−この結婚、本当に正解だった?−
かつては見つめ合うことに夢中であった恋人同士が結婚し、夫婦になる。
非日常であったはずのときめきは日常となり、生活の中でみるみる色褪せていってしまう…。
当連載では、結婚3年目の危機にぶち当たった夫婦が男女交互に登場する。
危機を無事に乗り越える夫婦と、終わりを迎えてしまう夫婦。その違いは一体、どこにあるのか−?
男女それぞれの視点で、実際を覗いてみよう。
「結婚3年目の危機」一挙に全話おさらい!
第1話:夜中に夫のバッグを漁る妻。証拠と共に突きつけた、交換条件ー妻の言い分ー
真琴は、外資系コンサルティングファームに勤める同い年の夫・和也と8年前に結婚。子どもはまだおらず、外資系化粧品会社のマーケティング部門で働いている。
そんな二人の世帯年収は二千万円を超えており、都会のDINKSライフを満喫する平井夫妻の結婚生活は、華やかで洗練され、まさに理想的。
ところが、そんな平井家も5年前…結婚3年目の頃に、離婚危機を迎えた経験があるという。真琴が、夫・和也の“3年目の浮気”の証拠を見つけてしまったのだ。
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第2話:「妻には絶対、内緒ですよ」。指輪をしないで食事会に参加したら...31歳男の言い訳
「なぜ浮気をしたのか?それ、妻にも散々聞かれたんですが…理由なんかないんですよ。女性の浮気には明確な理由があるんでしょうか?よく解りませんが、男にはないんです。少なくとも僕にはなかった。強いて言うならば、できる環境にあったからでしょうか」
丸の内仲通りの『パリアッチョ』。19時を過ぎ、少しずつ混み始めた店内はちょうどよくさざめいている。
仕事帰りの和也は、その喧騒に紛れるようにして、恐縮しきりの表情で語りだした。
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第3話:「生活費7万円なんて全然足りない!」。セレブ主婦だったはずの女を襲った節約地獄
「夫はプロポーズの際、私に言ったんです。専業主婦になればいいって。君は働く必要ない、僕が一生支えるし、そのくらいの稼ぎはあるからって」
千紗は、その端正な顔を思い切りしかめ、憤りをあらわにした低い声を出した。
「結婚して2年程は、家族カードで自由にお金を遣っていました。それが、3年目から急にです。これからは毎月7万円を渡す。その中でやりくりしてくれって言われたんです。食費・日用品も含めて、7万円ですよ!?」
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第4話:“どストライクの美女”を妻に迎えた男が、結婚3年目に離婚を考えた理由
神楽坂『Bar kansui』のカウンターで、ため息をつく信之。接待帰りだと話していたが、まだ飲み足りないとばかりに赤ワインを煽っている。妻の千紗も随分と鬱憤を溜め込んでいたが、信之には彼なりに、相当言いたいことがあるらしい。
「まあ、僕の見る目がなかったと言ってしまえばそれまでです。彼女の本質を見抜けなかったんだから。だけど…可愛かったんですよ、出会った頃の千紗。僕が言うのもアレだけど、華も色気もあるしいい女でしょう?なんだかんだ綺麗事を言ってみても、男は美人に弱い生き物なんですよ、仕方がない」
信之はそんな風に愚痴ったあと、妻の千紗が結婚後、いかに変わってしまったかについて語り始めた。
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第5話:前妻が寝ていたベッドで眠る女。20歳年上のバツイチ男と結婚した、セレブ妻の後悔
「夫のヒデちゃんと出会ったのは5年前、彼が45歳、私が25歳の時です」
最初の出会いは、新規オープンしたレストランのレセプションパーティーだったという。ただしその場は大人数のイベントだったため、二人の接触は挨拶程度で終わったらしい。
だがその1年後、とある経営者の男性宅で開催された美食イベントで偶然再会。そこから交際に発展、トントン拍子に結婚が決まった。パレスホテルで盛大な結婚式をあげ、茜は世に言う“勝ち組セレブ妻”の座を手に入れたのだ。
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第6話:後妻は、20歳下の美女。美容クリニック経営の男が、彼女を意のままに操れる理由
「仲の良い経営者仲間からも散々羨ましがられましたよ。まだ独身の奴は、俺も絶対に若い美人と結婚する!と息巻いていましたね。実際、若い奥さんをもらうのはおすすめです。自分自身も若くいられるよう自然と努力するし、仕事へのモチベーションも上がりますから」
今年50歳となった秀俊の妻・茜は、20歳年下。30歳になったばかりである。しかしそれだけ歳が離れていて、不満や不安は本当にないのだろうか?
「不満は、ない、とは言い切れないかな。でもそれも20歳も下だし…と思えば許せてしまう。喧嘩にもならないですね。あと、不安については…」
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第7話:「成金はちょっと…」良家の子息を狙って、玉の輿に乗った美女の結婚3年目の後悔
柔らかいブラウンの髪は巻くこともまとめることもせずおろされ、その隙間からパールのピアスが時折、上品に覗いた。天然美人。美咲を形容するには、その言葉がぴったりだ。
しかし彼女が静かに動かしたその唇からは、そのナチュラルな存在感とは相反した、計算高い言葉が発せられた。
「結婚はどういう相手とするかももちろん大事ですが、その後ろにある“家”が重要。たとえ本人がどんなに稼いでいたって、長い人生何が起こるかわからない。実家が太くなければ不安定です。その点で、夫・和宏は最高の結婚相手でした」
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第8話:「反抗期とかありませんでした」親との仲を自慢する男との結婚に潜む、意外な落とし穴
「人に話すと驚かれるのですが…2歳年上の姉ともLINEしていますし、二人で飲みに行ったり買い物に行ったりもよくします。父親は仕事が忙しくあまり絡みがありませんが、母親とはめちゃくちゃ仲良しですね。
僕の体をいつも気遣ってくれて…2日に一度はLINEがきます。社会人になって一人暮らしをしてからも、週末ごとに家に来て掃除したり料理したりしてくれていました。感謝しかありません」
一人暮らしの家に、毎週末母親が来る…?しかも20代半ばの男性の家に。
人によってはかなり鬱陶しいと思うのだが、和宏の語り口に嫌悪の色はない。むしろ心からの感謝を込めた口ぶりで、にこやかに語った。
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第9話:「私たち、もう1年もないんだよ!?」夫婦生活に悩む美人妻が、たどり着いた最終手段とは
「知っていましたよ。今や30代の夫婦でも約半数がレスと言われているんですよね。
でも…どこかで自分だけは大丈夫だと思っていました。スタイルにも気を配っているし、夫の前で女を忘れないよう注意している。そんな私が、レスになんかなるはずないって」
里香は「まるでわからない」と言った様子で首を振る。そしてそのあと、彼女はそっと周囲を見渡し、声を潜めてこう言った。
「気づいたらもう1年近くないんです。このままレスが解消されなかったら私…浮気してしまうかもしれない」
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第10話:「奥さんに不満はありません」結婚3年目、妻の誘いを断った夫の本音
「僕は妻に対して何の不満もありません。お互い忙しく働いていますが、彼女は要領がいいから家も綺麗にしてくれているし、休日に作ってくれる手料理もうまい。それに妻の写真を見せたりなんかすると皆、口を揃えてこう言います。めちゃくちゃ美人ですね!って。僕もそう思う。自慢の妻です」
嬉しそうに、誇らしそうに、妻を語る浩史。しかし彼の妻はレス問題に頭を悩ませ、「このままじゃ浮気してしまう」とまで話していた。
…そのことについて、彼は一体、どう思っているのだろうか。
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第11話:「別居したい!」。夫の転勤で地方に移り住んだ夫婦に訪れた、結婚3年目の危機
質の良さそうなグレーのニットに白いプリーツスカート。長い髪は無造作にまとめられているが、その絶妙な抜け感に洗練を感じる。
華美ではないが垢抜けた雰囲気の彼女は、原宿生まれの原宿育ち、根っからのシティガールである。しかし大手生命保険会社で働く夫・亮介の転勤により、結婚3年目を迎えた今年、高松に引っ越してきたのだ。
「ずっと東京にいて、東京しか知らずに生きてきたので、一度くらい地方で生活するのも悪くないかって。そんな風に甘く考えていたんですよね。でも実際に住み始めてみたら正直、友達もいないしどうしていいかわからないほど退屈で…そのうち、言いようのない焦りを感じるようになりました」
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第12話:「仲は良いのになぜ?」結婚3年目、突然妻から“別居宣言”された男の本音
「それはもう、驚きなんてもんじゃありません。突然頭から冷水を浴びせられたかのような…そのくらい衝撃的で、ショッキングな出来事でした」
高松の中心部、アーケードのそばに佇む古民家風の居酒屋で、田邊亮介は熱燗片手にしみじみと語り始めた。
亮介の愚痴が止まらないのも、無理はない。
なんと彼はつい先日、結婚3年目になる妻から突如として別居を切り出されたというのだから。
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第13話:妻の年収が夫を超えた時。“男のプライド”を甘くみた女に訪れた、結婚3年目の危機
美しい栗色のロングヘアに、淡いベージュのニットワンピース。初見だと柔らかで女性らしい印象を受ける彼女だが、何を隠そう、彼女は今や年商1億をゆうに超えるアパレル会社の経営者なのだ。
「新卒で入ったメガバンクを辞め、勢いだけでアパレルの世界に飛び込んだのは5年前のことです。実は私の父が子供服の会社を経営しているのですが、正直、良い時ばかりではなくて…幼いながらに厳しい世界なんだな、と感じていました。
だから私自身は安定した会社員が一番だって、そう思っていたはずなんですが…やはり血は争えないのでしょうか。自分もファッションを仕事にしたくなってしまったんです」
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第14話:「自慢の妻ですが、離婚の危機です」起業家の妻を持つ、サラリーマン夫の言い分
落ち着いた口調で、時折、記憶を手繰るように宙を見上げて話す健吾。「自慢の妻だ」と言い切る彼の瞳は真っ直ぐで、何かを隠す気配も、取り繕う様子もない。
しかし先週、彼の妻・萌はこう話していた。
某有名モデルがSNSで紹介してくれたことをきっかけに、萌の経営するアパレル会社の売り上げが急増。年商1億円を超えた頃から、健吾が僻みっぽい言葉を口にするようになった、と。
夫婦で認識が異なっているようだが、どういうことなのだろうか?
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第15話:「もうムリ…我慢の限界!」良妻を演じている女が離婚を考えた、夫の失言
彼女はフリーライターをしており、朝から自宅で締め切りの迫った原稿の執筆作業をしていたが、どうにか入稿を終えたところだと教えてくれた。
だが次の瞬間、未央は「でも」と慌てて付け足す。
「仕事は、別に忙しくないんです。…というのも私、3年前に結婚してから仕事をセーブしてきたので。今は時々、某WEBメディアに恋愛系のコラムを寄稿しているくらい」
そんな風に語る未央の声は小さく、どこか言い訳めいて聞こえる。そしてやはり、彼女はそんな自身の現状に満足していないようなのだ。
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第16話:「本当はずっと、負担だった」掃除も料理も完璧な良妻に対する、男の意外な本音
大きな松が飾られたセンターピースに思わず感嘆の声を漏らし、そのまま奥に目を向けると、ゆったりとした広いソファ席に、いかにもエリートらしい清潔感ある男が浅く腰掛けていた。
先週話を聞いたフリーライター岡崎未央の夫・岡崎範久だ。
彼は大手町にある某法律事務所に所属するアソシエイト弁護士で、仕事の合間に少しばかりオフィスを抜けてきたという。
「いやぁ、驚きました。普段は穏やかで感情を表に出さないタイプの未央がいきなり激昂したものだから…。でも僕は、こう思っているんです。今回の衝突は、起こるべくして起きたって」
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第17話:結婚3年目。「二人目が欲しい」と訴える妻に夫が告げた、予想外のセリフとは
「息子はもうすぐ11ヶ月になります。子どもはもう、可愛くって仕方がないですね。もちろん生まれてからしばらくは大変なんてもんじゃなかったですけど。思い出そうとしても記憶に残っていないくらい。
でも最近は朝までぐっすり眠ってくれるようにもなって、随分と楽になりました。それでそろそろ二人目を、なんて夫とも話していたんですが…」
聖母のごとく微笑をたたえていたはずの花苗。
しかし“二人目”の話を始めた途端、眉を思い切りひそめるのだった。
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第18話:「夫の収入だけでは、一人っ子が限界」大手商社マンでも苦しい、東京都心の子育て事情
「この時間だと妻がまだ起きているかもしれない。そう思うと、自然と足がここに向かってしまって…」
言いながら、和明は気まずさを隠すように笑う。しかしすぐに真顔に戻ると、言い訳をするように言葉を続けた。
「いや、違うんです。別に妻のことが嫌いだとか愛してないとかそういう話ではなくて。ただ、少し前に彼女と言い合いをしてから、顔を合わせるといつもその話をぶり返されてしまうのが面倒というかしんどいというか…」
和明が語る言い合いとは、どうしても二人目が欲しいと言う妻・花苗との意見の相違である。
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第19話:「外銀エリート男だから結婚したのに…」勝手に転職を決めた夫に不満を募らせる妻
「実は私、あまり体力がなくて…。ダイエットしなきゃというのもありますが、どちらかというとヨガは、これ以上体力が落ちないようにという意味が大きいですね。私、結婚前はラグジュアリーブランドで販売員をしていたんですが、腰痛に悩まされたり体調を崩しがちで…それで、結婚を機に退職したんです」
玲奈は3年前、外資系投資銀行勤務の崇之と結婚。現在は青山一丁目のタワーマンションでDINKSライフを満喫しているそうだ。
豊かで自由な専業主婦暮らし。手入れの行き届いた艶々の髪、綺麗なフレンチネイル。玲奈を眺めていると“勝ち組の女”というワードが自然と頭に浮かんできた。
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