麗しの35歳 Vol.4

35歳、女の闘い。独身仲間の固い絆さえ嫉妬に変えさせた、恐るべき女の美貌

女性の結婚率は、35歳を境に急激に下降する。

東京で、まことしやかにささやかれる言葉だ。

他にも、身体の変化、実家の問題、将来への不安と、目を背けたいことが増えてくる年齢でもある。

だがしかし。そんな悲観を抱くことは一切なく、麗しき独身人生を謳歌する女がいた。

恭子、35歳。

彼女が歩けば、男たちは羨望の眼差しで振り返り、女たちは嫉妬する。

恭子は一体、何を考えているのか?


これまでは、恭子の新卒時代の同期・なつみや、部下・周平、周平の元彼女・瑠璃子が登場。

今日は外資系ラグジュアリーブランドの同僚で同い年の理奈が、独身仲間の目線から、恭子について語る。


「聞いて。来週、食事会をすることが決まったの。今度こそ、期待できそう!」

『希須林 青山』でのランチタイム。運ばれてきた担々麺もそっちのけで私がまくしたてると、恭子はまるで自分のことのように、一緒に喜んでくれた。

独身で同い年という、私と全く同じ境遇に置かれた恭子は、もはや、どんな旧友の存在よりもありがたい。

今、何よりも辛いのは、孤独への不安以上に、世間からの憐れみの目だ。しかし、恭子のような誰からも憧れられる美しい女が仲間だと思うと、驚くほど心強い。

未婚だからって欠点や問題があるわけじゃない—。

無言で世間に代弁してくれているかのようで、救われた思いがするのだった。

親しみと敬愛の思いを込めて恭子に視線を送ると、彼女は呑気に週末に見に行ったという映画の話をしている。

私は思わずフォークを動かす手を止めた。

「…ちょっと待って。恭子、映画って誰と行ったの?」

恭子の大きな瞳を食い入るように見つめて尋ねると、彼女はにっこりと笑った。

「ひとりで行ったのよ。前に言わなかった?私、映画はひとりで見るって決めてるの」

私はほっと胸をなでおろした。映画に行ったなんて言うから、誰かとデートかと早とちりしてしまった。よかった、恭子もまだフリーのままだ。

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