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ノリオとジュリエット Vol.10

京都の名家を捨てたご令嬢と、束の間の蜜月を過ごすも…。愛に溺れた庶民男に迫る、非情な現実

ゲーム機器メーカーの京都本社に勤める一ツ橋紀夫(ひとつばし・のりお)は正真正銘の庶民。

“普通”で平凡な日々を送る紀夫が出会った美女・萬田樹里(まんだ・じゅり)は、なんと全国に名を轟かせる老舗和菓子屋のひとり娘。

距離を縮めていくふたりだが、偶然にも紀夫が3年前に別れた元カノ・一二三薫と再会

実は恋人に裏切られたばかりだった薫は「私とやり直そう」などと言いだす

さらに、紀夫と樹里を悲劇が襲う。なんと、樹里の許嫁・貴志にすべてを知られてしまっていた。貴志は紀夫の家にやってきて「手切れ金500万で樹里と別れてほしい」と迫る

一旦は身を引く紀夫だったが、貴志の裏の顔を知り考えを改める。そして家を出てきたという樹里を部屋に入れるのだった。


ご令嬢との、蜜月の日々


「ノリちゃん。今夜、何食べたい?」

決して広くない玄関に、樹里が見送りにくる。

「ノリちゃん」と呼ばれるその響きがくすぐったくて、紀夫は照れを隠すように急いで靴を履いた。これまでずっと樹里は「紀夫さん」と“さん付け”を崩さなかったが、昨夜ふたりで新しい呼び名を決めたのだ。......


この記事へのコメント

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話、ほとんど進んでないじゃん…
2018/08/11 05:1199+Comment Icon1
No Name
最近ホラーな主人公が多いので(収監中、ポイズンマザー、ひとみ・・)、この話が普通に思えてきてほっとする・・
2018/08/11 05:2269Comment Icon1
No Name
庶民だろうが良家のお嬢様だろうが、親に祝福されない恋愛は辛いよね。
駆け落ちってワケにもいかないわけだし。
お嬢様は『逃げる』以外に、選択肢なかったのかしら。
2018/08/11 05:1268Comment Icon4
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ノリオとジュリエット

この世には、本人の力だけでどうにもならないことがある。

「生まれ」や「家柄」は、その最たるもの。

誰も傷つけず、傷つかずに生きていきたければ、決められた階層を飛び越えようなどと願わないに限る。

身の程をわきまえること。

それこそが、幸せになるための必要条件なのだから。

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