想定外妊娠 Vol.12

「幸せな妊婦」を直視できない。“理想の母親”を演じ続けた女が、親友ともう会わないことを決めた理由

「結婚なんかしない」

そう、言い張っていた。

今の生活を手放すなんて考えられない。自由で気まぐれな独身貴族、それでいいと思っていた。

仕事が何より大事だと自分に言い聞かせ、次々にキャリア戦線を離脱してゆく女たちを尻目に、私はただひたすら一人で生きてゆくことを決意していたのに―。

“想定外妊娠”に戸惑っていたのもつかの間、千華ははじめてのエコーで心を揺さぶられ、たとえ独身だろうと産む決意を固める。

元カレ・ショーンとすれ違い続けていた千華は、憧れの先輩から言われた一言をきっかけに自分の本心に気づき、ついに彼と結ばれた。

だが真っ先に報告した親友・舞子は浮かない顔だった。さらに、ショーンの母・妙子は辛辣な言葉で千華を絶望の底へと叩き落とし、信頼していた部下・徳永さえも冷淡な反応を示す。そんな中、会社で意識を失ってしまったことをきっかけに、福岡に帰省する。

数々の困難を乗り越えながら、ようやく入籍した千華とショーンは広尾の新居へと引っ越す。そんな中、偶然にも近所のスーパーで再会したのは、音信不通になっていた親友・舞子だった…。


「ごめん、舞子。私、全然気づいてなかった。」

私は『ボンダイカフェ』で、舞子と向き合って座っていた。

舞子とは、さっき偶然近所のスーパーで再会した。そして彼女は、切羽詰まった表情で小さく、けれど確かに「うらやましい」と言ったのだ。

その様子は、私が知っている舞子とは......


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