愛しのドS妻 Vol.15

結婚から5年。冷え切った夫婦が迎える結末は?明日で最終話「愛しのドS妻」総集編

−可愛かった妻は、どこに消えた?–

昔はあれほど尽くしてくれたのに。あんなに甘えてくれたのに。

いつの間にかドSと化してしまった妻に不満を抱く既婚男性は、きっと少なくないはずだ。

青山でイベントプロデュース会社を経営する、平野貴裕(ひらのたかひろ)・35歳もそのひとり。

妻である華(はな)とは大恋愛の末に結ばれたはずだが、結婚後5年が経ち、その夫婦関係は随分と冷え切っていた。

そしてついに、破滅へと向かうある事件が勃発する。

「愛しのドS妻」一挙に全話おさらい!

第1話:深夜の修羅場…ドS妻の追及に思わず吐いた、男の苦しすぎる言い訳

寝起きの呆けた頭で貴裕ができることといえば、シラを切ることだけ。

しかしそれで引き下がるような華では、もちろんない。

「とぼけないで。こっちはもう全部わかってんのよ。奈美子って、どこの誰」

妻の唇が無機質に「奈美子」と動くのを、貴裕は絶望とともに眺めるしかなかった。

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第2話:夫の不実を知った妻の逆襲。後悔しても遅い、“出来心”の大きすぎる代償

一睡もできず迎えた朝は、体中の細胞が死んだように重い。貴裕はどうにか気力だけで起き上がると、そっとあたりの様子を伺った。

静かに耳をすませてみると、キッチンで湯を沸かす音がする。

−彼女もまた、眠れぬ夜を過ごしたのだろうか。

そう思うと、胸が締め付けられそうだ。とはいえすべて、身から出た錆だが。

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第3話:女を甘く見るなかれ。たった1日で夫の浮気相手を探した妻が迫る、非情な選択

“奥さんから慰謝料請求された”

間接照明だけを灯した、寝室のウォークインクローゼット。

薄暗がりでスマホ画面に光る文字列はあまりにも目に強烈で、貴裕は一瞬、頭が真っ白になった。

−嘘…だろ?

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第4話:夫の不貞で壊れた夫婦の絆。300万の時計でも、妻の愛は取り戻せない?

翌日、18時。様々な感情を押し殺し、貴裕は並木通りを急いだ。打ち合わせを一本リスケしてまで、華の言うなりに銀座にやって来たのである。

悪いのは、自分だ。それは十二分に承知しているが、それにしてもさすがに度が過ぎている気がしてならない。

しかしそれを口にすれば火に油を注ぐこと必至で、貴裕は心を無にすることでどうにかこの状況を受け入れているのだった。

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第5話:弱った心の隙間に入り込む二番手の女…誘惑に負けてしまった、男の後悔

貴裕は結局、赤坂の狭いビジネスホテルに連泊している。どうせなら飲みにでも行って、深夜に寝るだけの状態でホテルに戻りたい。

予定のなさそうなスタッフを捕まえようと思っていたのだが、結局全員に声をかけそびれてしまったのだ。

−仕方ない。もう少し仕事するか…。

諦めた、その時だった。オフィスの入り口に、招かれざる客が現れたのは。

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第6話:「夫婦の絆を守りたい」浮気な男が下した、冷酷な決断

無我夢中で病室にたどり着いたとき、貴裕の足は情けないほどに震えていた。

−もし万が一、華に何かあったら…。

どうにか間に合った長野行き最終新幹線“あさま”の中でも、貴裕は延々と浮かぶ悪い想像を繰り返し繰り返し打ち消した。それはもう、息をするのも忘れるほど必死で。

自分にとって、華の存在がどれだけ大切でかけがえのないものであるかを痛感する。そんなこと、頭ではずっと理解していたはずなのに…。

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第7話:二番手女の逆襲、開始。深夜2時のリビングに鳴り響く地獄のコール

部屋に戻り、ベッド脇でくつろぐ華を後ろから抱きしめる。

「華、愛してるよ」

唇を近づけ、彼女もそれに応じる。貴裕はそのまま、彼女をベッドに押し倒した。

首筋に舌を這わせると、漏れた吐息が耳に流れ込む。貴裕はほんの少し強引にキャミソールの紐をずらし、うっすらと残る日焼け跡を指でなぞった…その時だった。

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第8話:「私の方が、彼を愛してる」。勘違いした2番手女を一蹴する、本妻の貫禄

妻としての余裕を見せれば引き下がるはず。そう思っていたのだが、しかし私は目の前に座るこの野暮ったい女のことを、少々舐めていたようだ。 それまで大人しく黙っていた奈美子だったが、何に触発されたのか、急に反論を開始したのだ。

「私は…貴裕さんのこと、しょうもない男だなんて思ってません。自分の夫のことをそんな風に言うなんて信じられない。奥さんは貴裕さんのこと、本当に愛してるんですか?

貴裕さん、言ってました。奥さんはドSで全然優しくないって。家にいても心が休まらないって。貴裕さんが浮気してしまったのは、あなたの愛が足りないからじゃないんですか?

奥さんより私のほうが、貴裕さんのこと…」

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第9話:ドSな妻が急にご機嫌になったら要注意。結婚5年目の夫も知らぬ、美人妻の秘密

「…ねぇちょっと、聞いてる?」

コーヒーを片手にぼんやり考え事をしていた貴裕を、華が呆れたように覗き込んだ。

「ああ、ごめん。ぼーっとしてた」

慌てて相槌をうつと、妻はいつになくウキウキとした声で語りかけた。

「いよいよ今日から仕事が始まるの。これから家を空けることも増えるかもしれないけど、理解してね」

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第10話:高級タワマン暮らしの若き経営者を襲った2つの悲劇。窮地に立たされた夫に対する、ドS妻の提案

「貴裕もウニ食べるでしょ?」

屈託のない笑顔で問いかける華に「ああ」と答えてから、貴裕はようやく「実は」と切り出した。 仕事の話を妻にまったくしない男も世の中には多いようだが、貴裕にしてみれば信じられない。

結婚前もそうだったし、結婚してからは特に、貴裕は基本的になんでも華に相談する。 ビジネスの話だろうがプライベートの話だろうが、妻ほど的確に迅速な判断をくれる相手は他にいないからだ。

そして今夜も、妻は実に斬新な提案をした。

第10話の続きはこちら

第11話:「一生、許さない」夫の窮地を救った美しき賢妻が、ふいに見せたドSな本性

「じゃあ次は、赤を開けましょうか」

妻はそう言って、脇に控えるワインボトルを手に取った。営業スタッフの乾、そして事務スタッフの葵のグラスに赤ワインを注ぐ華。

「本当、懐かしいわね」

貴裕が異変を感じたのは、小さく呟いた華の声が震えていたからだ。

「華…?」

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第12話:「まさか、離婚する気?」稼ぎ始める妻に戦々恐々とする夫。水面下で進む、ドS妻の決心とは

それにしても、私が彼に協力したからって「許された」などと勘違いするなんて…ほんと、相変わらず単純だ。

しかも、元カレと私の浮気まで疑ってきた。自分は安易に汚れておきながら妻には清廉を求める。…本当に男って、どこまで身勝手なのか。

そもそも私がテレビ局勤務の元カレと、今さらヨリを戻すわけがないのに。そんなことに、なんのメリットもない。

だけど一つ言えることは、貴裕の裏切りを知った後、私はある決心をした。

第12話の続きはこちら

第13話:家にいない、掃除しない、料理しない。一切の家事を放棄したドS妻を、それでも夫が愛せる理由

「平野さん。この雑誌、もう見ました?」

表参道にあるオフィスに出社すると、事務スタッフの葵が何やら嬉しそうに近づいてきた。

「雑誌…?」

なんだろう。最近、何かの取材を受けたりしたかな…と記憶を辿っていると、葵はとある雑誌を貴裕に差し出した。見れば表紙には、“総力取材!おもたせ特集”という大きな文字が躍っている。

「載ってましたよ、華さん!」

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第14話:「子どもできないんですか?」SNSに渦巻く女の嫉妬。悪質な嫌がらせを知った夫の、意外な反応

泡、白と続き、赤ワインを開けたところで、貴裕はずっと気になっていた華の異変を思わずこぼした。

「華さんが?…まったく想像できませんね」

大げさに目を丸くしたのは、乾である。彼などは、貴裕以上に華の強気しか見ていないから余計に信じられないようである。しかし葵の反応は違っていた。

「もしかしたら…」

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