愛しのドS妻 Vol.12

「まさか、離婚する気?」稼ぎ始める妻に戦々恐々とする夫。水面下で進む、ドS妻の決心とは

イベント会社を経営する平野貴裕(ひらのたかひろ)・35歳。

ほんの出来心から妻と修羅場に発展した貴裕は、慰謝料300万円を支払い、さらには高級時計までプレゼントさせられるも、妻の怒りはおさまらない。

奈美子との関係を一方的に解消しようとするものの、逆上した奈美子が暴挙に出る。

結局、華が不倫相手を一蹴し一件落着となるのだった。

が、一難去ってまた一難。貴裕の会社のトップ営業マン・乾が退職を申し出たのだ。

「私に策がある」と言いホームパーティーを開いた妻・華は、女優並の演技で涙を流し、乾を引き止める。

夫の窮地を救う妻・華の思惑とは?


華の本音


夫の窮地に手を差し伸べるのは、妻として当然のことでしょう。

裏切り行為があったとしても私たちは現時点で夫婦であり、一蓮托生なのだから、「なぜ」なんて考える必要もない。

あのパーティーの後しばらくして「乾から残留の意思表示があった」と貴裕から聞いた。

報酬アップの条件付きだったらしいが、貴裕は希望額に上乗せして昇給の決断をしたらしい。英断だと思う。乾さんは私の目から見ても、その能力も人柄も“THクリエイティブ”の要だから。

貴裕は臆病だし詰めの甘い男だけれど(奈美子の件ではまさにそれが露呈した)、自分にとって“必要な人”の判断は間違わない。乾さん然り…私然り。

まあそうやって支えてもらえるのも、どこか憎めない彼の長所ではある。

それにしても、私が彼に協力したからって「許された」などと勘違いするなんて…ほんと、相変わらず単純だ。

しかも、元カレと私の浮気まで疑ってきた。自分は安易に汚れておきながら妻には清廉を求める。…本当に男って、どこまで身勝手なのか。

そもそも私がテレビ局勤務の元カレと、今さらヨリを戻すわけがないのに。そんなことに、なんのメリットもない。

だけど一つ言えることは、貴裕の裏切りを知った後、私はある決心をした。

もう遠慮はしない。良妻でいる義理もない。

“私は、わたしの人生を生きていく”と。

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