東京マテリアル・ガールズ Vol.11

才色兼備の"カリスマ読モ"から一転、田舎帰省にまで追い込まれた女。SNS風評被害の脅威とは

女同士の闘いなんて、くだらない?

美貌・財力・センスのすべてを手に入れた女たちが繰り広げる、ヒエラルキー争い。

男からは求められ、女からは妬まれ、そして羨望の的となるカリスマ読者モデルの世界。

己の自己顕示欲を隠すことなく曝け出す彼女たちは、時に結託し、時に競い合う。

くだらない、と思うならどうか覗かないで欲しい。

優雅で美しくも、水面下で死にもの狂いで闘う、女たちの醜い生き様をー。

会計士として働くあおいは、女性ファッション誌『GLORY』の読者モデルとなり、その地位を確立していく。

そして、ライバルの景子がフォロワーを購入している件を告げ口してスタイルブック発売の座を手に入れるが、本の売上げ低迷を気にした読モ仲間の一人が、卑劣な行動を起こす。


「木下さん。お話があります。」

副編集長の大沢から折り入って話がある、と呼び出された時に感じたイヤな予感が的中した。

編集部に向かうと、編集長が珍しくデスクに座り真剣な表情をしている。大沢にも笑顔はなかった。

ーもしかして。

2週間ほど前に、広告代理店勤務の真奈美が、後輩を使いSNSで景子のスタイルブックの売り上げを妨害するような噂を流し始めた。

どんな手を使ったのかは知らないが...その結果は、目を覆いたくなるようなものだったのだ。

景子のInstagramには普段の倍量のアンチコメントが押し寄せ、twitterには景子の写りの悪い画像が 「#フォロワー購入!エセインフルエンサー 」というハッシュタグで流布されている。

真奈美からの報告を受けてチェックすると、景子の本のAmazonのレビュー欄は荒れに荒れていた。そんな異常とも言える景子叩きの風潮に、他の読者モデル達が気づかないワケがない。

彼女達を中心に、それが「あおいの仕業ではないか」という噂がまことしやかに流れていることも、耳に入ってきている。

内密な話だからと別室の会議室に移動した途端、普段あまり話すことのない編集長が口を開いた。

「今日、なぜ木下さんをお呼びしたのかお分かりですか?」

【東京マテリアル・ガールズ】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo