25時の表参道 Vol.10

25時の表参道:彼女との満ち足りた夜をぶち壊した、卑劣な罠

25時の表参道。

東京のエネルギーが集結する港区にあって、そこだけ取り残さてしまったかのような静寂が流れている。

昼間は多くの人で賑わうが、深夜になると、隣の六本木とはまるで違った景色を見せる。

赤坂にある広告代理店に勤めるフミヤ・美月・亮は仲の良い同期3人組で、フミヤと美月は付き合っていた。しかし、フミヤと亮が37歳の既婚女性・静香に恋に落ち、3人の運命が狂い出す。

嫉妬に狂う美月は、静香を呼び出すが全く相手にされない。その翌日、フミヤは静香の旦那に遭遇してしまう。一方、美月は同期のツテを辿り、静香の旦那にある忠告をするが…?


フミヤ「少しでも静香さんの気配を感じていたい」


「信じてくれないかもしれないけれど、私はあなたのことが大好きなのよ。」

セルリアンタワー37階で聞いた、静香さんの言葉を頭の中で何度も反芻する。

静香さんに連れられてきて以来、足繁く通うようになった『バー・ラジオ』に、最近は一人で入り浸るようになった。カウンター越しのマスターに聞きながら、彼女の好きなウィスキーの知識を少しずつ増やしている。

あの日以来、静香さんから連絡はない。ようやく教えてもらったプライベート用のアドレスに何通か連絡を入れているが、返信は全くなかった。次は、一体いつ会えるのかさえ分からない。

そして、最近美月の様子が明らかにおかしい。毎日泣き暮らしていた彼女が、ある日を境にすっかり機嫌が良くなった。顔を合わせるたびに別れ話をしていた僕たちが、何事もなかったかのように穏やかに暮らしている。

しかし、これが嵐の前の静けさだったなんて、一体誰が想像していただろうか。

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