セカンドの逆襲 Vol.8

「私には何もない…」顔だけが取り柄のセカンド女が、ハイスペ男への逆襲を賭けた一縷の望み

ー夢は極上の男との結婚。そのためには、どんな努力も惜しまない。

早川香織、26歳。大手IT企業の一般職。

世間は、そんな女を所詮「結婚ゴールの女」と馬鹿にするだろう。

しかし、先入観なんぞに惑わされず、彼女の“秘めたる力”をじっくりと見届けて欲しい。

vsハイスペ男との熾烈な戦いを...!

最高の彼氏だと信じていた拓斗にとって、実は香織はセカンドだった!その上、パリへの一人旅で出会った塚田雅也から、厳しいお説教までされて凹むが…。


「そんな考えは捨てた方がいい、なぜなら君は、すごい可能性を秘めているから」

初めての一人旅。しかもパリという大胆な行動に初めは浮かれていた香織だったが、到着した途端に痛い目続きだった。

その上、助けてくれた優しい雅也にまで、香織がハイスペックと結婚したいという考えを厳しく批判され、今、心が折れそうになっている。

しかし、彼の最後の言葉に引っかかった。

「すごい可能性…?私に…?」

「あぁ。さっき君は、自分には何もないと言った。何もないから、ハイスペックな男性と結婚して幸せになりたいと。

だけど、ハイスペックな男性と結婚したからと言って幸せになれるとは限らない。その上、君がそんな風に“自分には何もないから…”と思って結婚するのであれば尚更、その浅はかな考えは相手にも伝わって、結果幸せにはなれないよ」

穏やかだった雅也が真剣な顔で目を見つめてくる。その真正面から向き合ってきた彼の言葉に、香織も真摯に耳を傾けた。

「でも、私には雅也さんが言うような特別な可能性なんて、何もないんです…。それは、自分が一番よく分かっています」

香織は珍しく弱気になっていた。いつものポジティブな思考は、この弱い部分を隠すためだったのかもしれない。

けれど雅也に対して、作ったポジティブさを見せても、全てを見透かされるように感じた。だから香織は、全てを曝け出すことにしたのだ。

すると雅也は、先ほどの真剣な表情を崩し、口を横に開いてニッと笑った。

「香織ちゃん、自分のことは、案外自分が一番見えてなかったりするものだよ」

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