婚活は、ワインスクールで Vol.12

ワインバー経営者との秘密の特訓。普段は穏やかな彼の強い言葉に、乱れる女心

やみくもに婚活に励むのは、もう終わり。

ある強かな女たちは、婚活の場をワインスクールへ移した。

スクールに通うほどワインが好きな男は、高い年収を稼ぎ、洗練されたライフスタイルを送っている者が多いはずだ。

ワインの知識を深めながら、虎視眈々と男性を見定める女たち。

果たして、その思惑は実るのだろうか?


婚活のため”表参道ワインアカデミー”へ入学した美咲。

研二との食事会での撃沈をきっかけに心を入れ替えたものの、真千子結婚報告を受け、焦りや寂しさと戦っていた。

そんな矢先に、スクールで知り合った芹那に秘められた孤独な本心を知るようになり、美咲は同情を寄せるのだった。


美咲は、ずらりと並ぶワイングラスとにらめっこをしていた。

今日もワインスクールで、ブラインドテイスティングの講義を受けている最中だ。

白ワインと赤ワインを3種ずつグラスに注ぎ、外観や香り、味わいのコメントをシートに書き込みながら、葡萄品種や産地の見当をつける。

今回は、同じ葡萄品種であっても産地によって特徴が異なることを学習した。たとえば代表的な白ワインの葡萄品種・シャルドネも、フランスとアメリカでは気候が違うため、果実味やアルコール度数が変わってくる。

美咲の隣では、芹那がガッツポーズを取っている。

「やったあ、また全問正解!」

そしてすかさず美咲のテイスティングシートを覗き込んだ。

「美咲ちゃんは?何問当たった?今日は簡単やったね」

「…そうだね」

品種も産地もことごとく外してしまった美咲は、テイスティングシートを両手でさりげなく覆いながら、笑ってごまかした。

授業の最後になると、先生が穏やかな口調で話し始めた。

「みなさん、初級コースもあと一ヶ月で終わりですね」

—そっか…このコースももうすぐ終わりなのね。

美咲はしんみりとした気持ちに浸りながら、話に耳を傾けた。

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