崖っぷち妊活物語 Vol.2

崖っぷち妊活物語:「“不妊”のワケがない」。無知な高慢女のプライドを砕いた、医師の宣告

―私、もしかして不妊...?ー

結婚相談所に助けられながら、気が遠くなるほど壮絶な婚活を経て、晴れて結婚ゴールインを果たした女・杏子。

一風変わったファットで温和な夫・松本タケシ(マツタケ)と平和な結婚生活を送り、はや2年。

34歳になった彼女は、キャリアも美貌もさらに磨きがかかり、順風満帆な人生を歩む一方、心の隅に一抹の不安を抱え始めていた。


―この私が、不妊...?まさか、そんなワケ......。

ここ数日、杏子は夫のマツタケが寝静まると、その隣で布団に潜り込み、暗闇の中でスマホを凝視し続けていた。

これまでは「たまたまデキないのかも?」なんて心の隅に漠然とした思いを抱えていただけであったが、一度“不妊”について調べ始めてしまうと、膨大な情報が次々に飛び込んでくる。

そもそも“不妊”の定義というのは、通常の夫婦生活を送っているのに1年以上妊娠しない状態を指すらしい。

また最近では、タイミングを狙って半年以上妊娠しなければ早めに検査を、という意見も多いそうだ。

そんな事実を認識するたび、杏子の心にはヒヤヒヤと焦りが募る。

結婚から2年。“妊活アプリ”的なモノで生理を記録するようになってからも、余裕で1年以上経過している。

かと言って「この日!」とガッツリ排卵日を定めて行為に及んでいた訳でもないため、杏子はそれほど事態を深刻に捉えてはいなかった。

―病院に、行ってみるべきなの...?

その必要性を薄々感じながらも、心がそれを否定する。

というのも、杏子がこの世で絶対的に恐れるものの一つが、その“病院”であったからだ。

大人げないといくら笑われようとも、杏子は幼い頃から、大の病院嫌いだった。

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