―私、もしかして...?ー
結婚相談所に助けられながら、気が遠くなるほど壮絶な婚活を経て、晴れて結婚ゴールインを果たした女・杏子。
一風変わったファットで温和な夫・松本タケシ(マツタケ)と平和な結婚生活を送り、はや2年。
34歳になった彼女は、キャリアも美貌もさらに磨きがかかり、順風満帆な人生を歩む一方、心の隅に不妊の不安を抱えていた。
女子会マウンティングにもめげず、藤木というスパルタ医の元で体外受精に踏み切った杏子。“陽性”の結果を知らされたが、赤ちゃんの心拍が確認できず、嫌な予感に襲われていた。
杏子はその日、とうとう会社に行くことができなかった。
思考は完全停止し、何の感情も沸かない。頭の中は、まさに真っ白という状態だ。
だが、そんな精神状態をまるで無視するように、胃の底から嫌な吐き気がこみ上げる。
“悪阻”(つわり)だ。
妊娠5週を過ぎたあたりから......
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この記事へのコメント
自分の遺伝子持つ子供、じゃなきゃ意味ないのかな。百万単位のお金と30代という体力と時間を不妊治療に費やす人は。
アメリカ人は肌の色違う子供を平気で養子にするけど、日本では「秘密」「本当の事」でドラマや小説etc.の主...続きを見る要テーマになるし、同じ肌色髪色でも中国や朝鮮の子供を引き取るかっていうと、…せんだろなあ。
毎月泣いてる杏子みたいな人たちが、この世にまだ存在しない子供を作るより、今親を必要としてる子供に目を向けてくれないかなあ。
11週6日...続きを見るとして処置したので、私は処置の日だけ休んで、翌日から鬼のように働きました(笑)上司や友人が、同じ経験をしたことがあると話してくれて、皆さん口にはしないけど、この悲しみを味わっている人は星の数ほどいるんですよね。
そしてその後もハッピーエンドになれない人たちがいることも、また事実……