−なぜ今、思い出すのだろう?
若く、それゆえ傲慢だった同級生・相沢里奈の、目を声を、ぬくもりを。
これは、悪戯に交錯する二人の男女の人生を、リアルに描いた“男サイド”のストーリー。
一条廉は3歳年上の美月と結婚し、駐在先のシンガポールで新婚生活をスタートさせる。
しかしその心には、特別な思いを抱く大学時代の同級生・里奈がいた。
腐れ縁のように少しずつ距離を縮めていくふたりは、やがて一線を超えてしまう。
不貞を疑われながらも再び美月との穏やかな生活を取り戻した廉だったが、里奈が妊娠したことを知ると、動揺から妻に要らぬ一言を言ってしまう。
すると、これまで従順だった妻・美月が突如、別人のように態度を変え、ついには離婚されてしまった。
バツイチとなってから
離婚後の孤独は、予想以上に堪えた。
せめて家族が日本にいれば少しは救われたかもしれないが、両親はカナダから戻る気配もないし、すでに結婚して家を出ている姉は、僕が話した(と言っても概要だけだが)離婚理由に「呆れた」と言っただけだった。
自由が丘の実家は独りで暮らすには広すぎ......
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