女性の結婚率は、35歳を境に急激に下降する。
東京で、まことしやかにささやかれる言葉だ。
他にも、身体の変化、実家の問題、将来への不安と、目を背けたいことが増えてくる年齢でもある。
だがしかし。そんな悲観を抱くことは一切なく、麗しき独身人生を謳歌する女がいた。
恭子、35歳。
彼女が歩けば、男たちは羨望の眼差しで振り返り、女たちは嫉妬する。
恭子は一体、何を考えているのか?
外資系ラグジュアリーブランドで働く部下の周平は、恭子にそっと想いを寄せ、それに気づいてしまった元彼女・瑠璃子は気が気でない。
同時に独身仲間だったはずの同僚・理奈も敵対心を抱くようになっていく。
そんな中、専業主婦のなつみは、恭子との格の差を思い知らされた一件以来、もやもやとした想いと闘っていた。
とある土曜日。私は、天王洲アイルのタワーマンションの一室で開催されるマクロビ料理教室に参加していた。
新卒で働いていた頃の会社の先輩が、結婚後独立して開いた料理教室だ。
「皆さん、こちらは、私の元後輩のなつみちゃんです」
今日初めて参加した私のことを、先輩が他の参加......
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