ゲーム機器メーカーの京都本社に勤める一ツ橋紀夫(ひとつばし・のりお)は正真正銘の庶民。
“普通”で平凡な日々を送る紀夫が出会った美女・萬田樹里(まんだ・じゅり)は、なんと全国に名を轟かせる老舗和菓子屋のひとり娘。
そして次第に距離を縮めていくふたりを悲劇が襲う。密かに出かけた一泊旅を、樹里の許嫁・貴志にすべてを知られてしまっていたのだ。
貴志は紀夫の家にやってきて「手切れ金500万で樹里と別れてほしい」と迫る。
一旦は身を引く紀夫だったが、家を出てきたという樹里を受け入れ、ふたりは束の間の蜜月を過ごす。
しかしやはりきちんと話をしなければと紀夫は樹里の両親に会いに行くが、そこでこれまで抱いていた自身の結婚観を完全に覆される。
紀夫と樹里。ふたりの恋の、結末は?
婚約者との対峙
「すみません。…いきなり呼び出したりして」
会社帰りに待ち合わせたフォーシーズンズホテル京都のラウンジで、紀夫は目の前に座る、ある男に頭を下げた。
「いえ。…それで、ようやく決心がつきましたか?」
不遜な態度で口を開いたのは…百瀬貴志。樹里の婚約者である。
−......
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この記事へのコメント
ジュリの方はともかく、薫ねえ…気に入らんな、