2019.10.08
わたし、9時に出社します。 Vol.12019年。
「令和」という新元号が制定され、誰もが新時代の幕開けを喜んだ。
しかしだからと言って、これまでの慣習や価値観がアップデートされる訳ではない。
社会生活では、平成を通り越して「昭和的」な価値観にぶち当たることがあるのも現実だ。
このお話は、令和を迎えた今年に保険会社に総合職として入社した、桜田楓の『社会人観察日記』である。
1996年生まれ、生まれたときからインターネットが当たり前にある「Z世代(ジェネレーション・Z)」である彼女が経験する、異なる価値観を持った世代との出会いとは…?
―よし…!今日からいよいよ社会人か…
2019年4月1日。
楓は、就活の時から着ているスーツのジャケットに腕を通し、学生時代には味わえなかった喜びと緊張が入り混じる複雑な気持ちで、玄関を出た。
4年間学生生活を過ごした早稲田大学の卒業式に臨んだのは、つい1週間前のこと。
楽しかった学生生活が終わるのは寂しかったものの、これから始まる社会人生活への期待に胸膨らませていた。
今日は年度のスタートにふさわしい、晴れやかな空だ。楓は意気揚々と、入社式が行われる丸の内の本社ビルへと向かった。
「楓!会えてよかった!一緒に入社式に行こう。」
後ろから声を掛けられ、振り返ると明日香がいた。明日香は、内定者懇親会の時に仲良くなった同期だ。
「おはよう!行こう、行こう。入り口で詩織とも待ち合わせてるから、後で来ると思うよ!」
内定式は1時間ほどで終了し、その後に人事担当者がこれからのスケジュールや手続き等の話をする時間となった。
「えー…。改めて入社おめでとう。君たちは、これから一緒に支え合う同期だ。この年になっても思うが、同期は一生ものだぞ。お互いに尊重し合うように。」
―同期が大切、って社会人の決まり文句なのかしら…。
「同期は大切」と、社会人になった大学の先輩からはよく聞いていたが、40代後半と思われる人事担当者までもが話に織り込んでくるとは、と思わず苦笑した。
「明日から1カ月間、私達人事の教育担当者が、入社導入研修を行う。外部からの講師も招く予定なので、礼儀等しっかりするように。その後は、それぞれの事業所に分かれてOJTがスタートだ。」
楓は、人事担当者の話を片耳で聞きながら、資料に目を通す。
―さすが、日系大手…。名刺の渡し方から電話の応答まで、研修に組み込まれてるんだ。
コメント欄の方々は皆さんもう社会に出てしばらく経っているので「時間内にやることやれていればOK」というスタンスですが(私も普段はそう)、まだそれすらできない超新人なのであれば、あと15分早く来ればいいだけですし、もう少し素直になってみてもいい気がしてしまいました。仕事を覚えるまでは、やはり周囲も「成果」より「やる気(=少し早めに出社など)...続きを見る」を見てしまうだろうし、従業員の多い大手ならなおさらかと。
もちろん繰り返しになりますが、仕事を覚えてからは「成果」を出していればどんな働き方でもよいだろうとは思います。
【わたし、9時に出社します。】の記事一覧
2019.12.24
Vol.13
「わたしの人生、誰のもの…?」キャリアに悩む大手損保勤務の24歳女が下した英断とは
2019.12.23
Vol.12
“Z世代”と言われる若者たちの、新しい価値観とは?「わたし、9時に出社します。」全話総集編
2019.12.17
Vol.11
「女性にも安心」は誰の意見?25歳女が感じる、“無意識”に発する言葉の罠
2019.12.10
Vol.10
「元気な赤ちゃん、産んでね!」妊婦への常套句に潜む、危険性とは
2019.12.03
Vol.9
「成果を出してない2年目社員が、副業なんて…」副業OKと謳う会社の発言に凍った24歳女
2019.11.26
Vol.8
「女は、一歩下がるの」男性社会で勝ち抜いてきた敏腕女性役員の処世術とは
2019.11.19
Vol.7
「会社で、可愛いって言われても困る・・・」男が驚いた、ミスコン出身美女の意外な言葉とは
2019.11.12
Vol.6
「20代で結婚したら、離婚するわよ・・・!」結婚の呪縛に憑りつかれた、アラフォー女からの警笛
2019.11.05
Vol.5
「彼氏がいても、同時並行は当たり前」23歳女が耳を疑った、アラサー女子の恋愛観とは
2019.10.29
Vol.4
あぁ憂鬱・・・。「女子は可愛く踊ればいい」という忘年会の余興に対する、20代女子の本音とは
おすすめ記事
2018.04.26
東大女子図鑑
東大女子図鑑:婚活市場で苦戦を強いられる東大女子が、キャリアも結婚も手に入れた秘策とは。
2024.05.12
男と女の答えあわせ【A】
「顔も性格もいいんだけど…」30代ハイスペ男が、結婚相手に選ばない女の特徴
2016.12.24
五反田ラバー
「だってここ、五反田だし。」デートのはずが、デートじゃない?五反田ラバー、涙を呑む
2017.01.24
無難戦隊MARCHマン
無難戦隊MARCHマン: 東大卒の上司が斬る!MARCHマン、大学別の傾向とは?
2019.07.16
男の勘違い
「俺が独身なら、可能性あった?」既婚男の口説き文句に、美女が“イケそう”な態度をとった理由
- PR
2024.09.27
大人が楽しい晩夏のデートは、青山の知る人ぞ知る新テラスで!
2019.08.22
聖女の仮面
聖女の仮面:10年前、同級生の女が忽然と姿を消した。27歳になった女たちの、衝撃的な再会
2019.04.17
男運ナシ子
男運ナシ子:「美人なのに、男運ゼロ…」。20代を残念男に捧げた32歳女が、最後の婚活に挑むワケ
2022.11.26
婚活は、ゴルフ場で
婚活は、ゴルフ場で:「イイ男がいない」と嘆く29歳女が見つけた、最高の出会いの場とは
2016.03.21
文具の品格
文具の品格:男の持つペンでプロファイリングを始める怖い女たち
東京カレンダーショッピング
『佐藤養助商店』:門外不出の技による、喉ごし滑らかな"稲庭干饂飩"
『かに物語』:ふっくらと肉厚な一本爪が2本入ったフレンチカレー
『西岡養鰻』:特製タレ付き!脂の乗った高品質な鰻を土佐備長炭で丁寧に焼き上げた蒲焼
『マルヒラ川村水産』:ご飯に載せて贅沢いくら丼!1粒1粒に旨みが凝縮された、とろける食感の北海道函館産天然いくら
『North Farm Stock』:北海道産ミニトマト使用!糖度が高く、コクとうまみがたっぷり詰まったトマトジュース
『ル・ボヌール 芦屋』:フリーズドライフルーツにホワイトチョコがたっぷりと染み込んだ新感覚スイーツ
『HAL YAMASHITA 東京』:シルクのようななめらかさ!冷え冷えトロリの新食感"ウォーターチョコレート"
この記事へのコメント