「これこれ!この宇治抹茶のエスプーマ!これが食べたかってん」
少女のようにきゃっきゃと喜ぶ樹里に、紀夫は「それは良かった」と父親のごとく目を細めた。
この日はお茶のお稽古帰りだという樹里と待ち合わせ、彼女がどうしても行きたいと主張する『茶匠 清水一芳園』にやってきた。
......
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「これこれ!この宇治抹茶のエスプーマ!これが食べたかってん」
少女のようにきゃっきゃと喜ぶ樹里に、紀夫は「それは良かった」と父親のごとく目を細めた。
この日はお茶のお稽古帰りだという樹里と待ち合わせ、彼女がどうしても行きたいと主張する『茶匠 清水一芳園』にやってきた。
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この世には、本人の力だけでどうにもならないことがある。
「生まれ」や「家柄」は、その最たるもの。
誰も傷つけず、傷つかずに生きていきたければ、決められた階層を飛び越えようなどと願わないに限る。
身の程をわきまえること。
それこそが、幸せになるための必要条件なのだから。
この記事へのコメント
ただの自分勝手なお嬢さんだわ。