両親との面会
紀夫は先頭を切って、老舗フレンチ『おがわ』の2階へ足を踏み入れる。
そこにはすでに、樹里の母親らしき和服姿の女性と、父親らしく堂々とした態度で座るジャケット姿の男性がいた。
「初めまして、一ツ橋紀夫と言います。今日は、お時間をいただきありがとうございます」
固い表情......
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紀夫は先頭を切って、老舗フレンチ『おがわ』の2階へ足を踏み入れる。
そこにはすでに、樹里の母親らしき和服姿の女性と、父親らしく堂々とした態度で座るジャケット姿の男性がいた。
「初めまして、一ツ橋紀夫と言います。今日は、お時間をいただきありがとうございます」
固い表情......
この世には、本人の力だけでどうにもならないことがある。
「生まれ」や「家柄」は、その最たるもの。
誰も傷つけず、傷つかずに生きていきたければ、決められた階層を飛び越えようなどと願わないに限る。
身の程をわきまえること。
それこそが、幸せになるための必要条件なのだから。
この記事へのコメント
ノリオ良いように使われてるよ