夫婦リボーン Vol.14

数々の試練を乗り越え、夫婦が見つけた答えはまさかの…?「夫婦リボーン」全話総集編

今年、私たちの生活は大きく変わった。

“ニューノーマル”な、価値観や行動様式が求められ、在宅勤務が一気に加速した。

夫婦で在宅勤務を経験した人も多いだろう。

メガバンクに勤務する千夏(31歳)もその一人。最初は大好きな夫・雅人との在宅勤務を喜んでいたのだが、次第にその思いは薄れ、いつしか夫婦はすれ違いはじめ…?

2020年、夫婦の在り方を、再考せよ。

「夫婦リボーン」一挙に全話おさらい!

第1話:銀座在住、世帯年収2,200万。最強DINKSを襲った、在宅勤務の悲劇

ミーティング後。千夏が、夫・雅人に、“明日から在宅勤務になった”と、LINEで報告すると、珍しくすぐに返信があった。

“俺も”

どうやら彼も在宅勤務になったらしい。雅人の返信に、千夏の頰が緩む。

−久しぶりに夫婦2人の時間が増えて良いかも。ちょっと嬉しい!

大好きな夫と過ごす時間が増えることに心躍らせていたのだ。これが嵐の前の静けさだなんて、露ほども知らずに。

第1話の続きはこちら

第2話:「仕事場がない…」1LDKで夫婦在宅勤務の悲劇。妻が向かった先とは?

普段、仕事中に音楽を聴くことはないし、むしろ静かな環境の方が集中出来るのだが、今日ばかりは音楽でも聴いていないと気が狂いそうだった。

テーブルの向かいで、雅人がウェブ会議をしているのだ。早口でカタカナ用語を連発する彼の喋り方はかなり耳障りで、千夏の神経を刺激する。

−気にしない、気にしない。

そう自分に言い聞かせながらパソコンに向かうが、気にしないと思えば思うほど、ますます気になってしまう。どこか良い逃げ場はないだろうか。そんなことを考えていた千夏の脳裏に、ある場所が過ぎった。

第2話の続きはこちら

第3話:在宅勤務で昼食の悲劇。セレブ妻が知ってしまった完璧な夫の本性とは?

「私、もう限界。こんな家、出て行きたい!」

テレビ電話をかけた千夏は、葉月の第一声と、画面越しに映る彼女の姿にぎょっとした。

いつも綺麗に手入れされたツヤツヤの髪はボサボサで、目の下はマスカラが落ちたのか真っ黒だ。画面越しでも分かるほどに、肌も荒れていた。普段とは違う彼女の姿に、千夏はただ事ではないと察知する。

「どうしたのよ。落ち着いて」

千夏が諭すように声をかけると、キーキーと、金切り声に近い声で話し始めた。

第3話の続きはこちら

第4話:「寝室に入らないで」妻が夫に突きつけた、入室禁止令。妻は隠れて…?

「実は昨日、一睡も出来なくて…。ちょっと体調が悪いから、お昼休みまで寝させてもらうね」

すると雅人は、パソコンを打つ手を止めて千夏の顔を見つめた。

「大丈夫?心配だよ」
「うん…。ごめんね」

−心配してくれてる。良かった…。

昨夜の出来事で、雅人に苛立っていた千夏だが、彼の優しい言葉にホッと胸をなでおろす。昨夜は雅人も疲れてイライラしていたのだろうと思った次の瞬間。彼の口から飛び出したのは、一気に信頼をぶち壊す、ひどいものだった。

第4話の続きはこちら

第5話:「まさか夫が…?」寝室に籠城する妻が感じ取った、エリート夫の異変

−俺、そんなに悪いことしたっけ…。

正直言うと、千夏がなぜあんなに怒っているのか分からない。心当たりがないのだ。

「放っておけば良いか」

数日もすれば、あっちからすり寄ってくるだろう。喧嘩をしたことはあるが、これまでもそうやって仲直りしてきたのだから。

とりあえず目を覚まそうと、ミネラルウォーターを取りに行く。だが、しかし。冷蔵庫を開けた雅人の目に飛び込んできたのは、信じがたい光景だった。

第5話の続きはこちら

第6話:テレビ会議で目撃した、愛サレ妻生活。夫に溺愛される妻の秘密の過去とは?

「すみません、会議の邪魔をしてしまって…」

そう言って画面に向かって頭を軽く下げた夫は、「まいちゃん、ママはお仕事中だよ。パパと一緒に遊んでようね」と、娘を抱きかかえる。

“舞花、目を離した一瞬で。邪魔して悪かった。ランチは何か買ってくるよ”
“ごめんね。午後、あなたの会議の時は私がみるわ”

そんな会話が電話越しに小さく聞こえてくる。ドアがパタンと閉まったのが聞こえたタイミングで、亜矢子が画面に視線を戻して話しかけて来た。

第6話の続きはこちら

第7話:「扉の向こうで一体何を…?」在宅勤務中、夫が妻に隠れてしていた衝撃的なこと

様子を伺おうと、耳をそばだてていると、雅人がブツブツ言っているのが聞こえる。同時に、まな板の上で何かを刻んでいるらしい音も聞こえてきた。雅人が料理をしているのは、事実のようだ。

急にどうしたのだろう。再び首を傾げていると、今度は寝室のドアをノックする音が聞こえた。

「あのさ、良かったら一緒にご飯食べない?」
「えっ…」

数秒間逡巡した後、千夏は寝室のドアをゆっくりと開けた。

第7話の続きはこちら

第8話:「平日は君と別居する」ワーケーションを楽しんだはずの夫が下した、衝撃の判断

足湯の気持ち良さに、ついビールに手が伸びそうになる。雅人も、「バケーションなんだし、開けちゃう?」と、乗ってきた。

千夏は、雅人の横顔を眺めながら、ふと思う。こんなに開放感に溢れた、楽しそうな雅人を見るのはいつ以来だろうか。

−ワーケーションに来て正解だった!

足湯でテンションが上がった千夏は、早くもワーケーション推進派に転向していた。この後、再び火花を散らすことになるとも知らずに。

第8話の続きはこちら

第9話:価値観が違い過ぎる、エリート拗らせ夫。ついにこぼれた、妻の危険な本音とは?

「ねえ、見学だけで良いから」

部屋に戻った千夏は、ソファに横たわってスマホをいじっている雅人に話しかけた。

一度は断られた“熱海移住プラン”だが、何度考え直してみても、魅力的だった。簡単に引き下がるわけにはいかない。もう一度提案してみることにしたのだ。

実際にマンションを見学したら心変わりするかもしれない。どうにか雅人を見学に連れ出そうと、千夏は必死にアピールする。

「温泉気持ちよかったでしょ?毎日温泉に入れる生活なんて、最高だと思わない?」

第9話の続きはこちら

第10話:「私も需要ある…?」夫婦末期症状に陥った女がそそのかされた、危険な誘い

「私たちの自由に、かんぱーい!」

ハイテンションで騒ぐ葉月は、もはやただの酔っ払いだが、それが千夏に安心感を与えた。葉月は、お酒を飲むと大概のことを忘れてしまうからだ。この際、何を言っても大丈夫だろう。彼女はきっと、忘れてくれる。

「雅人さんがいなくても生きていける気がしてきた」

千夏がそう言うと、葉月が満面の笑みであるものを差し出してきた。

「これ、見て」

第10話の続きはこちら

第11話:「ぬるま湯育ちめ…」地方進学校出身の男が“慶應ボーイ”に抱いた劣等感

きっかけは、千夏が熱海に引っ越したいと言い出したこと。雅人にとっては、絶対に受け入れられない提案だったのだ。

そんなすれ違いばかりの毎日に嫌気がさしたのかもしれない。これだけ連絡しても応答がないということは、今日はもう諦めた方が良いと思った。

千夏の機嫌を戻すには、熱海のマンションの見学に行くのが手っ取り早いだろう。だが、それだけは口が裂けても言わない覚悟だ。

−俺は、絶対に東京にこだわるんだ。

拳をぎゅっと握りしめる。雅人には、どうしても東京にこだわる理由があるのだ。

第11話の続きはこちら

第12話:「家事も仕事も、ほどほどで良いよ」上から目線の夫に激怒した妻の仕返し

「意外と色々あるんだなあ」

雅人は、パソコンを眺めながら千夏に話しかけた。

「本当ね。私も知らなかったわ」

2人は、ソファに並んで座って画面を覗き込む。スクロールしていくと、そこには中古物件がずらりと並んでいる。千夏の妊娠が発覚し、2人は引っ越しを決めた。今のマンションは狭すぎると思ったのだ。

初めは今と同じく賃貸を中心に考えていたのだが、話し合っていくうちに、広めの中古マンションを買うのも悪くないと、調べてみることにした。

第12話の続きはこちら

第13話:自己評価が高すぎる、自称“理解ある夫”。妻をブチギレさせた、残念な思考回路

「その考え方を改めて欲しいって言ってるのよ」

これ以上何を望むと言うのだろう。頭を捻るが出てこない。もはや、千夏のわがままの領域なのではないかと、穿った見方をしてしまう。が、次の瞬間。

「例えば、雅人が育休を取ってみるとか。そういうこと、考えたことある?」

−俺が、育休!?一体、何を言い出したんだ…。

雅人は、口をあんぐりと開けた。

第13話の続きはこちら

東レデート詳細はこちら >

【夫婦リボーン】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo