2020.08.29
東京バディ Vol.11夫婦や恋人でもなく、家族のような血のつながりもない。それでも人が生きていく中で求めるもの—。それは「友情」だ。
「たった一人の親友(バディ)がいれば、他には友達なんていらない」。
そう豪語する男がいた。
互いを信じ合い、揺るぐことのない二人の友情。だが、彼らが好きになったのは、同じ女性だった…。
「東京バディ」一挙に全話おさらい!
第1話:互いを「親友」と呼び合う2人の商社マン。だが好きになったのは同じ女だった…
片桐だけは頑なに、僕のことを苗字で呼ぶ。そして僕も、誰もが「コースケ」と呼んでいる片桐のことを、出会ってから10年ずっと苗字で呼んでいる。
互いに話し合った末に決まったルールじゃない。二人とも、いまさら呼び名を変更するのが恥ずかしいだけ。
だから出会った当時と変わらず「おい小暮」「なんだよ片桐」と呼び合っているのだ。
そんな僕たちが仲良くなったキッカケは、実は、ある美しい女の存在だった。
第1話の続きはこちら
第2話:「コレってもしかして…」男友達のマンションで発見した1冊の本に、衝撃を受けた理由
「舞が結婚するらしいよ」
ステイホーム明けのあの夜、片桐にそう言われたときは驚いたし、悲しかった。それから日を追うごとに傷が深まっていた。無意識で毎日カレーライスを食べるほどに、思考回路も壊れてしまったらしい。
―僕は、本当に舞のことが好きだったのか。
あらためて、そう認識した。そしてふと考える。
―片桐も、落ち込んでいるのかな?
第2話の続きはこちら
第3話:「私が結婚する男って、実は…」美女が明かす婚約者の素性に、男たちが凍りついた理由
舞に好かれる能力において、凡人の僕は、天才である片桐には勝ち目がゼロだ。だからこそ舞が、片桐ではなくまったくの別人と付き合い、結婚することが想像できなかった。
舞が付き合う相手は(※僕でないのであれば)片桐でなければならない。舞を幸せにするのは(※僕でないなら)片桐だ。
10年間ずっと身勝手にそう思っていた。知らない男に舞を取られるぐらいなら、片桐と一緒になってほしい。
僕はミッションを開始した。
第3話の続きはこちら
第4話:朝起きたら、何故か隣に女が・・・。食事会の翌日、男が青ざめた理由
―舞の結婚相手は、僕でなければ、片桐しかいない。
そんな奢った考えを持っていた自分が恥ずかしい。僕や片桐が10年も片想いしていた舞は、やっぱり舞だった。彼女が生涯の伴侶に選んだのは、素敵な男性だった。
僕はそのことが嬉しくて、そして安堵して、飲みすぎたのだ。
だからこそ翌朝、意識が戻るように自宅で目覚めたとき、僕は青ざめた。ベッドの隣で、舞が寝ていたからだ。
第4話の続きはこちら
第5話:「酔ったはずみで、彼女を・・・?」結婚前の女が、他の男の家で朝をむかえたワケ
舞にコーヒーを渡してから、ダイニングチェアに浅く腰かけた僕はそう切り出した。だが、自覚している。慌てているのは僕だけで、舞は起床してからずっと落ち着いているのだ。
「昨夜の出来事を、正確に教えてくれない? 2軒目のバーには、4人で行ったよね?」
「うん。4人で行った」
4人というのは、僕と片桐、そして舞と、舞の婚約者の“たっくん”こと笠原拓人だ。
「…で、そのあと、解散して帰ることになって…」
第5話の続きはこちら
第6話:「あの夜、そんなことが…」皆で食事していた最中、男と女が水面下でしていたコト
「舞さんと出会ったのは、彼女がウチの会社の就職面接に来たときです」
店の個室で、僕と笠原は向かい合って座っていた。
テーブルには、2杯のビール。乾杯はしたものの、次にグラスに口をつけるのを躊躇してしまうほど、空気は張りつめていた。
順を追って説明する。笠原はそう前置きして、僕に話し始めた。
第6話の続きはこちら
第7話:「婚約中の男に、何度も試されて…」女が彼とは結婚できないと悟った、本当の理由とは
俺が今夜、どんな話を伝えようとしているのか、舞はうすうす理解しているのかもしれない。俺も俺で、かなり緊張している。
舞と二人きりでデートのようなディナーを共にすることなど、何年ぶりだろうか。
ここ数年は、舞に惚れていることがバレバレの親友・小暮に気を使い、舞とディナーをすることは避けていた。
だが今夜は別だ。親友に気を使っている場合じゃない。どうしても言わなきゃいけないことがある。舞にふさわしい男は、本当は誰なのか。
第7話の続きはこちら
第8話:友達だった2人が“男と女”のデートをしたら…。男が「やっぱり彼女とは無理」と思った理由
小暮と舞がデートしていた昨日は一日中、俺もソワソワしっ放しだった。はたして、うまくいっているのか…。
だから今こうして喜色満面で「昨日のデートがどれだけ楽しかったか」を語る舞を見て、俺も嬉しくて仕方がない。
ーやったな、小暮。
しかし“昨日のデートに関して小暮がまったく真逆の感想を抱いている”とは、この時の俺はまだ知る由もなかった。
第8話の続きはこちら
第9話:「こういう気持ち悪い関係、もう終わりにしたい」10年来の男友達から、突き放された瞬間
「片桐と舞が、俺に黙って付き合ってたって聞いた時は、本当に驚いたけど…」
「…黙ってた。ごめんな」
あらためて俺は頭を下げる。すると小暮は首を横に振った。
「そのことはもういいんだ。本当に…。それよりも…俺も謝らなきゃいけないことがあって」
俺は緊張を隠したくて、ワインをひとくち飲んだ。小暮は伏せていた目を上げ、口を開く。
「言葉を選ばずに言えば、僕は、僕らの関係が気持ち悪いと思うようになったんだ」
第9話の続きはこちら
第10話:男が眠っている間に、メモ帳を見てしまい…。そこで女が知った、彼の衝撃的な計画とは
深夜。自宅からタクシーを飛ばし、病院へ駆けつけると、俺に連絡をくれた舞だけでなく、小暮の御両親もいた。
一人っ子の小暮は親との仲が良く、自宅でホームパーティを開いた際には俺や舞を紹介し、その後も何度か顔を合わせたことがある。
だが病院なんかで顔を合わせたくはなかった。
「喜八の乗っていたタクシーが、ワゴン車に追突されたみたいで…」
第10話の続きはこちら
【東京バディ】の記事一覧
2020.08.30
Vol.12
親友の結婚相手は、自分の元恋人…。結婚式の友人代表スピーチで、一同が唖然とした理由
2020.08.16
Vol.9
「こういう気持ち悪い関係、もう終わりにしたい」10年来の男友達から、突き放された瞬間
2020.08.09
Vol.8
友達だった2人が“男と女”のデートをしたら…。男が「やっぱり彼女とは無理」と思った理由
2020.08.02
Vol.7
「婚約中の男に、何度も試されて…」女が彼とは結婚できないと悟った、本当の理由とは
2020.07.26
Vol.6
「あの夜、そんなことが…」皆で食事していた最中、男と女が水面下でしていたコト
2020.07.19
Vol.5
「酔ったはずみで、彼女を・・・?」結婚前の女が、他の男の家で朝をむかえたワケ
2020.07.12
Vol.4
朝起きたら、何故か隣に女が・・・。食事会の翌日、男が青ざめた理由
2020.07.05
Vol.3
「私が結婚する男って、実は…」美女が明かす婚約者の素性に、男たちが凍りついた理由
2020.06.28
Vol.2
「コレってもしかして…」男友達のマンションで発見した1冊の本に、衝撃を受けた理由
2020.06.21
Vol.1
東京バディ:互いを「親友」と呼び合う2人の商社マン。だが好きになったのは同じ女だった…
おすすめ記事
2020.08.23
東京バディ Vol.10
男が眠っている間に、メモ帳を見てしまい…。そこで女が知った、彼の衝撃的な計画とは
2023.07.23
運命の時計
高級時計を着けると運命が動き出す!?いよいよ明日で最終話!「運命の時計」全話総集編
2024.04.27
男と女の答えあわせ【Q】
「何がダメだった?」32歳の経営者男が、29歳女との勝ち確定デートで負けたワケ
2020.05.08
妻のベール
夫の成功と共に、妻が変わってしまった。こじれた夫婦の行く末は?「妻のベール」全話総集編
2018.08.05
東京パワースポット物語
成功者たちが幸せを掴んだワケは?明日で最終話!「東京パワースポット物語」全話総集編
2019.03.23
Who?
「彼女に嘘をつき続けるのが苦痛…」早朝、女の部屋から静かに去った男の、誰にも言えない葛藤
2020.01.02
禁断の社内恋愛を楽しむ25歳女。彼女の恋が“絶対に許されなかった”ワケ
2020.09.03
溺れる男~理性と本能のあいだで~
溺れる男~理性と本能のあいだで~:婚約者が寝ている隣の部屋で…。理性的な男が犯した”最低の過ち”とは
2024.07.08
未来のWISH LIST
26歳、四谷で初の高級鮨デート。準備バッチリで入店したら大将に“あるコト”を言われ…
2017.01.20
部屋見るオンナ
部屋見るオンナ:イケメン不動産屋に「小物ブランドの統一感のなさ」で優柔不断と罵られる
東京カレンダーショッピング
『佐藤養助商店』:門外不出の技による、喉ごし滑らかな"稲庭干饂飩"
『かに物語』:ふっくらと肉厚な一本爪が2本入ったフレンチカレー
『西岡養鰻』:特製タレ付き!脂の乗った高品質な鰻を土佐備長炭で丁寧に焼き上げた蒲焼
『マルヒラ川村水産』:ご飯に載せて贅沢いくら丼!1粒1粒に旨みが凝縮された、とろける食感の北海道函館産天然いくら
『North Farm Stock』:北海道産ミニトマト使用!糖度が高く、コクとうまみがたっぷり詰まったトマトジュース
『ル・ボヌール 芦屋』:フリーズドライフルーツにホワイトチョコがたっぷりと染み込んだ新感覚スイーツ
『HAL YAMASHITA 東京』:シルクのようななめらかさ!冷え冷えトロリの新食感"ウォーターチョコレート"