東京マテリアル・ガールズ Vol.2

東京マテリアル・ガールズ:ダサい女友達は恥ずかしい?“読モ”デビューした女を蝕む選民意識

女同士の闘いなんて、くだらない?

美貌・財力・センスのすべてを手に入れた女たちが繰り広げる、ヒエラルキー争い。

男からは求められ、女からは妬まれ、そして羨望の的となるカリスマ読者モデルの世界。

己の自己顕示欲を隠すことなく曝け出す彼女たちは、時に結託し、時に競い合う。

くだらない、と思うならどうか覗かないで欲しい。

優雅で美しくも、水面下で死にもの狂いで闘う、女たちの醜い生き様をー。

宮崎県出身のあおいは、大手監査法人で順風満帆な社会人生活をスタートさせるが、「よく見たら可愛いよね」とおだてられ、人気雑誌の読者モデルに応募する。


素朴女に突如芽生えた、優越感


監査調書の作成に追われていたあおいのスマホに、見慣れない固定電話から着信があった。

警戒心を感じつつ応答すると、ひどくハスキーな女の声が響く。

「私、明文社 GLORY編集部の高田と申します。」

一瞬頭が混乱したが、すぐに記憶を手繰り寄せた。一週間前にファッション誌の「読者モデル」に応募していたことを思い出す。

急いで席を立ち、目立たないよう廊下に出た。電話がきたということは、読者モデルに「合格」したということだろうか。

「選考の結果、木下さんに撮影にいらしていただきたく連絡を差し上げました。日程は少し急で4日後なんですが、弊社のスタジオで…」

編集部の高田と名乗る女性は、戸惑うあおいなどお構いなしに一方的に撮影の概要を告げた。急いで自席に戻り、メモを取る。

「あおいさんどうしたんですか、ボーッとして。」

どうやら相当驚いた顔をしていたらしい。

自分でも信じられないのだけど、と、昼休みにいつものランチメンバーに『GROLY』の撮影に呼ばれたことを打ち明けた。読者モデルというものに選ばれたことが、単純に嬉しかった。

他のメンバーにはまだ連絡が来ていないらしい。そのうちの1人は明らさまにに驚愕した様子で、「どうしてこの人が」と顔に書いてあるようだ。

その表情を見て、あおいは自分のシンプルな高揚感の中に、ほんの少しの優越感が混じっていることに気づき、思わず戸惑う。

ー私だけが、選ばれたんだ...。

しかしそんな優越感は、「撮影に来ていく服がない」という悩みですぐに掻き消された。

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