25時の表参道 Vol.5

25時の表参道:一人の女性を巡って崩れる男の友情。はずれくじを引くのは三人の中の誰だ?

25時の表参道。

東京のエネルギーが集結する港区にあって、そこだけ取り残さてしまったかのような静寂が流れている。

ブランドショップや飲食店が立ち並ぶ表参道通り、青山学院大学がある青山通り、そして西麻布へと続く骨董通り。

昼間は多くの人で賑わうが、深夜になると、隣の六本木とはまるで違った景色を見せる。

広告代理店勤務のコピーライター・フミヤ(25)は、一回り上の既婚女性・静香に恋に落ちる。フミヤの彼女・美月は2人の関係に気付き始める。そして、フミヤの同期・からかい半分で口説いた静香にハマっていく...


フミヤ・経堂の自宅「静香さんには逃げられて、亮も捕まらなかった…。」


―経堂の朝は、今日も賑やかだ。

昨夜静香さんには逃げられ、同期の亮も捕まらなかったので、表参道からタクシーで経堂の自宅まで帰った。

美月は家にいなかった。隣駅の千歳船橋にある実家に帰ったのだろう。

農大通りの商店街から一本入った、1LDKのマンション。家賃は86,000円だ。

この家に住み始めたのは、今働いている広告代理店に内定をもらってから。

高田馬場に借りていたアパートの更新タイミングだったので、どこに住もうかと考えたとき、会社までの距離と家賃の条件を入れて検索に引っかかったのが経堂だった。

高田馬場から、初めて経堂に向かった内覧の日。平日昼間に乗った小田急線は妙に安心感があって、車窓から見える空は東京のものとは思えないほど広かった。

「は?お前経堂に住んでるの?」

入社後、同じ研修のグループだった亮は、不躾に聞いてきた。

亮は代々木上原に住んでいる。赤坂の会社まで1本で行けるので便利かもしれないが、1回行ったとき、その静けさに少しびっくりした。

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