女性の結婚率は、35歳を境に急激に下降する。
東京で、まことしやかにささやかれる言葉だ。
他にも、身体の変化、実家の問題、将来への不安と、目を背けたいことが増えてくる年齢でもある。
だがしかし。そんな悲観を抱くことは一切なく、麗しき独身人生を謳歌する女がいた。
恭子、35歳。
彼女が歩けば、男たちは羨望の眼差しで振り返り、女たちは嫉妬する。
恭子は一体、何を考えているのか?
前回は、新卒時代の同期・なつみが既婚者の目線から恭子を語った。
今日は外資系ラグジュアリーブランドで働く恭子の部下・周平が、彼女について語る。
僕は、『トゥールームス グリル バー』で恭子さんとばったり会った夜のことをぼんやり思い返していた。
「周平、お前、女の子は20代に限るってあれほど言ってたのに一体どうしちゃったんだよ」
一緒に飲みに来ていた友人に後からそう茶化されたとき、僕は返す言葉が見つからなかった。
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