学歴カレンダー Vol.11

学歴カレンダー:同志社卒・こじらせ系モテ男。彼との時間は1人でいるより孤独を感じた。

神奈川県の公立高校から、慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、丸の内の大手人材会社に勤める絵理奈(29)。周りの友人たちは“恋愛対象になるのは最低でも早慶レベル"と口を揃え、様々な学歴の男とのデートを試みる。

今までデートしたのは早稲田卒の浩哉東大卒の宏太日大卒の啓介。日大卒の啓介に心惹かれたが、明治大卒の元彼・哲也に似ている彼の好意を受け入れられない。その後も理科大卒の聡青学出身の孝太郎と順調に出会いを重ねるものの、彼らの強烈な個性にたじろいでしまう。

昔想いを寄せていた同期である立教出身の和樹の結婚を見送り、次に出会った42歳の「元」慶應ボーイ・芹沢コスパ重視の一橋卒・淳一郎の恋に破れた絵理奈。東工大卒の穏やかな彼、健二と付き合うがすれ違いが原因で別れてしまい、出会った相手は……?


20代での結婚はない。その現実を受け入れた時に出会った、友だちとも恋人とも言えない関係の男


土曜日の朝、代々木上原にある『NODE』で朝食をとる。自然光が贅沢に差し込むこの店で、大好きなパンオショコラとカフェオレをゆっくり食べるのが最近のお気に入りだ。

彼氏ができたと喜んだのもつかの間、東工大卒の彼・健二と別れたあと、また1人寂しい休日に戻った。

しかし今は焦る気持ちがない。無理して出会いを求めて彼氏を作るくらいなら、こうして1人気ままに過ごす方が気楽だ。

できれば30歳前に結婚したいと思っていた。しかし、もう29歳。ここからよほどのスピード婚でもしなければその願いは叶いそうにない。その決定的な事実が自分を落ち着かせているのだろう。

そんな状況の今、友だちとも恋人とも言えない関係の男性がいた。

出会いのきっかけは高校時代の友達である慎太郎と美和子と飲んでいた時だった。美和子と慎太郎とは高1の時に同じクラスになって以来、卒業後も度々3人で会っていた。京大に入りそのまま京都のメーカーに就職した慎太郎は、大学時代から付き合っていた彼女との結婚が決まり、来月京都で挙式の予定だ。

慎太郎が、幸せのお裾分けにいい男を紹介しよう、とその場に呼び出したのが裕太という広告代理店勤務の男だった。大阪出身で同志社大学卒、同い年の29歳。

彼は笑うと目尻が大きく下がり、子犬のような愛嬌のある顔立ちをしていた。関西人らしくよく喋り、人にまったく警戒心を与えない印象ですぐにその場に打ち解けた。

関西出身の男とこんなに喋ったのは初めてだった。美和子と絵理奈は、同志社が京都にあることも関西ではトップの私大だということも知らなかったので、彼は少し不服そうだった。

一人の夜が耐えられないと感じていた金曜の夜、麻布十番での初デート


出会いから1ヶ月ほど経ったある日、麻布十番の『右京』に誘われた。東京でのナイトライフを満喫している彼は麻布十番が大好きで、商店街からすぐ近くの七面坂沿いのマンションに最近引っ越したらしい。

彼は関西人らしくよく喋った。自分の生い立ちから仕事の話まで、テンポよく飽きさせない話術はさすがだった。茶髪でやや長髪の髪型は東京出身の洗練された男性と比べると垢抜けないが、そんな風貌もお調子者の彼のキャラクターにぴったりだ。

締めにトリュフ卵かけ御飯を食べ、気づけば時刻は深夜2時を回っていた。すっかり酔いも回り、警戒心も解けている。店を出た後、深夜の麻布十番商店街を当てもなく散歩する。すると彼は突然肩を抱き寄せ、耳元で囁いた。

「俺んとこ、こーへん?」

独り身の金曜日。週末の予定は何もない。今日は誰かのそばにいたかった。その誘いにこくりと頷き彼の家に向かった。

その後2週間に1回あるかないかのペースで会うようになった。大抵は金曜日の夜に麻布十番で食事をして彼の家に向かう。そして明け方、寝ている彼を起こさずにそっと帰る。帰った後も連絡はしなかった。

週末に会うことはなかったし、彼女がいるかも知りたいとは思わなかった。友だちに言えるようなステディな関係ではないが、深入りしないこの関係を居心地よく感じていた。

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