25時の表参道 Vol.2

25時の表参道:自称サバサバ系代理店美女が許せない、37歳人妻と浮気する彼氏の嘘

25時の表参道。

東京のエネルギーが集結する港区にあって、そこだけ取り残さてしまったかのような静寂が流れている。

ブランドショップや飲食店が立ち並ぶ表参道通り、青山学院大学がある青山通り、そして西麻布へと続く骨董通り。

昼間は多くの人で賑わうが、深夜になると、隣の六本木とはまるで違った景色を見せる。

広告代理店勤務のコピーライター・フミヤ(25)は、一回り上の既婚女性・静香との一夜で彼女にのめり込み…?


金曜23時。人妻を忠犬ハチ公のように待つ男、フミヤ


金曜日の23時。『バー・ラジオ』で静香さんを待っていた。 仕事が終わるのは大抵この時間が多い。ここのバーは、彼女のお気に入りで、仕事終わりに立ち寄ることが多い。

今日は、連絡が来るだろうか。スマートフォンをじっと見つめながら、振動を待つ。

あの夜以来、僕と静香さんは時々仕事帰りに飲みに行くようになった。その誘いは気まぐれだが、これまでの経験から木曜か金曜が多い。だから、僕は忠犬ハチ公のようにこうしてじっと待っている。

表参道界隈は、うちの会社から独立したデザイナーが事務所を構えることも多い。それに、美人でやり手の営業課長として有名な静香さんは、社内外問わず顔が広い。

1回、表参道通りを歩いていたら、静香さんの取引先の人に会ってしまったことがある。それでも、静香さんは何食わぬ顔して「こんばんは」と会釈した。僕の方がどきまぎしてしまったくらいだ。

静香さんにとって、僕の存在なんてちっぽけなものなのだろう。この一件で痛感した。

僕の生活は既に静香さん中心で、もちろん半同棲中の美月もそれに気付き始めていた。

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