夫婦リボーン Vol.11

「ぬるま湯育ちめ…」地方進学校出身の男が“慶應ボーイ”に抱いた劣等感

今年、私たちの生活は大きく変わった。

“ニューノーマル”な、価値観や行動様式が求められ、在宅勤務が一気に加速した。

夫婦で在宅勤務を経験した人も多いだろう。

メガバンクに勤務する千夏(31歳)もその一人。最初は大好きな夫・雅人との在宅勤務を喜んでいたのだが、次第にその思いは薄れ、いつしか夫婦はすれ違いはじめ…?

2020年、夫婦の在り方を、再考せよ。

◆これまでのあらすじ

すれ違いが続き、一人になりたいと思った千夏は、突然外泊することに。夫・雅人は連絡を試みるが…?

▶前回:「私も需要ある…?」夫婦末期症状に陥った女がそそのかされた、危険な誘い


−ったく、千夏のやつ何考えてるんだ。

雅人はスマホをソファに投げつけた。

友人と出かけてくると言って出て行った千夏から、突如“今日は、外に泊まります。帰りません”というメッセージが届いたのは2時間前。

何事かと思って慌てて電話したが応答はない。送ったLINEも未読のままだ。

在宅勤務を始めてからというもの、千夏とは全くうまくいっていない。突如、寝室に籠城したかと思ったら、家事も放棄。

さすがに自分にも反省すべき点があったと、謝罪し、お詫びに熱海へワーケーションに出かけたが、そこでも結局喧嘩になった。

きっかけは、千夏が熱海に引っ越したいと言い出したこと。雅人にとっては、絶対に受け入れられない提案だったのだ。

そんなすれ違いばかりの毎日に嫌気がさしたのかもしれない。これだけ連絡しても応答がないということは、今日はもう諦めた方が良いと思った。

千夏の機嫌を戻すには、熱海のマンションの見学に行くのが手っ取り早いだろう。だが、それだけは口が裂けても言わない覚悟だ。

−俺は、絶対に東京にこだわるんだ。

拳をぎゅっと握りしめる。雅人には、どうしても東京にこだわる理由があるのだ。

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