恋と友情のあいだで~廉 Ver.~ Vol.12

夫の浮気を見抜いた妻の執念。ホテルのロビーで4時間待ち続けた女が目にした、怒りの光景

−なぜ今、思い出すのだろう?

若く、それゆえ傲慢だった同級生・相沢里奈の、目を声を、ぬくもりを。

これは、悪戯に交錯する二人の男女の人生を、リアルに描いた“男サイド”のストーリー。

商社マンらしくモテ男人生を送る一条廉は、27歳で3歳年上の美月と結婚。シンガポールで新婚生活をスタートさせる。

しかしその心には、特別な思いを抱く大学時代の同級生・里奈がいた。

少しずつ距離を縮めていくふたり。そんな中、大学サークルの10周年パーティーに出席した廉は、里奈からの誘いで密かに会場を抜け出し、ついに一線を超えてしまう

禁断の恋に溺れるふたりだが、破滅の時は近づいていた。


美月:元カノからの接触


虫の知らせ、だったのかもしれない。

それは、廉とともに日本へ帰国する、ちょうど1週間前のこと。ずっと放置していたFacebookを開いたら、1通の友達リクエストが届いているのを見つけた。

表示された“天野(早川)結衣”というアカウント名を見てもすぐにはピンとこなかったが、「誰だろう」と呟きつつプロフィール写真を拡大し記憶が蘇った。

廉の女友達だ。結婚式の二次会に来ていた。

いや、天野結衣はおそらくただの友達ではない。きっと昔の彼女だろうと、実は私にはすぐにわかった。

小柄で童顔で、にこにこと笑顔を絶やさない彼女は明らかに廉の好みだし、何より決定的だったのは、二次会の最後、見送りの際に結衣が発したあのセリフ。

「廉を、よろしくお願いします」

お決まりの祝辞を述べたあとで、結衣は私にそう言ったのだ。

これがもし、あの女…相沢里奈だったら、腸が煮えくり返る思いだったに違いない。しかし結衣に対しては余裕の笑顔でスルーすることができた。

過去に何があろうが、廉が結衣より後に愛したのは私。その事実がすべてを物語っているというものだ。

しかし結衣が今、どうして私と繋がろうと思ったのか。それを疑問に感じなくもなかったが、特に深く考えないまま承認ボタンを押す。

すると即座に、結衣から思いがけぬメッセージが届いたのだ。

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