学歴カレンダー Vol.10

学歴カレンダー:東工大卒の彼には理解し難い、ロジックを超えた想定外の女心

神奈川県の公立高校から、慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、丸の内の大手人材会社に勤める絵理奈(29)。周りの友人たちは“恋愛対象になるのは最低でも早慶レベル"と口を揃え、様々な学歴の男とのデートを試みる。

今までデートしたのは早稲田卒の浩哉東大卒の宏太日大卒の啓介。日大卒の啓介に心惹かれたが、明治大卒の元彼・哲也に似ている彼の好意を受け入れられない。

その後も理科大卒の聡青学出身の孝太郎と順調に出会いを重ねるものの、彼らの強烈な個性にたじろいでしまう。

昔想いを寄せていた同期である立教出身の和樹の結婚を見送り、次に出会った42歳の「元」慶應ボーイ・芹沢コスパ重視の一橋卒・淳一郎の恋に破れた絵理奈についにステディな相手が見つかる……?


東京の恋愛市場において考える自分の価値。残されたカードはゼロに近いのか?


明治大卒の元彼・哲也と別れてから、もう何人の男性とデートしたのだろう。趣味が悪いと分かっていても、思わず両手を広げて数を数えてしまう。

スペックが最高でもデートは最悪だったり、逆にデートは良くてもスペックがイマイチだったり。哲也と付き合っていた年数が長かったため、東京の恋愛市場の厳しさを知らないまま30歳手前になってしまった。自分に残されたカードは限りなくゼロに近いのかもしれない。そんな焦りを感じていたある日、高校時代の同窓会である男性に出会った。

彼の名は健二、蒲田在住。東工大出身で、品川に本社のある大手電機メーカーに勤めている。

絵理奈の通っていた高校では男性の約7割が理系で、その中でも彼は抜群の成績だった。授業中どんなに寝ていても成績は常にトップ、数学のテストでは公式を知らない問題でも解答の途中でその公式に気づく、など彼の逸話はよく耳にしていた。

しかし、サイン・コサイン・タンジェントさえ怪しい絵理奈にとって彼は遠い存在だった。高校時代ラグビー部だった健二は丸刈りで常にチェックのシャツにジーパン、リュックサックを背負っていた。(制服がない高校だった。)”THE理系”の彼は抜群の成績で皆から尊敬を集めていたが、恋愛対象として意識する存在ではなかった。

3回目のデートでの告白、初めて手を握った瞬間に確信した恋の始まり


そんな彼と同窓会で10年ぶりに会い、思いの外話が盛り上がった。高校時代は冴えなかった彼も社会人になり大分垢抜けていた。理科大卒の聡とのデートで理系男子には懲りたはずが、温厚で真面目な健二の人柄に徐々に惹かれていった。

派手さはないが実直で優しい彼は、いろんな男性との恋愛に疲れていた絵理奈の心を優しく包んでくれた。連絡先を交換した後デートを重ね、3回目のデートで交際を申し込まれた。告白された場所は品川埠頭の近くにある公園だった。OKの返事をすると、彼はぎゅっと手を握りしめてきた。

ドリカムの「うれしい! たのしい! 大好き!」の1フレーズが脳内で流れる。

“初めて手をつないでから その後すぐに私の右手 スーパーでスペシャルになったもの”

つないだ手が「スーパーでスペシャル」になる、その感覚が絵理奈の恋の始まりだった。

今まで、ティッシュのように使い捨てる恋愛を繰り返してきたが、こんなに真面目で穏やかな人との恋愛が待っていたんだ、しみじみと喜びを噛み締めた。

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