夫婦や恋人でもなく、家族のような血のつながりもない。それでも人が生きていく中で求めるもの—。それは「友情」だ。
「たった一人の親友(バディ)がいれば、他には友達なんていらない」。
そう豪語する男がいた。
互いを信じ合い、揺るぐことのない二人の友情。だが、彼らが好きになったのは、同じ女性だった…。
◆これまでのあらすじ
「僕」こと小暮喜八は、親友・片桐とは10年来の仲だ。
二人がひそかに想いを寄せる女性・舞に、婚約者の笠原を紹介してもらうが、その夜、舞は小暮の家に泊まる。そして笠原からは「実は舞さんと別れようと思ってる」と告げられ…。
「舞さんと出会ったのは、彼女がウチの会社の就職面接に来たときです」
店の個室で、僕と笠原は向かい合って座っていた。
テーブルには、2杯のビール。乾杯はしたものの、次にグラスに口をつけるのを躊躇してしまうほど、空気は張りつめていた。
順を追って説明する。笠原はそう前置......
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この記事へのコメント
・トイレに立った際の舞と笠原の口論の内容
・舞は小暮が好きだと笠原が思う理由
の2点に尽きるんだけど、どちらもはしょわれてる~