2018.04.05
東京マテリアル・ガールズ Vol.12この東京で女の頂点に君臨するのは、簡単なことじゃない。
恵まれた容姿だけでは、当然埋もれてしまうのだ。
知性だけでも、財力だけでも、センスだけでも難しい。
その全てを兼ね備えた女・景子をクイーンとするカリスマ読者モデルグループ・G3。
ふとしたきっかけでG3を中心とした読者モデルへの世界へと足を踏み入れてしまった会計士見習い・あおい。
真面目だった彼女は、一体どう変化していくのか?
「東京マテリアル・ガールズ」一挙に全話おさらい!
第1話:”よく見ると、可愛いよね”の一言で火がついた、田舎娘の隠れた自意識
ウェアだってタイアップアイテムで、私が身につけているのを見てフォロワーのみんなが買ってくれるように少しだけウエストの部分を加工したりするのは、当たり前。そんなの、みんなやってることだもの。こんな私を見て、バカらしい、頭が空っぽのミーハー女だ、って思う?
でもね、まさか私だって、自分がこんな風にブランド物のバッグに興味を持ったり、新しいレストランにアンテナを張ったりする生活を送るなんて、思ってもみなかった。
そう、始まりは、ほんの好奇心だったの―。
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第2話:ダサい女友達は恥ずかしい?“読モ”デビューした女を蝕む選民意識
自分でも信じられないのだけど、と、昼休みにいつものランチメンバーに『GROLY』の撮影に呼ばれたことを打ち明けた。読者モデルというものに選ばれたことが、単純に嬉しかった。
他のメンバーにはまだ連絡が来ていないらしい。そのうちの1人は明らさまにに驚愕した様子で、「どうしてこの人が」と顔に書いてあるようだ。その表情を見て、あおいは自分のシンプルな高揚感の中に、ほんの少しの優越感が混じっていることに気づき、思わず戸惑う。
ー私だけが、選ばれたんだ...。
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第3話:インスタ映えしない読モは排除?美女集団が作り上げた、無慈悲なルール
「ねぇ、あおいさん。急なんだけど、良ければ明日私達とランチしない?」
確かに明日は何の予定もないが、なぜ急にG3のメンバーにランチに誘われたのか、わからない。しかも、なぜだか妙に断り辛い雰囲気だ。
流されるままあおいが頷くと、景子は満足げに微笑む。LINEを交換すると、彼女達は「じゃ、明日ね」と言って自席に戻って行った。
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第4話:「彼、素敵な人よ」自分のデート相手を勧める女。その余裕の影に潜む、毒々しい策略の気配
「木下さんって、景子さんと仲良かったのね!G3とお食事会に行くの?」
今までは自分に見向きもしなかった子達が、急に話しかけてくるなんて…。あおいは、改めてG3の凄さを思い知る。
だが、忘れないうちに金曜日の予定をスマホに入れようとしてハッとした。その日は優と映画を観に行く約束をしていたのだ。
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第5話:アッパーインフルエンサーの“タグ付け”で世界が変わった女。甘い汁を吸った、その代償とは
「やっぱり、斎藤さんとお食事に行くのはやめた方がいいかな…。」
だが、先週の食事会で出会った斎藤からは、連絡がひっきり無しに来ている。景子が斎藤を気に入っているという意味深なリナからの密告は気がかりだが、斎藤が自分に好意を持っているのは明白だ。
それに彼の甘い笑顔を思い出すと、どうしても食事の誘いを断ることなど出来なかった。
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第6話:フォロワーを金で買う女を一瞬で見抜く方法。自己顕示欲に溺れる“カリスマ読モ”の本性
不思議なことに、あおいは25年間慣れ親しんだ性格ではなく、今の強気な性格をより「本来の自分」だと感じている。そんなことを考えていると、編集部から電話が入った。
「GLORY編集部の大沢です。ちょっと折り入ってお話がしたくて、ご連絡いたしました。」
普段はあまり接点のない副編集長からの着信に戸惑ったが、結局ランチをしながら話をすることになった。
第6話の続きはこちら
第7話:”真面目なイイ子”じゃ、女の闘いに勝てない。策略に溺れた女の犯した致命的なミス
手の抜きどころと掛けどころを見極め余力を残すことを覚えたため、職場での評価も高い。同期の中でも、一番先にスタッフからシニアスタッフに昇格するのはあおいだと噂する声があるほどだ。
だが、会社で順調に出世するだけではまだまだ足りない。
どこまでも、行けるところまで登り詰めたくなっていた。
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第8話:女の最高級アクセサリーは”女友だち”。野心家インフルエンサーの、歪んだ成り上がり術
自分は、会計士としてキャリアアップしながら、読者モデルとしても成功したい。美しさと知性を両方を兼ね備え、最高の男性と結婚し、極上の幸せを手に入れたい。
そう思うのは、悪いことではないはずだ。だが、そうした理想の姿に自分を近づけようとすればするほど、かつての友人とは会話が噛み合わなくなってゆく。
そんな寂しさを払拭するように、あおいはある行動に出た。
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第9話:欲望の蟻地獄にハマった女。“あの女”に勝っても、圧倒的な敗北感に苦しむ理由
ー私が勝ったことを、景子はどう思うだろう?
結局、デートの間中景子のことが気になって仕方がなく、スマホで彼女のインスタ投稿画面をチェックしてしまう。
罪悪感と優越感が、交互に訪れる。そんな不安定な気持ちが、表情や態度にも出てしまっていたのだろうか。いつもは穏やかなはずの隆文が、不機嫌そうに顔をしかめている。だが、気づいた時には遅かった。
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第10話:ライバルの蹴落としは“SNS”で。性悪女が堂々と胸を張る、インフルエンサーの闘いの全貌
全てを打ち明けてしまいたい。そして、謝りたい。
だが、以前のような笑顔を見せてくれるようになった景子に、また嫌われてしまうのが怖かった。せっかくこうして普通に会えるようになった関係を、もう壊したくないー。
あおいは、喉まで出かかった謝罪の言葉を飲み込んだ。しかし、この時の決断が大きなミスだったとわかるのは、もう少し後のことである。
第10話の続きはこちら
第11話:才色兼備の"カリスマ読モ"から一転、田舎帰省にまで追い込まれた女。SNS風評被害の脅威とは
真奈美からの報告を受けてチェックすると、景子の本のAmazonのレビュー欄は荒れに荒れていた。そんな異常とも言える景子叩きの風潮に、他の読者モデル達が気づかないワケがない。
彼女達を中心に、それが「あおいの仕業ではないか」という噂がまことしやかに流れていることも、耳に入ってきている。内密な話だからと別室の会議室に移動した途端、普段あまり話すことのない編集長が口を開いた。
「今日、なぜ木下さんをお呼びしたのかお分かりですか?」
第11話の続きはこちら
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