5.2%の憂鬱〜妻からの挑戦状〜 Vol.12

妻に自分の収入を超された時、夫は…?「5.2%の憂鬱〜妻からの挑戦状〜」全話総集編

5.2%―。それは、日本国内で“妻の方が稼ぐ”世帯の割合。

「妻には、仕事を頑張ってもっと輝いてほしい」

笑顔でそう言いながら腹の底では妻を格下に見て、本人も自覚せぬまま「俺の方が稼いでいる」というプライドを捨てきれない男は少なくない。

そんな男が、気づかぬうちに“5.2%側 ” になっていたら…?

男のプライドが脅かされ、自らの存在意義を探し始めたとき、夫はどんな決断をするのだろうか。

「5.2%の憂鬱〜妻からの挑戦状〜」一挙に全話おさらい!

第1話:自宅から徒歩15分のホテルに泊まる妻。夫の存在を無視して、女がしていたこと

「ねえ伊織、相談があるんだけど…。あ、そうだった」

伊織に相談しようと呼びかけた新太(あらた)は、途中で止めた。彼女は昨日、仕事に集中したいと言って出て行ってから、まだ帰宅していない。

時刻は20時。今夜はどうするつもりなのだろうか。振り返れば、伊織はこの1ヶ月もの間「副業の方が忙しいから」と、ホテルに泊まってばかりいる。

副業を始めた当初は、仕事をがんばりたいという彼女の意向を汲んでいたが、最近はさすがに度を越えている気がするのだ。

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第2話:高級ホテルで一体何をしている…?夫が言葉を失った、妻の異常な行動履歴

「その“アカウントが同じだから安心”っていうのは甘いですね。ダミーとして、安いビジネスホテルをそのアカウントで予約してるかもしれないじゃないですか」

食後のコーヒーをグイと飲み干した三上は、新太をまっすぐ見つめ、なおも責め立ててくる。

「奥さんが本当にそのホテルに泊まってるかどうかなんて、新太さん知らないですよね?」

自分が全く考えてもいなかった切り口に、新太は閉口せざるを得なかった。そして三上は、こうも言ったのだ。

「浮気をしても罪悪感がないのは女の方らしいですよ」

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第3話:「妻は何か隠している…」帰宅しない妻を見張っていた夫が、目にしてしまった光景

自分が見た伊織と、エマが見た伊織の様子があまりにも違いすぎて、新太の頭は混乱する。するとエマは、新太の混乱を察したのか、こう尋ねてきた。

「何かあったんでしょ?」

新太はエマに、最近の伊織が外泊続きで体調が悪そうなこと。後輩・三上に浮気の可能性があると指摘されて否定出来ないことなどを、洗いざらい話した。

「なるほど、それで不安になったわけね。まあ、三上くんの言うことも一理あるかもね」

再びワインを口にしたエマは、新太の予想を裏切る提案をしてきたのだ。

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第4話:結婚生活が息苦しい。妻が出て行くキッカケとなった、夫には内緒の出来事

うっかりしていた。スマホの電源を落とすのを忘れていたのだ。この時間に電話をかけてくるのは、どうせ新太しかいないだろう。

―もう、邪魔しないでよ。

心の中でチッと舌打ちする。伊織の中では、カウントダウンは始まっているというのに。

妻に鬱陶しいと思われていることも知らずに、まだコントロールしようとしてくるなんて、鈍感にもほどがある。まったく、おめでたい人間だ。そう、始まっているのだ。離婚へのカウントダウンは。

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第5話:久々に顔を合わせた妻が、そんなことを言うなんて…。夫を凍り付かせた悲しすぎる事実

「今日もホテルに戻りたいから、手短に話すね」

そう言うと伊織はバッグから何やらゴソゴソと書類を取り出し、テーブルに並べ始めた。一方の新太は、予期せぬ展開に理解が追い付かない。

そんな新太を気にするそぶりもなく、伊織は書類の1枚を手に取って説明を始めた。

「仕事でも副業でもうまくいってるからね、独立を視野に入れてるの」

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第6話:「俺の稼ぎがないと暮らせないと思ってた」格下だと思っていた妻に、裏切られた男の悲哀

「さっき説明した通りよ。五味さんが仕事のパートナーで、一緒に独立を考えているの。副業も手伝ってもらってるし、とても理解のあるパートナーよ。誰かさんと違って」

彼女の物言いのひとつひとつが、新太の神経を逆撫でする。伊織はいつからこんなに生意気な態度を取るようになったのだろうか。

「へえ、あの失敗率100%保証のビジネスプランですか」

嫌味を言われた新太は、嫌味で返してやった。ちょっと仕事で成功したからって、いい気になっている彼女のプライドなんかへし折ってやるのだ。その時突然、伊織が席を立った。

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第7話:「1年も前から…?」夫婦関係を修復しようとする夫が絶句した、妻の恐ろしい計画

新太はぼんやりと考えながら、伊織が制作したwebページを見つめた。すると“セミナー“の文字が目に入ってくる。

―伊織がどんな活動をしているのかを知れば、停滞した夫婦関係もどうにかなるかもしれない。

好奇心も手伝って、新太は「セミナーに参加してみようか」という気になってくる。そんな気持ちを見透かしたかのように、エマがニヤリと提案してきた。

「伊織がどんなセミナーをやっているのか、気にならない?」

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第8話:ホテルの一室でパソコンに向かっていたら…?突如、画面越しに現れた恐怖の相手

仕事も軌道に乗っている今、副業も頑張って新太を見返そう。離婚したいという気持ちが、これほどまでに原動力になるなんて、自分でも思ってもみなかった。

心が決まっているならさっさと別れたら良いという意見も聞くが、何事にも準備が必要だ。

そんなことをセミナーで話し「webデザイナーなどは在宅や副業も出来るので悪くない」と勧めようとした時だった。

顔を真っ赤にした新太が、画面越しに現れたのは。

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第9話:妻を格下に見ていたはずの、モラハラ夫が…。いきなり優しくなった恐ろしすぎる理由

新太は今、本業も副業も忙しい。今後の出世もかかっているタイミングで、離婚なんかに時間も体力も奪われるのはごめんだ。

だったら、仮面夫婦の方がマシ。別居でも何でも良いから、当面は仮面夫婦を続けようではないか。それに、この提案は伊織にとっても悪くないはずだ。

「伊織の仕事に水を差すようなことはしたくない。離婚のゴタゴタに割く時間があったら、仕事を頑張ってほしいんだ」

そうアピールしたら彼女の心が動くのではないか。この手でいこうと、新太はシナリオを作り始めた。

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第10話:プライドの高いエリート夫を打ちのめした、妻の日記。そこに記されていたのは…?

『色々考えたけど、やっぱり離婚してください』

彼にメッセージを送ったのは、3日前。仮面夫婦を提案されたことで少しだけ心が動いたが、以前書いた日記を見返していたら決心がついたのだ。それは、1年前に参加した離活セミナーでのこと。

「夫と離婚したいと思ったきっかけは何ですか?」

初めに尋ねられたときにびっしりと書き出した、自分の気持ち。そこに答えが載っていたのだから。

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第11話:離婚目前の夫婦。妻に離婚を突き付けられた夫の、最後の賭け

先日はインタビューでも取り上げてもらい、社内での評価も上々。ありがたいことに仕事も副業も忙しく、経済的にもゆとりがある。一人暮らしなら、それなりのエリアに住めそうだ。

新太に引け目や申し訳さを感じずに堂々と仕事も打ち込める生活が待っている。伊織は心躍らせていた。封筒を開けると、1枚の便箋が入っていた。

『自分の何気ない一言が、伊織を苦しめていたなんて気付いてもいなかった』

その文章で始まる達筆な字で書かれた手紙に、伊織は固まった。

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