美月の思惑
−私、シンガポールには戻りません−
そう宣言した時の、廉の、あの表情。
まさか私から別居を言い渡されるなんて、思ってもみなかったのだろう。
私を裏切ったのは廉自身のはずなのに、「それは嫌だ」と顔中に書いてあった。…本当に、勝手な男。
けれどそう分かっていても、......
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−私、シンガポールには戻りません−
そう宣言した時の、廉の、あの表情。
まさか私から別居を言い渡されるなんて、思ってもみなかったのだろう。
私を裏切ったのは廉自身のはずなのに、「それは嫌だ」と顔中に書いてあった。…本当に、勝手な男。
けれどそう分かっていても、......
−なぜ今、思い出すのだろう?
若く、それゆえ傲慢だった同級生・相沢里奈の、目を声を、ぬくもりを。
あの頃の僕らは未完成で、足りない何かを探しては傷つき、欲することに夢中だった。
だから気づかずにいたんだ。ずっとそばにあった、かけがえのないものに。
持ち前の器用さと明るい性格で、比較的イージーに人生の駒を進めていく一条廉。
しかし東京は、平穏な幸せを簡単に許してくれない。
運命の悪戯が、二人の男女の人生を交差させる。これは、“男サイド”を描いたストーリー。
この記事へのコメント
いいんですか?
美月のことを自分の気持ちを紛らわす緩衝材のようにしか思ってないし
ろくでもない男でしたね