婚活は、ワインスクールで Vol.15

いよいよ明日で最終話!「婚活は、ワインスクールで」全話総集編

やみくもに婚活に励むのは、もう終わり。

ある強かな女たちは、婚活の場をワインスクールへ移した。

スクールに通うほどワインが好きな男は、高い年収を稼ぎ、洗練されたライフスタイルを送っている者が多いはずだ。

ワインの知識を深めながら、虎視眈々と男性を見定める女たち。

果たして、その思惑は実るのだろうか?

「婚活は、ワインスクールで」一挙に全話おさらい!

第1話:30歳の女が、2段飛ばしで上質な男と出会う場所はココだった

「フランス系の化粧品会社に勤めております。会社関係のパーティーや本社スタッフの接待などでワインを飲む機会が多く、興味を持ちました。」

それらしい入学理由を述べたが、美咲がワインスクールへの入学を決意した本当の理由、それは何を隠そう、婚活のためだった。もちろん、ワインスクールというのは純粋にワインを学ぶ場所であり、結婚や出会いのための場所ではない。そんなことは美咲だってわかっている。

しかし、美咲が、婚活の舞台としてここを選んだのは、会社の先輩・麗子の一言がきっかけだった。

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第2話:既婚女性は一枚上手。一流の男たちを捉えて離さない、26歳人妻の実力

「美咲さんは外資系の会社で働いてらっしゃるんですよね?英語もお上手なんですか?フランス系ってことはもしかしてフランス語も?」

飲食店経営者が、美咲に興味津々といった様子で質問を浴びせてくる。弁護士も隣で美咲を見つめて真剣に話を聞いている。

「ええ、そうなんです、私は…」
「お隣、失礼しまぁす。」

答えようとした美咲を遮って、突然芹那が現れた。

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第3話:女性よりワインが大事?フレンチでワイン選びに30分かけた男たちに、女はドン引き

「みんな元気だなあ。明日も早朝から仕事だから、僕は失礼させてもらったよ。」

—へえ、雅彦さんは芹那たちと飲みに行かないんだ…。

意外にも芹那の毒牙にかからない雅彦のことを、美咲は少しだけ見直した。表参道の駅までたわいもない話をしていると、ふいに雅彦が提案した。

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第4話:負けてないのに負けてる感。予約の取れない店も、男を使って楽々入る無邪気な女

食事の後も、雅彦からの熱心なLINEの勢いが衰えることはなかった。あの手この手で美咲を誘おうとしてくる。

ああ、これが気になる相手からだったらどんなに嬉しいことだろうか。しかし興味のない男には押されれば押されるほど、全力で逃げたくなってしまう。

毎週クラスで顔をあわせる相手を既読スルーし続けるわけにもいかないので、美咲は悩み抜いた挙句、雅彦に一本のLINEを返した。

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第5話:医師、しかも甘いマスク。結婚相手に最適の男と、運命を感じずにはいられない偶然の再会

集団から少し距離を置き、店内のバーカウンターにぽつんと腰掛けている男性に、真千子が気づいた。その男のことは、授業で1度か2度見かけたことはあったが、毎回いるわけではなく、クラス会にも来たことがない。

視線に気づいた彼は、整った顔に微笑を浮かべ、軽い会釈をしてきた。慌てて美咲も頭をさげると、彼は赤ワインの入ったグラスを片手に、二人の元へゆっくりと歩いてきた。

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第6話:ナポレオンも真っ青?寝てない自慢の医者。それでも、彼のSNSパトロールはやめられない

研二のページでひたすらスクロールを続け、親しげなコメントを寄せている女性がいれば随分前の投稿でも、何者なのかくまなくチェックせずにはいられない。この人は怪しい、この人は大丈夫そうと勝手に振り分けながらしばらく見続けた。

—はあ。日曜日、何を着て行こうかしら…。

ひと段落つくとデートのことに頭を切り替え、天井を見つめたままぼんやりと自分のワードローブを思い返すのだった。

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第7話:夢見ごこちな食事会の締めは、会費の徴収。1人2万円の食事代を請求された女たちの悲劇

シャンパンと赤白それぞれのワインを楽しみ、酔いも手伝って美咲も真千子もいつのまにか上機嫌だ。

デザートとコーヒーまで堪能し、そろそろお開きかという頃合いに、店のオーナーがうやうやしく研二に伝票を差し出した。研二は顎に手を当て、じっくり考え込むように伝票を眺めている。そして口を開いた。

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第8話:慶應幼稚舎vs東大卒の学歴争い。1人の女をめぐる、男同士の熾烈なマウンティングの実態

美咲がワインスクールに到着すると、教室にはいつもとは異なる妙な雰囲気が漂っていた。普段なら、授業開始前は芹那をぐるりと取り囲む男たちも、今日は各々席についており、なんだかよそよそしい気がする。

美咲の到着に気づいた真千子が近づいてきて、そっと耳打ちした。

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第9話:「30代には無理でしょ?」ドレスコード・ピンクは若さの特権と無言で語る20代女子

美咲は誰にも気づかれないようそっとため息をつく。1人の女の顔色を伺いながら、必死で競い合う男2人。

なんだか、この場から姿を消してしまいたいくらい惨めな気持ちになってくる。

—芹那が私をここに呼んだのって、これを見せつけるためだったのかな…。

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第10話:「どうして私だけ幸せになれないの?」親友の結婚を祝福できない女の、密かな胸の内

口の中に広がるワインの余韻を楽しみながら、和牛のステーキを堪能している美咲に向かって、真千子がタイミングを見計らったように切り出した。

「このたび、私、結婚することになったの」

真千子の口から突然飛び出した一言に、ナイフとフォークを動かす手が凍りつき、言葉の意味を理解するのに数秒を要した。

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第11話:誕生日に連絡もなく、プレゼントを買い与えるだけの夫。破綻した結婚生活を隠していた女

今日は本来、真千子がお祝いのランチをご馳走してくれる約束だったはず。すっかり結婚に浮かれた友人の薄情さには返す言葉も見つからず、がっくりと肩を落とした。

するとそのとき、別の新着メッセージが届いたことに気がついた。それは、思いがけず芹那からだ。

—美咲ちゃん、お誕生日おめでとう!!今日は何してるん?

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第12話:ワインバー経営者との秘密の特訓。普段は穏やかな彼の強い言葉に、乱れる女心

先生は、最終授業の翌週に学校全体での修了式があることを話してくれた。

「修了式では、ブラインドテイスティング大会を開催します。希望者は誰でも参加できるので、よかったらこのクラスからも誰か出場してみませんか?」

そう言って、クラス中をぐるりと見回す。美咲が思わず目を伏せると、隣で芹那が素早く手を挙げた。

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第13話:密室で触れ合う彼の手と私の手。「時間よ止まれ」と思わずにはいられなかった瞬間

テイスティング大会が実施される修了式は2週間後に迫っている。美咲は焦りに駆られ、根を詰めて特訓を繰り返しながら、すでに疲れを感じ始めていた。溜息をついた美咲を静かに見つめていた光一が、急に表情をぱっと明るくした。

「じゃあ、頑張ってる美咲さんへのご褒美に、たまには息抜きに食事に行きませんか」

—えっ…それってデートってこと…?

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第14話:「彼まで、あの子を選ぶの?」割れたワイングラスのように砕け散った恋心

—光一さんって、なんだかワイングラスみたい…。

高級で繊細なワイングラスがワインの魅力を最大限まで引き出してくれるように、光一は美咲の可能性をどんどん広げてくれる。そんなことを考えて、思わず顔がほころんだ。

授業の最後に、先生はそれぞれのワインと相性が良い料理を例にあげてくれた。

第14話の続きはこちら

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