学歴カレンダー Vol.9

学歴カレンダー:一橋卒の銀行員“淳一郎”、淡い恋心を砕くコスパ重視の彼のこだわり

神奈川県の公立高校から、慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、丸の内の大手人材会社に勤める絵理奈(29)。周りの友人たちは“恋愛対象になるのは最低でも早慶レベル"と口を揃え、様々な学歴の男とのデートを試みる。

今までデートしたのは早稲田卒の浩哉東大卒の宏太日大卒の啓介。日大卒の啓介に心惹かれたが、元彼・哲也に似ている彼の好意を受け入れられない。

その後も理科大卒の聡青学出身の孝太郎と順調に出会いを重ねるものの、彼らの強烈な個性にたじろいでしまう。

そんななか、今日は昔想いを寄せていた同期である立教出身の和樹の結婚を見送り、次に出会った42歳の「元」慶應ボーイ・芹沢との恋に破れた絵理奈が決心したこととは……?


自分の実力値の最高の男とは……?


28歳で元彼・哲也と別れてから早1年。哲也と10年近く付き合っていたので、付き合った男性の数は多くない。フリーになった今、できるだけ多くの男性とデートしてその中で1番いい男と付き合いたい。それが本音だ。最近仲間内で話題のサエコという女が言っていたセリフが頭から離れない。

「女性は、持って生まれたポテンシャルの幅があってね、その実力値の限りなく最高の男でぴたりと止めて、全てをツモれる女こそが、真の賢い女なのよ。」

自分の実力値の最高の男。果たしてそれを見極めることができるのだろうか。哲也のような中堅企業に勤める男の稼ぎでは自分の求める生活レベルは期待できない。かと言って外資系企業に勤める芹沢のような遊び方を知っている男にも不安を覚える。

自分は“真の賢い女”になれるのだろうか。

一橋出身、黒い額縁のメガネにグレーのスーツを着た地味な男


そんなことを考えていたある日、高校時代の友人・美和子に誘われた集まりに興味を惹かれる男がいた。男の名前は淳一郎、30歳。一橋出身で大手メガバンクに勤めるサラリーマンだ。

友達が多い彼女が企画する集まりには毎回多くの男女が参加するが、彼はその中で少し浮いた存在だった。黒い額縁のメガネに地味なグレーのスーツ、知らない人に彼の職業を聞いたら十中八九銀行マンと答えるだろう。

思わず美和子に耳打ちすると、友達の紹介で1回食事をしたらその後行きつけの店で偶然会ったらしい。気のいい美和子はこうした集まりに何度か彼を誘っているようだ。

モテる女は聞き上手だとよく言うが、受け身の女性はまずモテない。本当にモテる女はツッコミ上手だ。美和子はそのお手本のような女で、地味な彼にうまくツッコミを入れながら皆の中に溶け込ませている。堅い雰囲気の彼も柔らかな笑みを浮かべており、その集まりはアットホームで心地の良いものだった。

見た目は冴えないが、話してみると彼の興味の幅の広さに驚いた。経済の話から最近のアイドルの傾向まで、どんな話題でも自分なりの見解を交えてユーモラスに話すので思わず聞き入ってしまう。気づけば華やかな男女が集まる食事会の中で、1番笑いを取っていた。

少し地味ではあるが、理科大卒の聡のようにこうした男の方が結婚には向いているのかもしれない。そんな考えがふと頭によぎった。

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