25時の表参道 Vol.3

「お前を見てると、何か負けた気になるんだよ」イケメン代理店男子の復讐

25時の表参道。

東京のエネルギーが集結する港区にあって、そこだけ取り残さてしまったかのような静寂が流れている。

ブランドショップや飲食店が立ち並ぶ表参道通り、青山学院大学がある青山通り、そして西麻布へと続く骨董通り。

昼間は多くの人で賑わうが、深夜になると、隣の六本木とはまるで違った景色を見せる。

広告代理店勤務のコピーライター・フミヤ(25)は、一回り上の既婚女性・静香との一夜の後、恋人である美月が疑い始める。フミヤと美月の間をとりもった同期の亮も、フミヤの様子を気にして…?

フミヤの同期・亮「負けが分かっているのに勝負したくなかった。」


フミヤの様子がおかしいのは、美月に言われる前から気付いていた。

いつも飄々としていて何を考えているかイマイチ掴めないやつだけど、のめり込んだときのパワーはすさまじいものがある。

―恋はするものではなくて、落ちるもの。だってさ。


フミヤが映画『東京タワー』に出てきたセリフを興味深そうに口にしていたことを、ふと思い出す。

そのときちょうど美月と付き合うか微妙な時期で、今思えばフミヤは美月のことをそんなに好きではなかったのかもしれない。

繊細なフミヤは、俺が美月のことを好きなことにも気付いていたはずだ。それでも、俺はフミヤに美月と付き合うことを強く勧めた。

負けが分かっているのに、勝負したくなかった。それなら、例えピエロと言われても、2人の恋を応援する友人という立場の方がマシだ。

そんな心の叫びが届いたのか、フミヤは美月と付き合いだした。

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