5.2%―。それは、日本国内で“妻の方が稼ぐ”世帯の割合。
「妻には、仕事を頑張ってもっと輝いてほしい」
笑顔でそう言いながら腹の底では妻を格下に見て、本人も自覚せぬまま「俺の方が稼いでいる」というプライドを捨てきれない男は少なくない。
そんな男が、気づかぬうちに“5.2%側”になっていたら…?
男のプライドが脅かされ、自らの存在意義を探し始めたとき、夫はどんな決断をするのだろうか。
◆これまでのあらすじ
妻の伊織が書き残していた日記。離婚は“彼女の言いがかり”だと思っていた新太だが、実は自分に非があると知ってしまい…?
▶前回:プライドの高いエリート夫を打ちのめした、妻の日記。そこに記されていたのは…?
「なに?これ…」
伊織は、リビングテーブルに置かれた一通の封筒に目を止めた。
白地に薄ピンク色の桜が並んだ、少し季節外れとも言える封筒。近くの文具店で安売りしていたものでも買ってきたのだろうか。
表には「伊織へ」と書いてある。その傍らには、先日渡したあの日記が置......
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