崖っぷち妊活物語 Vol.15

「産めないかもしれない」という現実に、どう立ち向かう?明日で最終話!「崖っぷち妊活物語」総集編

―私、もしかして不妊...?ー

結婚相談所に助けられながら、気が遠くなるほど壮絶な婚活を経て、晴れて結婚ゴールインを果たした女・杏子。

一風変わったファットで温和な夫・松田タケシ(マツタケ)と平和な結婚生活を送り、はや2年。

34歳になった彼女は、キャリアも美貌もさらに磨きがかかり、順風満帆な人生を歩む一方、心の隅に一抹の不安を抱え始めていた。

「崖っぷち妊活物語」一挙に全話おさらい!

第1話:「赤ちゃんはまだなの?」バリキャリ妻の幸福を破壊した、無邪気な妊婦の一言

2年前、婚活を頑張って本当に良かったと思う。あの時は何度も挫折を味わい、プライドを打ち砕かれ、嫌な思いもたくさんした。

そうして手に入れたマツタケとの平穏な結婚生活は、人に自慢できるほどのモノではないかもしれないが、杏子は文句ナシに満足している。

―どうせ買うなら、ポルシェのマカンかしら。マツタケはきっと喜ぶわ...。

杏子はしばし妄想に暮れ、自分の幸せに酔いしれた。この時はまだ、これから再び自分に降りかかる困難と、このボーナスの真の使い道など、全く予想もしていなかったのだ。

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第2話:「“不妊”のワケがない」。無知な高慢女のプライドを砕いた、医師の宣告

結婚から2年。“妊活アプリ”的なモノで生理を記録するようになってからも、余裕で1年以上経過している。かと言って「この日!」とガッツリ排卵日を定めて行為に及んでいた訳でもないため、杏子はそれほど事態を深刻に捉えてはいなかった。

―病院に、行ってみるべきなの...?

その必要性を薄々感じながらも、心がそれを否定する。というのも、杏子がこの世で絶対的に恐れるものの一つが、その“病院”であったからだ。

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第3話:できれば夫に秘密でいたい。“不妊治療”を認めたくない、妻の葛藤

―都内一の不妊治療なんて言って、ただの金儲け主義じゃないの...!

それでも杏子がタイミング法を主張すると、「だいたい5日後あたり」と適当な指示をされ、その直前にタイミングを取って来院するようにと、全くヤル気のなさそうな顔で告げられた。そんな大雑把な診察であれば、妊活アプリで十分である。

「まぁ、正確な排卵日をご希望なら、また3日後に来てください。それで生理が来たら、次は卵管造影検査ですね。くどいようですが、もう2年も妊娠されないなら、タイミング法をのんびり繰り返しても時間と精神力が無駄になるんで」

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第4話:精神的にツラい。肉体的に痛い。それでも彼女が“不妊治療”に立ち向かえたワケ

―もしかして私、本当に不妊症なの...?

これまでどこか他人事のように思っていた......いや、思おうとしていた“不妊”という言葉が、現実のものとして押し寄せてくる。

「あら、杏子」

化粧室を出ると、由香とバッタリ出くわした。バツイチにして年下のエリート男と授かり婚という大業を成した彼女のお腹は、以前よりも膨らみを増している。

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第5話:「女は子どもを産んで、初めて一人前になるの」。不妊に悩む女を襲う、残酷なマウンティング

由香のメールに出席の返事をすると、沈んでいた気分がほんの少しだけ回復した。それに今朝マツタケにも、「もう少しリラックスするしか」と遠慮がちに言われたばかりだったのだ。

—今日くらい、妊活を忘れて楽しもう...。

だが、そんな淡い期待は、女子会マウンティングで見事に裏切られることになるなど、杏子は全く予期していなかった。

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第6話:美人で仕事ができても“かわいそう”。どこまでも無情な、東京女のヒエラルキー

―いくら美人で仕事がデキても、30代で独り身はかわいそうー

結局、この大都市東京に於いても、“女の幸せ=結婚して子どもを持つこと”という概念は深く世間に根付いたままだ。どれだけ仕事に邁進し、人生を充実させようと、夫や子どものいない女は世間から憐れまれ、もしくは“変わっている”と見なされる。

そして、既婚よりも独身、子持ちよりも子ナシの女の方が、否応なく肩身の狭い立場になるのだ。久しぶりの女子会で杏子が痛感したのは、そんな女の無情なヒエラルキーだった。

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第7話:「これ以上アンハッピーにならない?」。傷ついた妻の心を癒した、ファットな夫の本音

「ねぇ、マツタケ...相談があるの」

最近日本に初上陸した、パリで人気のショコラ専門店『ル・ショコラ・アラン・デュカス 東京工房』のサロン内でマツタケと向かい合いながら、杏子はおずおずと切り出した。

いつもの女医にステップアップを提案されてから、杏子が考えているのは“転院”だった。

今の病院に不満があるわけではないが、初診で「体外受精を考えろ」「タイミング法をのんびり繰り返しても無駄だ」と言い切った藤木の言葉が、今さらながら胸に響き始めたのだ。

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第8話:「...本当に、子どもが欲しい?」仕事も夫婦関係も恵まれた女が、“子作り”に立ち止まる瞬間

「排卵が少し遅れているようですね。まだ採卵日が確定できないので、また明後日来てください」

内診を終えた藤木は、さも当たり前のような口調で平然と言った。

「え...明後日?あの、平日に2度も通うのは難しいんですけど...。せめてこの病院の待ち時間は何とかならないんですか?それか、薬を使って日程コントロールするのは、できないんですか?」

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第9話:「他人に“弱味”を見せるのは負け」。プライドの高い外銀美女が、初めて会社で涙を見せた理由

「り、り、離婚...?!な、なんで......」

やっと言葉を発した杏子を見て、由香は何やら可笑しそうにクスクスと笑う。

「杏子のリアクションって、本当にいつも大袈裟なんだから...」

歌うように言いながら由香は涼しい顔で、運ばれてきたハンバーガーに大きく口を開けて噛りついた。普段はおっとり上品な彼女の大胆な姿に、杏子は思わずドキっとする。

「なんでって...色々あるのよ。夫婦なんてそんなものじゃない?でも、一番の理由は...」

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第10話:モテ女が、モテ女たる所以。キャリア女の嫉妬を蹴散らした“ゆるふわ女”の衝撃の一言

「きょ、杏子さん...。今日は、会社は休んだ方が良かったんじゃないですか...?」

午後出勤で会社に現れた杏子の姿を見て、後輩の奈美はギョッと目を剥いた。だが、それも仕方がない。

とうとう体外受精を決意し、午前中に藤木の元で“恐怖の採卵”を終えたばかりの杏子の顔は青白く、また下腹部にわずかに残る痛みが気になり、老婆のように腰を折り曲げて歩いているのだ。

「だ、大丈夫...、特に問題ないから...」

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第11話:「生きた心地がしない...」結婚4年目。“陽性”という一本の線を待ち続けた女の、最終手段の結果

病院に通い、食生活やあらゆる生活習慣に気をつけているにも関わらず、毎月見事に“陰性”という結果を受け入れなければならない虚しさは、きっと経験者にしか分からないだろう。

期待しない癖はついていたが、杏子はその度に女としての機能に自信喪失し、落胆を繰り返してきたのだ。だが、体外受精に踏み切った杏子は、今回だけは決してフライング検査はすまいと自分に誓っていた。

もしもダメだったとしても、最後の1日...いや1分1秒の瞬間まで、自分の子宮に戻した受精卵の可能性を信じたかったのだ。

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第12話:イタめなほど幸せな「マタニティハイ」。35歳で念願の妊娠を果たした女に忍び寄る、嫌な予感

—お祝いじゃなくたって、いつも基本的に肉じゃない...。

杏子は自然と笑みをこぼしながら、心の中で夫にツッコミを入れた。お腹の赤ちゃんも、父親のマツタケのように、やたらと運動神経の良い明るい子に育つだろうか。気が早いのは分かっているが、まだ見ぬ我が子の妄想が次々と頭を巡る。

“妊娠する”というのは、夫婦だけでは描けない、新しい未来を手に入れることなのかもしれない。杏子はすでに、“マタニティライフ”の幸せに完全に浸かりきっていた。

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第13話:無残にも奪われた“女の幸せ”。「赤ちゃんは、ママを悲しませたくない」の本当の意味

そんな体調不良も「お腹の赤ちゃんが育っている」と思えば、杏子にとってそれほど大きな悩みではなかった。

毎月のあの無意味な生理痛に比べれば、悪阻などいくらでも乗り越えられる気がした。その先に“新しい家族”が待っているならば、どんな不調も痛みも喜んで耐えてみせる。そんな気合いは十分だったのだ。

それなのにー。最終的に藤木が下したのは、「稽留流産」という無残な診断だった。

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第14話:「産まない女」と「産めない女」の違い。絶望を知ったエリート美女が、それでも母になりたい理由

「実は、私は結婚に興味がなくて、子どもを産みたいと思ったこともないんです。少なくとも今は一生独身でも構わないと思ってるし、もし結婚したとしても、子どもを作る気はなくて...。

杏子さんは、インターン時代から私の憧れでした。綺麗で仕事もデキて、でもギラギラせずに正統派な感じで...何ていうか、完璧じゃないですか。

それでも......やっぱり杏子さんの人生に、子どもは必要なんですか?」

奈美は切実な表情で、まるで訴えるように杏子に詰め寄った。

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