている。

思春期にアメリカと日本の両方で過ごすと、どうしても少し人とは違う価値観になる。それを共有できる拓斗は、私の中では貴重なのだ。

その上、見た目も家柄も経歴も申し分ない。それは向こうにとっても同じだと思う。

だから、6年と長く付き合っている間、拓斗に女の影が見えても別に気にしなかった。

拓斗は昔からよくモテる。女性の気持ちを汲み取るのが上手で、さらに今は高給取りだ。女性が寄ってこないはずがない。

「梓、愛しているよ」

彼は簡単に“愛している”と言う。帰国子女の自分たちには大袈裟な言葉ではないが、この言葉を聞くたびに、心のどこかで“白々しい”と思いながらも安心する自分がいた。

「その日、時間取れるならさ、ご飯予約しておくよ」

そう言って拓斗が予約をとってくれたのは、恵比寿にある『リストランテ・ダ・バッボ』。私がアメリカに行ってから随分と話題の店を覚えた拓斗は、帰国の度に美味しいレストランを予約してくれる。

「確か“ミナミ”で2名で予約していると思うのですが…」

「お待ちしておりました。お連れ様もご到着されています」

店員と会話をしていると、受付を通り過ぎようとした女性からの強い視線を感じた。不思議に思いながらもその女性をちらりと見る。

日本人が好みそうな可愛らしい容姿で、手先髪先まで念入りに手入れされている。彼女は自分と違って、男性に好かれるために生きているような人物だろう。

—私とは正反対の…イタイ女ね。

思わず目が合ったので、とりあえずニコリと余裕のスマイルを交わし、拓斗の待つテーブルへと向かった。

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