私、愛されてる? Vol.8

私、愛されてる?:庶民には理解できない、セレブ妻の悩み。人生の辛酸をなめた女の見解

あなたは、「夫から愛されている」と断言できますか?

結婚3年目。少しずつ、少しずつ「マンネリ」に陥ってしまったとある夫婦。

熱烈に愛されて結婚した筈なのに、幸せになるために選んだ夫なのに…。

狂い始めた2人の歯車は、果たして元通りになるのだろうか。

これは、東京の至る所に転がっている、

「いつまでもいつまでも、幸せに暮らしました。」の後のストーリーです。

夫の愛情を取り戻そうと奔走する専業主婦の真希。日舞のお稽古で出会った魅力的な人物に思わぬ刺激を受け夫に本音をぶつけるが、話し合いの結果、さらに溝が深まってしまう。


美智子の見解


真希のことを人に説明するとき、私はついつい“箱入り娘”という言葉を使ってしまう。

もう30歳の人妻を捕まえて”箱入り娘”というのもおかしな話だが、彼女の醸し出すおっとりとした世間知らずな雰囲気を思い出すと、やはり”奥さん”というよりは”娘さん”と表現した方がしっくりくる気がするのだ。

真希とは、知人から紹介されて始めた日舞の師匠のお稽古場で知り合った。

松濤の高級住宅街の一角に集まる女達の中でも一際若いのに、50代の我の強い女達の和の中にいても不思議と浮き立つことなく溶け込んでいた。

私も会社を経営しているということで珍しがられたのか気に入られ、久々に復帰した日舞の世界は意外にも楽しいものだったのだ。

年齢は10歳以上も下だが、家事さえきちんとこなしていればいつでも時間を自由に使える真希と、仕事の時間に融通が効く私が稽古の後にお茶やランチをするようになるのに、そう時間はかからなかった。

「真希ちゃんは、いつまでたってもお嬢さん時代のままだわ」

稽古場に通う女達は、何かにつけて真希をそう評した。たしかに真希と話していると、家庭を持つ女の苦労みたいなものが一切感じられない。

親から庇護され、自分の世界だけに没頭できる学生と会話しているような気分になる。

ただ、今思うと、真希はずっと悩んでいたのではないかと思うのだ。

あの日、いつものようにお稽古の後にランチに出かけた先で彼女がポツリと語り始めたご主人についての悩みは、私の離婚前の生活をはっきりと思い出させた。

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