麗しの35歳 Vol.16

2017年ヒット小説総集編:「麗しの35歳」(全話)

女には必ず、年齢の壁にぶつかる時がやってくる。

結婚や出産へのリミット、身体の変化、そして将来への不安…。

しかし、そんな悲観を抱くことは一切なく、麗しき独身人生を謳歌する女がいた。

恭子、35歳。

彼女が歩けば、男たちは羨望の眼差しで振り返り、女たちは嫉妬する。

恭子は一体、何を考えているのか?

「麗しの35歳」一挙に全話おさらい!

第1話:ありふれた結婚に落ちついた女は、彼女の前で恐れおののく。35歳、恭子見参!

「もう小学生のママなのね。なつみはいつも私たちの何歩も先を余裕で歩いていて、本当に絵に描いたような、順調な人生よね」

幾度言われてきただろうか、決して聞き飽きることのないこの褒め言葉。女友達から羨望の視線を浴びれば浴びるほど、誰よりも早く「安定」という道を選択した私の生き方は間違っていなかったのだと、改めて実感できる。

私はうわべばかりの謙遜の言葉を返しながら、満足してひとり頷いた。そのときだった、恭子が現れたのは。

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第2話:「女は20代に限る」と豪語していた、年下男の心を鷲掴みにした35歳の女

「確かにすごいイイ女だったけど…でもあの人、どう見ても30は過ぎてるんじゃないか?」

確かに彼の言う通りだ。僕はそもそも、自分より歳下の女の子にしか興味がない。それに今年で29になる僕にとっては、近頃は同じ年代の女たちですら、少し面倒な気がしていた。彼女たちは狂ったように婚活に精をだし、二言目には「結婚」と騒ぎ立てるからだ。

僕にだって結婚願望がないわけじゃないけれど、相手にせかされるのはまっぴらごめんだ。若い女の子たちは気軽な恋愛を楽しむのにちょうどいい。だからましてや、35歳で、しかも自分の上司という立場である恭子さんのことなんて、気にも留めていない…はずだった。

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第3話:「若さと愛嬌が最強の武器」と信じていた女を叩きのめした35歳、大人の魅力

「だって、結局独身じゃない…」

私は吐き捨てるようにひとり呟いた。そもそも、いくら美しくても恭子さんには致命的な欠点がある。私にはあって、彼女にはないもの。

それは、若さと愛嬌だ。恭子さんなんて私にとっては相手にもならない、そんな存在だ。どこの誰が彼女についていくら賞賛しようとどうでもいい。そう思っていた。ただ、ひとりを除いては—。

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第4話:35歳、女の闘い。独身仲間の固い絆さえ嫉妬に変えさせた、恐るべき女の美貌

彼女はいつだってこんな調子だ。いわゆる婚活というものに興味がないのか、焦る素振りは一切見せず、堂々としている。それを羨ましく思えるときもあったけれど、今となってはそれどころではない。

こうして悠々とランチをしている一分一秒のあいだにも、私たちは歳をとっていくのだから。

「いい?恭子、よく聞いてね」

私は一呼吸し、彼女に切々と話し始めた。

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第5話:「子供を持つことが幸せ」と他人に押し付ける女の完全敗北。35歳・独身の幸福な人生とは?

家で夕飯の支度をしていても、恭子のことがやっぱり頭から離れなかった。鍋の火加減を横目で気にしながら、スマホで久しぶりにFacebookを開く。恭子はめったなことでは自ら投稿をしない。そのため、彼女のタイムラインは友達によってタグ付けされた写真で埋められている。

ここ1、2年のバカンスの写真。シチリアのタオルミーナに、スペインのメノルカ島やギリシャのミコノス島。地中海やエーゲ海の美しさに負けず劣らず、恭子は自然体で輝いている。

それに比べて私のタイムラインは…。

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第6話:35歳・婚活の過酷な現実。苦しむ独身女子を救った、魅惑のジャンヌダルク

「理奈。お疲れ様」

鏡を見上げると、背後には恭子が立っていた。

「恭子…」

瑠里子たちの悪口を聞いてしまった一件以来、恭子と二人きりで話すことをなんとなく避けている。でも、今の私が恭子に対して恐れることは何もない。すっかり強気になって、先日の食事会のことを切り出した。

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第7話:「男として、見てほしい」年下男が憧れる、35歳女との最後の夜をぶち壊した罠

彼女の魅力を知れば知るほど、自分がどれほどに幼稚で無力な男なのかを思い知らされるのだった。

イタリアオフィスとの電話会議を終えた恭子さんが、ディレクターと連れ立って会議室から出てきた。ほっとした安堵の表情で2人は頷き合っている。やっぱり、彼女にふさわしいのは、ディレクターのような大人の男なのだろうか。

そんな矢先のことだった、それまでなんとなく登録していた転職エージェントから声がかかったのは—。

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第8話:絶体絶命、麗しの35歳。嫉妬に狂った20代の小悪魔女子が企む陰謀

「あなたって本当に小悪魔ね…。でも、わかった、瑠璃子の作戦、来週の食事会でやってみるわ」

—お気の毒様。

私の話をすっかり鵜呑みにして、意気込みを熱く語る理奈さんに、冷ややかな視線を送った。

タクシーを拾った理奈さんを見送り、私は日比谷線の六本木駅へと向かう。歩いている途中、見慣れた男の姿が目に飛び込んできた。

—えっ…あれって…周平じゃない?

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第9話:ついに明かされた、憧れの35歳女の裏の顔。年下男の揺れる想いと、元彼女の執念

「あのね、周平。恭子さん、周平が思っているような人じゃないかもしれない」

怪訝な顔をした僕をまっすぐ見つめ、瑠璃子は落ち着いた口調で言った。

「私もはじめは信じられなかった。恭子さんの元同僚にたまたま会って聞いた話なの…」

そして、信じられないような話をぽつりぽつりと語り始めた。

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第10話:「欲しいものは絶対に手に入れる」美しさとキャリアを兼ね備えた35歳の宣戦布告

「実は、昨夜周平が泊まりに来てて…朝一緒に家を出てきたからバタバタだったのよ」

私の声は恭子さんに届いただろうか。ちらりと目を遣ったが何食わぬ顔でPCに向き合い、メールチェックをしている。

「ええーー!瑠璃子、ついに周平君とヨリ戻したの?おめでとう!!」

オフィスに響き渡った同僚の声。今度は否が応でも聞こえたはずだ。恭子さんの眉がわずかに動いたのを見逃さなかった。

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第11話:「あなたになら利用されても構わない。」年下男が盲目になった、美しき35歳の女

「理奈さんって、キャリアもパッとしないのに、結婚もしないでどうするんですか?」

黙り込む私に、瑠璃子は追い打ちをかける。

「でも理奈さんってそれでも諦めなくて、ある意味尊敬します。私ならその歳で独身だったら、心折れて引きこもりになっちゃう」

するといつのまにいたのだろうか、恭子が隣に立っていた。

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第12話:麗しの35歳、ついに本音と真実を語る。傷ついた過去を乗り越えた先に見えた一筋の光

20代前半の頃から、他の女の子たちと違って結婚にさほど興味のなかったはずの私が、将来を考えた相手は彼が初めてだ。だけど当時の私は、世の中を少し甘く見ていたと思う。

この世に、他人を貶めるような醜い感情が本当に存在するなんて思わなかったし、努力は必ず美しいものに形を変えると本気で信じていた。それまで死に物狂いで頑張ったことは必ず結果となって現れていたから。

そして、私を大きく包み込む穏やかな愛情が、刃に姿を変えるなんて想像もしていなかった。だけど、その瞬間は突然やってきたのだ。

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第13話:麗しの35歳に大人びたプロポースはいらない。私が欲しいのは、あなたの笑顔だけ

今、僕の目の前で、信じられないことが起こっている。

「恭子、俺と一緒に来ないか?」

“あの男”が、恭子さんの手首を掴んで引き寄せ、彼女の耳元でそう囁いた。僕は呆然とその光景を見つめながら、つい1時間前の出来事を思い返していた—。

第13話の続きはこちら

第14話:彼女の目の前に現れた、モンスター上司という最後の敵。不可能を可能にした女

「今日の活躍、素晴らしかったよ!我が社の代表として、素晴らしい講演をしてくれて本当にありがとう」

私は笑顔で頭を下げる。そのとき社長の後ろに、見たことのない40代半ばくらいの男性が立っているのに気がついた。社長は、そうだ、と手を打って、彼を私に紹介した。

「こちらは、新ディレクターだよ」

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