恋と友情のあいだで~廉 Ver.~ Vol.6

「ただ、2人で食事しただけ」新婚の商社マンがセレブ妻との密会に使った“友情”という隠れ蓑

−なぜ今、思い出すのだろう?

若く、それゆえ傲慢だった同級生・相沢里奈の、目を声を、ぬくもりを。

これは、悪戯に交錯する二人の男女の人生を、リアルに描いた“男サイド”のストーリー。

“商社マン”となった一条廉モテを堪能する日々を送るが、次第に3歳年上の美月と半同棲状態に。

一方、年上の御曹司とあっさり結婚を決めた里奈。廉は苛立ちを覚えるも、結婚式で里奈が見せた幸福そうな笑顔に達観した思いを抱くのだった。

間もなく駐在のチャンスを掴んだ廉は、ついに自身も美月との結婚を決意。シンガポールで新婚生活をスタートする。

しかし数ヶ月後、一時帰国した廉は、偶然にも里奈の夫・二階堂が若いモデル風美女と密会しているところを目撃してしまう


セレブ妻からの誘い


断言するが、一時帰国中だからといって「羽を伸ばしてやろう」なんて思っていたわけじゃない。

新婚の僕は美月との生活に心から幸せを感じていて特に息抜きの必要もなかったし、実際、僕のスケジュールは健全な予定で埋まっていた。

帰国した木曜の夜は大人しくホテルで休み、金曜は朝から本社で仕事。夜は西麻布へ同期に連行されたが僕は正真正銘、盛り上げ役に徹していただけだ。

そしてこの日はというと、早朝から部門の上司や同僚と栃木までゴルフに出かけ、ついさっきヘトヘトになってホテルに戻ってきたところだった。

夜は大学サークル仲間の集まりに呼ばれているが、遅くに顔だけ出しておけばいい。

LINEにすぐさま気づいたのは、一休みしようとベッドへ体を投げ出し、アラームをかけるためにスマホを触っていたからだ。

“久しぶり、元気?”

里奈から届いた連絡が、僕の心を震わせたことは認める。

しかしその内容はありふれた社交辞令であったし、他愛のないやり取りに終始するはずだった。

だから思いがけず「今から会える?」などと誘われて、僕は一瞬、躊躇したのだ。

結果として会いに行ったのも、下心の類では決してない。

偶然にも前の晩に目撃した、里奈の夫・二階堂の裏の顔。それが気がかりだった。

僕は“友達”として、里奈が今幸せであることを、この目で確かめておきたかった。

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