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記念日ディナーにもぴったり。一皿にシェフの情熱が宿る、日本食・フレンチ・中華の東京の名店5選

昨年、独立を果たした若き5名のシェフが密かに目指す存在が明らかに。

長く辣腕をふるう熟練料理人の姿は、彼らが理想とする未来。プロならではの着眼点で魅力を語ってもらった。



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刺激されたシェフ

代官山『Yd'or』の金川大輝シェフ


東京やフランスのレストランで修業したあと、外苑前『ランタンポレル』で料理長に。同店をミシュラン一ツ星の人気店に押し上げ、独立。

日本の優れた食材が持つポテンシャルを尊重したフレンチ『Yd'or』を33歳で開く。

1.前平大将の天ぷらは、食べる芸術。一流のすごさを教えてくれる、目指すべき存在です
『てんぷら前平』@麻布十番

麻布十番『てんぷら前平』の前平智一氏

店主の前平さんは食材を探しに産地へ足を運ぶことも頻繁。「金川さんと一緒に千葉の八街へ行ったこともあります」


“食材の味わいや香りを活かし、全体のバランスも整えて絶妙に火を入れる。完璧です”


歴史に名を残す『てんぷらと和食 山の上 本店』で料理長まで務め、独立してからも研鑽を積み重ねる前平智一さん。

この道36年になる、揚げのスペシャリストの店『てんぷら前平』を「一流として心より憧れます」と推挙した若き精鋭が金川大輝さん。

カウンターに座って初めて食べたときから特別な存在で、「食材が持つ個性を見極めて、天ぷらというひとつの料理に仕立てている」と熱弁する。

麻布十番『てんぷら前平』の「絹さやと大葉」

「絹さやと大葉」。代表作のひとつで、コース中盤で登場。「お口直しのサラダ的な存在です」


金川さんが愛するタネの筆頭が「絹さやと大葉」。文字どおり2種の野菜をシンプルに扱うが、秒単位で成否が決する揚げはもちろん、下ごしらえも緻密に計算されている。

「絹さやを最も美味しく揚げる方法を模索していましたが、数年前ようやくこの形にたどり着きました」と前平さん。

絹さやは同じサイズを6枚重ねることで「最も表現したかった」シャキシャキ食感を実現。それを巻く一枚の大葉も、仕上がりにはみ出る両端をあらかじめ切り落とすことで余計な衣がつかず、軽く揚げ上がるよう成形している。

麻布十番『てんぷら前平』の調理風景

揚げは「マルホン胡麻油」で「太白」と「太香」のブレンド、「太白」のみの2種を用意。タネで変える


素材の旨みを凝縮し、時に香りや食感を増幅させて持ち味を最大限引き出す。そうした創意工夫の結晶が前平さんの天ぷら。

おまかせの中で強弱も意識しながら2種の胡麻油を使い分け、季節でタネを変えつつ常時約16品を提供している。

麻布十番『てんぷら前平』の「甘鯛」


ウロコに醤油をサッと塗ってから揚げており、そのまま頬張って美味しい「甘鯛」。身はふわふわ。

麻布十番『てんぷら前平』の「芽ネギと小柱の海苔巻き」


開店時からある「芽ネギと小柱の海苔巻き」も代表作。

主役はなんといっても芽ネギで、シャキッとした歯触りとさわやかな香りを感じたあとで小柱の旨みと海苔の風味が追いかけてくる。

麻布十番『てんぷら前平』の「冷たい天茶」

「冷たい天茶」は暑い時季に定番の〆。新レンコンと小柱のかき揚げを適宜のせて食べる。濃い目のカツオだしも抜群。おまかせ(¥25,300)より


「憧れて訪れれば期待どおりの高揚感があり、食べ終わりに名残惜しくなる。私がレストランに求める全部がこの店にある。ストイックに仕事をされていますが、試行錯誤などのご苦労は表に出されないところも尊敬しています」と金川さん。

大先輩の姿勢にも賛辞を惜しまない。

― プロから見た、先輩のここがすごい! ―
いつもクリーンな厨房とフード

麻布十番『てんぷら前平』の内観


「開店して8年でもカウンターはもちろん、揚げ鍋から排気ダクトまでピカピカで感動。それだけ日々の仕事をきっちりされているということ。話す言葉も美しく笑顔も素敵です」(金川さん)

てんぷら前平(麻布十番) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

刺激されたシェフ

三越前『Murena』の溝口真哉シェフ


多くのイタリアンで腕を磨いたあと滋賀・草津で個々の取引先に応じた熟成肉を卸す『サカエヤ』併設レストランでシェフに。

肉の扱いを極め、42歳の昨年、日本橋『Murena』で独立。ステーキ肉がメインのおまかせを提供。

2.ひと皿に盛り込む、あらゆる要素に意味がある。その背景をすべて説明してくれるから感激します
『Restaurant L'AFFINAGE』@銀座

銀座『Restaurant L'AFFINAGE』の調理風景

カウンター席では名門『銀座レカン』出身の高良さんの仕事ぶりが間近に


「すべてのレベルが高すぎます」と日本のフレンチを牽引する高良康之さんの店『Restaurant L'AFFINAGE』を絶賛する溝口真哉さん。精肉店『サカエヤ』を通じて知り合った仲で、ひとりの客としても通い続けてきた。

「まず料理。ひと皿を構成する要素が明快で分かりやすく、味わってすぐ体が喜ぶ美味しさがある」とトップシェフの凄みを感じ取っている。

ひと皿の完成度はもちろん、次の料理との繋がりにも感銘を受けており「強弱を巧みにつけつつ、大きなひとつの波のように連なる、コース全体の調和も抜群」と語る。

銀座『Restaurant L'AFFINAGE』の「トマトのジュレを纏ったズワイ蟹とホワイトアスパラガス」

ニュージーランド産フレーキーシーソルトを仕上げに振り、ミネラル感を表現した最初の前菜「トマトのジュレを纏ったズワイ蟹とホワイトアスパラガス」。ホワイトアスパラは穂先を焼くだけでなく、軸もムースにしてカニほぐし身の下に


初夏なら前菜はカニと牛のリ・ド・ヴォー、メインはオマールエビに仔羊と皿により主役の食材はいろいろ。

調理法もフリット、ローストなど多彩だが、オイルやソースの色、香り、味の方向性でさりげなく前後をリンクさせ、連なりを印象づけている。

高良さん曰く「第一に考えるのはアミューズからデザートに至るまでのストーリー。おまかせコースだけで営業している以上、点の集合体でなく、ひとつの線を提供する義務が私にはあります」。

コースには通底するテーマもあり、今回は「季節のミネラル感」。その滋味が潜む食材や調味料を選び、物語を紡いでいる。

銀座『Restaurant L'AFFINAGE』の「リ・ド・ヴォーのフリットとアスパラガスのコンビネーション」


「トマトのジュレを纏ったズワイ蟹とホワイトアスパラガス」で添えたディルオイルの清涼感が「リ・ド・ヴォーのフリットとアスパラガスのコンビネーション」を彩る、ミントやイタリアンパセリなどの香りとリンク。

銀座『Restaurant L'AFFINAGE』の「オマールエビと網笠茸のラヴィオリ」


メインの魚は「オマールエビと網笠茸のラヴィオリ」。

網笠茸は具のほか、生地にも練り込まれ大地の芳醇な香りをひと皿で表現。コニャック入りアメリケーヌなどのソースも添えて一体感を醸す。

銀座『Restaurant L'AFFINAGE』の「ニュージーランド産仔羊のロースト」


その上で続く肉「ニュージーランド産仔羊のロースト」のソースは似たコクを持つ仔羊の出汁をベースに。

銀座『Restaurant L'AFFINAGE』の「海苔とココナッツのアイス」

デザートは「海苔とココナッツのアイス」で海のミネラル感を。おまかせコース(¥24,200)より


「確たる知識と理論、経験と技術の裏づけがあり、それを言語化できる点も素晴らしいんです」と溝口さんが称賛するとおり、何か尋ねれば理路整然と、時に冗談を交えつつ明快な回答が返ってくる。こうしたコミュニケーションも同店の魅力。

銀座『Restaurant L'AFFINAGE』の内観

肩肘張らず楽しんでほしいとキッチンを望むカウンター席も


空間でもサービスでもシェフのもてなす心が表現されているから、溝口さんも折に触れて通い続ける。

― プロから見た、先輩のここがすごい! ―
優雅な動き、巧みな会話力!

銀座『Restaurant L'AFFINAGE』の高良康之シェフ


「高良さんの視野は広く、キッチンで調理しながらも常に空間全体に目配りされています。動きは優雅そのもので、冷静沈着。時にお客様とも自然に会話をされていて感動します」(溝口さん)

Restaurant L'AFFINAGE(銀座) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

刺激されたシェフ

新宿御苑前『食堂わた』の櫻井 航氏


『赤坂おぎ乃』をはじめとした錚々たる日本料理の実力店で修業し、この『西麻布 野口』では立ち上げに参加。

その後28歳で新宿御苑前に『食堂わた』を開く。昼は定食屋、夜は居酒屋として一流の味をカジュアルに振る舞う。

3.野口さんの優しいお人柄が料理にも感じられる、心温まるお店です
『西麻布 野口』@乃木坂

乃木坂『西麻布 野口』の内観

檜のカウンター越しに笑顔を見せる野口さん。完全予約制の一斉スタートだが「ゆっくり食べてほしい」と一回転のみで営業する


“すべての料理に細部まできちんと手をかける。美味しいものを知る大人たちが魅了される場所です”


「先日は一緒に生産者さんの村へ行き、ともに使うお米の田植えを手伝ってきました」と推薦者・櫻井 航さんとの親交を語る野口正太朗さん。

ふたりは銀座の和食店で同時期に修業した先輩と後輩。年は7つ離れているが「出会ったときから不思議と気が合うんです」と笑う。

気心が知れた弟分というだけでなく、料理人としての信頼も厚く、『西麻布 野口』を立ち上げる際には声をかけ、厨房に入ってもらっている。

そんな絆もあるから櫻井さんが憧れるのは当然。「野口さんの優しいお人柄が料理にも表れている」と推す。

確かに野口さんの料理は優しい。何より味わいが上品で、どの料理も個々の食材の持ち味が存分に引き出されている。

乃木坂『西麻布 野口』の「お造り」

「お造り」は常に2皿を順に。今日のひと皿目は、明石鯛と軽くゆがいて甘みを際立たせたエビ。“水塩”にはスダチも搾ってある。ツマに食感も楽しいオカヒジキ


「鯛のお造り」なら身だけでなく、香り豊かな皮もさっとゆがいて添え、「本来の旨みが明瞭になる」と“水塩”を用意する。

乃木坂『西麻布 野口』の〆の炊き込みご飯とお供

〆は炊き込みご飯。続いて「最高のごちそう」と炊き立ての白いご飯が、「牛しぐれ煮」「ちりめん山椒」などのお供と登場


何げない「牛しぐれ煮」も手間をかけてふっくら炊き上げ、和牛特有の甘みを活かす。

「いいモノは余計なことをしなくていい」と食材を慈しむように手をかけ、最善を尽くす。それが野口さんの流儀。

乃木坂『西麻布 野口』の「棒鮨」


櫻井さんも好きな「棒鮨」はお凌ぎで登場。この日はサバ。棒鮨でなく、時季により飯蒸しやちまきになることも。

乃木坂『西麻布 野口』の「炊き合わせ」

「温かいお出汁を飲んでほしい」と「炊き合わせ」は必ず。翡翠色に輝く加茂ナスと米沢牛が沁みる味。おまかせ(¥32,000)より


「料理に実直に取り組んでいて多くは語らないが、計算されている」と櫻井さんも感動するポイントである。その上で献立も、食べ手本位で組み立てる。

コース序盤で提供する揚げ物は「泡酒で乾杯するお客様を考えて」。お凌ぎ代わりのご飯物は「悪酔い防止」。相手の立場を押し量り、どうしたら喜んでもらえるか、常に心を砕いている。

品数は多く、満足度は高いが、食後感は穏やか。優しさに包まれたあとは余韻も驚くほど心地良い。

― プロから見た、先輩のここがすごい! ―
魚をおろして焼く腕利きを尊敬!

乃木坂『西麻布 野口』の調理風景


「修業時代からずっとすごいと思ってきたのは魚をおろす技術。誰よりも上手です。炭を巧みに操って焼く手法も抜きん出ていて、魚の特性をよく理解しているんだと思います」(櫻井さん)

西麻布 野口(乃木坂) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

刺激されたシェフ

広尾『氣分』のユーゴ・ペレ=ガリックスシェフ


フランスの名店で修業し、京都『菊乃井本店』の研修制度で来日。仕入れから技術までみっちり学ぶ。

銀座『エスキス』でヘッドシェフを務めて33歳で独立。西麻布『氣分』で日仏を融合した独自の料理を展開。

4.ここでの食事は自分への刺激になり、モチベーションも上げてくれますね
『CYCLE by Mauro Colagreco』@大手町

大手町『CYCLE by Mauro Colagreco』の宮本悠平氏

すべて見渡せるオープンキッチンで腕をふるう宮本さん。「この店のテラスで育つハーブ類も積極的に使います」


「偉大な名前がついたレストランで仕事をするわけですから、責任やプレッシャーは相当なはず。その中で自分のオリジナリティも表現している」とユーゴ・ペレ=ガリックスさんが讃える料理人が宮本悠平さん。

世界的なシェフ、マウロ・コラグレコさんの南仏本店で右腕として活躍。日本初進出となった、『CYCLE by Mauro Colagreco』をオープン当初から任されている。

なるほど、重圧はかなりだろうが、当の本人は「自由にやっちゃってます(笑)」と自然体。

広大な自家農園を有する本店に倣い、多くの野菜は千葉のシェアファームで調達。生産現場を知る国産食材も多く仕入れており、ほぼすべてのメニューを師に頼らず、独自に創作している。

“愛知県産の「恵鴨」が絶品。火入れや食材の組み合わせの面白さを感じます”

大手町『CYCLE by Mauro Colagreco』の火入れ後の恵鴨

鴨は美しい仕上がりを客席で披露


ユーゴさん推薦の「恵鴨(めぐみがも)」は愛知県豊橋で育つブランド食材。宮本さんの思い入れも深く、「ほかにない優しい味わいで僕の料理によく合います」。

一羽丸ごと、薪も使い約4時間丁寧に焼けば、しっとり滑らかでまろやかな旨み。この日は島根県産薔薇の官能的な香りと合わせた。

大手町『CYCLE by Mauro Colagreco』の「薔薇/さくらんぼ/恵鴨」

「薔薇/さくらんぼ/恵鴨」。豊橋『鳥市精肉店』の鴨をロースト。島根『奥出雲薔薇園』の「さ姫」はソースのほか、花弁はピクルスに


これぞユーゴさんが「火入れが独特で食材の組み合わせも面白い」と敬服する個性。鴨の繊細な味を活かしつつ、予想外の香りを纏わせ、多彩な食感で変化をつける。

このひと皿の構成は今日的フレンチそのものだが、主役から取ったソースを添えるなど伝統に対するリスペクトも随所に。

「ソースはあくまで脇役ですが、クラシカルな料理も好きで大事にしています」と宮本さん。

大手町『CYCLE by Mauro Colagreco』のアミューズのタパス


アミューズのタパスは「根・花・葉・果」を示す4種。この日はクミン香るパプリカのタコスなど。

大手町『CYCLE by Mauro Colagreco』の「トマト/ハーブ/金目鯛」


「トマト/ハーブ/金目鯛」。

薪で香ばしく焼き、付け合わせにトマトのグリル。骨やアラでとったソースも添えた。

大手町『CYCLE by Mauro Colagreco』の内観

天井高は約9mと開放的。全面ガラス張りで日中は光が降り注ぐ。入り口には鳥海山の「神代木」が飾られ、各テーブルの天板もこの木で作られている


日本とフランスの架け橋になろうと奮闘する楽しさや難しさをユーゴさんも知っているから、同志としての敬愛は揺るがない。

― プロから見た、先輩のここがすごい! ―
三ツ星シェフの重圧に負けない力

大手町『CYCLE by Mauro Colagreco』の看板


「マウロさんは仏国内で三ツ星を獲得した初の外国人シェフで、環境保護活動も推進。宮本シェフはその金看板を背負い創作を続け、店を統率するのですから素晴らしい」(ユーゴさん)

CYCLE by Mauro Colagreco(大手町) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

刺激されたシェフ

広尾『日本料理 佐々』の佐々悠樹氏


東京の鮨店などで修業。その後、中国へ渡り、上海で和食の料理人として腕を磨いて現地で独立。

最終的に懐石料理店『佐々』をはじめとする3店を経営するまでに至り、凱旋帰国。32歳の昨年、広尾に『日本料理 佐々』を開店。

5.中国の食材を、コストをかけて東京で出す。その気概にレベルの違いを実感します
『新栄記(シンロンジー) 東京店』@赤坂

赤坂『新栄記 東京店』の外観

複雑な曲線を描きながら独立して立つ、ガラス張りの2階建てがすべて東京店。夜になると灯りがこぼれて美しく輝き、幻想的に映る


中国で『新栄記』といえば、知らない人はいないとされる高級レストラングループ。

全土に20店舗以上あり、北京と上海の7軒はミシュラン星付きだが、現地でその素晴らしさを体感したのが佐々悠樹さん。「上海在住中は30回以上も通い詰めた」と語るほど愛している。

『新栄記 東京店』はグループ初の海外進出店。佐々さんももちろん食べに訪れたが、「美味しさは上海と全く同じ。現地の味が見事に再現されていて感銘を受けました」と嘆息する。

“個人的に、白酒が大好きで中国料理には必須の存在です”

赤坂『新栄記 東京店』の宋 智琦シェフ

東京店を任されたシェフ、宋 智琦(ソウ チキ)さんは17歳で入社し、北京の三ツ星店『新栄記 新源南路店』で料理長まで務めた若き俊英


同店はオーナーシェフ、張 勇(チョウ ユウ)さんの故郷である浙江省台州市の郷土料理がベース。

赤坂『新栄記 東京店』の「東海産天然黄魚の煮込み」と白酒(茅台酒)

台州料理の象徴「東海産天然黄魚の煮込み」。ニベ科の白身を濃厚ソースで味わう。白酒の茅台酒とも相性抜群


東シナ海に面し、新鮮な海産物に恵まれた土地らしく、スペシャリテの多くは魚介料理で、現地では「黄魚(ファンユイ)」という、体の一部が黄金色に輝く魚の煮込みが代表作。

香味野菜を炒めたラードで一尾を軽く煎り焼いてから煮込むのが台州スタイルで、東京でも現地で水揚げされた天然の黄魚を調理している。

赤坂『新栄記 東京店』の「鶏とフカヒレのスープ」

飲茶ワゴンで登場、目の前で熱々スープを具の入ったお椀に注ぐ「鶏とフカヒレのスープ」。スープは6時間かけて親鳥や金華ハムで取る。コース(¥66,000)より


「日本料理も中国料理も、その国の良いモノを使わないと本物が作れないことを私も上海時代に痛感しましたが、張さんはそのことを深く理解していて、コストも手間も惜しまず、中国で最高の食材を週2回も空輸している。その本気度に驚きました」

赤坂『新栄記 東京店』の内観

2階は3名以上から利用できる個室のみを用意。廊下もゆったりした贅沢な空間で室内も広々


料理だけでなく、赤坂の一等地で個室中心という店内の仕様も非日常を味わうのに最適。

赤坂『新栄記 東京店』の内観

1階は2名用テーブルを用意。カウンターもあり、今後は特別コースを振る舞う予定


「美味しさ、雰囲気、サービスとすべてのトータルバランスが整って初めて良いレストランになると私は思っていますが、東京店はその調和も見事」と佐々さん。

自身が目指すべき店のあり方まで学んでいる。

― プロから見た、先輩のここがすごい! ―
事業を成功に導くカリスマ性

張 勇氏


「張さんはいろいろな業態のお店を展開して成功しています。中国では誰もが知る有名人。私もひと言で表現できないほど尊敬していて、常に挑戦する姿勢に頭が下がります」(佐々さん)

新栄記 東京店(赤坂) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

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