5.2%の憂鬱〜妻からの挑戦状〜 Vol.10

プライドの高いエリート夫を打ちのめした、妻の日記。そこに記されていたのは…?

5.2%―。それは、日本国内で“妻の方が稼ぐ”世帯の割合。

「妻には、仕事を頑張ってもっと輝いてほしい」

笑顔でそう言いながら腹の底では妻を格下に見て、本人も自覚せぬまま「俺の方が稼いでいる」というプライドを捨てきれない男は少なくない。

そんな男が、気づかぬうちに“5.2%側”になっていたら…?

男のプライドが脅かされ、自らの存在意義を探し始めたとき、夫はどんな決断をするのだろうか。

◆これまでのあらすじ

どうにか離婚を回避しようと、姑息な手段で妻を説得する新太(あらた)。そんな夫の申し出に、頭を悩ませる伊織だったが…?

▶前回:妻を格下に見ていたはずの、モラハラ夫が…。いきなり優しくなった恐ろしすぎる理由


「新太、相当参ってるみたいだけど…。本当に離婚するつもりなの?」

「…うん」

ホテルのベッドに寝転がりながら友人・エマと電話をしていた伊織は、彼女の言葉に力強くうなずいた。

元々新太のことを紹介してくれたのは彼女だ。別れることになったらきちんと報告しようと思っていたが、どうやら夫の方から、すでに相談がいっているらしい。

「あんなに動揺してるの、初めて見たよ。いつも理路整然とクールに話すのに、オロオロしちゃってさ。何があったか知らないけど、ねえ本当に後悔しない?」

―新太、オロオロしてたんだ。

彼女の言葉に、伊織は小さな喜びを覚える。ようやく夫の感情を揺さぶることができたのだと。

『色々考えたけど、やっぱり離婚してください』

彼にメッセージを送ったのは、3日前。仮面夫婦を提案されたことで少しだけ心が動いたが、以前書いた日記を見返していたら決心がついたのだ。

それは、1年前に参加した離活セミナーでのこと。

「夫と離婚したいと思ったきっかけは何ですか?」

初めに尋ねられたときにびっしりと書き出した、自分の気持ち。そこに答えが載っていたのだから。

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