恋と友情のあいだで~廉 Ver.~ Vol.11

「誰とLINEしてるの?」夫の浮気に気づいた妻による、反撃開始のカウントダウン

−なぜ今、思い出すのだろう?

若く、それゆえ傲慢だった同級生・相沢里奈の、目を声を、ぬくもりを。

これは、悪戯に交錯する二人の男女の人生を、リアルに描いた“男サイド”のストーリー。

商社マンらしくモテ男人生を送る一条廉は、27歳で3歳年上の美月と結婚。シンガポールで新婚生活をスタートさせる。

しかしその心には、特別な思いを抱く大学時代の同級生・里奈がいた。

物理的な距離が開くのとは逆に、少しずつ心の距離を縮めていくふたり。そんな中、大学サークルの10周年パーティーに出席した廉は、里奈からの誘いで密かに会場を抜け出す

ついに一線を超えてしまったふたりは、止めようもなく禁断の恋に溺れるのだった。


−また里奈に逢える。

再び日本への出張が決まったとき、まず思い浮かんだのはそれだった。

そして次に考えたことは、10周年パーティーの賞品でゲットしたリッツ・カールトン東京の宿泊券の存在。

会社デスクの引き出しを開けて封入りのそれを確認し、僕は無意識に頬が緩むのを止められなかった。

次の帰国で、里奈と使おう。

最初からそのつもりで、ここにずっとしまっておいた。

妻の美月にはそもそも10周年パーティーがあったことすら話していないから、宿泊券があることも当然、知らせていない。

常識で考えれば妻を誘うのが筋なのだろうが、しかしこの時の僕に、もはや躊躇も迷いもなかった。

里奈と一線を超えた直後は、確かに美月に対する罪悪感で苦しんでいたはずだ。しかし結局、僕と里奈の心は再び近づいてしまった。

それはまるで磁石が引き寄せられるような無抵抗な成り行きであり、自然の摂理ではないかというほど当たり前の帰結に感じられた。

それゆえ、自分たちのしていることが過ちであり、俗に言う“不倫”以外の何物でもないことに、僕も里奈も気づくことができなかったのだ。

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