−何だったんだ?今のは…。
自室に戻った紀夫は、クーラーのスイッチを入れるのも忘れてただ呆然と立ち尽くした。
「500万円で、樹里と縁を切ってほしい」
つい先ほど、樹里の婚約者だと名乗る男は確かにそう言った。
まさか自分の、平凡で普通な人生に、こんな場面がやっ......
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−何だったんだ?今のは…。
自室に戻った紀夫は、クーラーのスイッチを入れるのも忘れてただ呆然と立ち尽くした。
「500万円で、樹里と縁を切ってほしい」
つい先ほど、樹里の婚約者だと名乗る男は確かにそう言った。
まさか自分の、平凡で普通な人生に、こんな場面がやっ......
この世には、本人の力だけでどうにもならないことがある。
「生まれ」や「家柄」は、その最たるもの。
誰も傷つけず、傷つかずに生きていきたければ、決められた階層を飛び越えようなどと願わないに限る。
身の程をわきまえること。
それこそが、幸せになるための必要条件なのだから。
この記事へのコメント
薫は百瀬?だっけ??が、樹里の婚約者だってことは知らなかったんだよね?
知ってて紀夫に言わなかったってことはないよね??