東京バディ Vol.4

朝起きたら、何故か隣に女が・・・。食事会の翌日、男が青ざめた理由

夫婦や恋人でもなく、家族のような血のつながりもない。それでも人が生きていく中で求めるもの—。それは「友情」だ。

「たった一人の親友(バディ)がいれば、他には友達なんていらない」。

そう豪語する男がいた。

互いを信じ合い、揺るぐことのない二人の友情。だが、彼らが好きになったのは、同じ女性だった…。

◆これまでのあらすじ

「僕」こと小暮喜八は、就職活動で知り合った親友・片桐とは10年来の親友で、二人はひそかに舞に想いを寄せていた。

舞が結婚すると知った小暮は「片桐こそ舞とお似合いだ」と一肌脱ぐことを決意するが、その作戦はうまくいかなくて…


「どうしようかぁ…」

舞と三人のディナーの解散後、片桐と二人で立ち寄った麻布十番の『月光浴』のカウンターで僕はため息まじりに弱音を吐いた。

「どうしようって、何が?」

片桐は首をかしげる。そりゃそうだ。こいつは、僕の胸の内に秘められた切なる願いを知らない。

―舞とくっつくのは、僕でなければ片桐であってほしい。

ただ、それだけだ。

「舞と結婚する人って、どんな人なんだろうな?」

僕が独り言のように呟くと、片桐は言った。

「笠原拓人のことならネットにたくさん出てるだろ」

業界の寵児と呼ばれる新進気鋭の経営者兼エンジニア・笠原拓人は、経済誌の特集でも頻繁に取り上げられている。

「もちろん知ってるよ。でもインタビューとか読んでるかぎりは、完璧な人間すぎて、隙がないように思える…」

「完璧ならいいじゃん。舞にピッタリだ」

「そうじゃないんだよ~」

思わず声が大きくなった僕を見て、片桐は何かに気づいたようにニヤニヤと口元を緩ませた。嫌な予感がする。

「もしかして小暮、お前さ…笠原拓人に嫉妬してるんだろ?」

「…してないよ」

「結婚前に舞のことを奪いたいとか、思ってるわけ?」

ちがう。僕はお前と舞がくっついてほしいんだ。と言いそうになるが、ぎりぎりで口をつぐんだ。

「たしかに笠原拓人は完璧すぎるよな。悪い噂も浮いた話も聞かないし、完璧すぎて逆に怪しくなってきた」

片桐は誤解したまま突っ走る。

「小暮が嫉妬する気持ちはよーく分かったから、笠原拓人と会う前に、彼に悪い噂がないかだけ念のため調べてみよう」

「お、おお…」

「声が小さいぞ。二人で一緒に調べるんだぞ?」

「…はい」

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